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自分で伐った木を製材してカンナがけするとみえてくる世界
大の大人がニッコニコの笑顔で「うわ〜〜〜!」と、はしゃぎながら木を撫でる様子なんて、あまり見かけないかもしれません。
私たち夫婦はセルフビルドで家を作るべく、現在も準備を進めていますが、林業が主業なので、それに使う材木も自分たちで揃えたい…。
というわけで、自分たちで山に入り、自らチェーンソーで伐って、2トンダンプで運び出し、製材機を使える場所まで持ってきて、自力で製材を進めてきました。
「一体、家を作るのには何本の木がいるのだろうか」
そう思いながら、重たい原木を夫婦ふたりでヒーヒー言いながら、丸ノコ製材機と帯鋸製材機を駆使しながら、板挽きしたり、柱や土台・梁なんかの構造材を挽いたりしてきましたが、それらは挽いてから1年ほど天然乾燥をしていました。
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雨が降ったりしたとき、材木に水が溜まらないように「りん木」といって枕木を挟むのですが、挽いた板や構造材の間にも、そのりん木を挟んで、屋外で1年間、置いていました。
乾燥加減もいい感じになってきたので、2022年6月、ようやくその材木の仕上げ作業に入りました。
作業に使う道具は「プレーナー」という自動でカンナがけをしてくれる機械。
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厚みなどを調整しながら削れる優れもので、2mmずつくらいを落としながら、実際に現場で使うサイズに仕上げていくのです。
今までは粗挽きでザラザラな表面だったのが、このプレーナーにかけることで、見違えるほど美しい木目が出てきて、それはそれは感動するほど。
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自分の子どもが生まれて1年ちょっと経つと、つかまり立ちから少しずつ歩く練習をはじめますが、ヒトが「立つ」ということを覚え、行動にできるようになった瞬間、私は目に涙が浮かぶほど、とても感動しました。
「感動の基準」というのは比較するものでもないかもしれませんが、個人的には同じくらいに感激し、そういう意味ではプレーナーがけの作業は地味なものではありましたが、とてもやりがいのある作業だったのです。365日毎日やりたくはありませんが(笑)
杉やヒノキの木目の美しさにも、もちろん感動するのですが、それ以上に「うおおおお!」と叫びたくなったのは、栗のプレーナーがけ。
広葉樹は木目が板挽きにした1枚1枚、それぞれすべての顔が異なっており、「え!あなたはこんな模様だったの!」「あなたはこんなユニークだったの!」なんて風に、ついつい語りかけてしまいたくなるほど。
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夫とも「愛らしいねえ」と何度つぶやきあったことか…。
広葉樹はそれほど数があるわけではありませんが、唯一無二な木目を活かして、新居でも活用したいと思います。
林業において、木を伐って用途にあった長さに仕上げて売ることを「素材生産」と言いますが、素材生産をしているだけだと、自分が伐った木がどうなっていくか…というのは、あまり目にすることはありません。
直接、材木屋さんや木工所と繋がっていると、またその状況は異なりますが、それだけ木を伐る現場と、商品化される現場とがわかれてしまっているのです。
そういう意味でも、林業を営む私たち夫婦が製材をして、原木からどんな過程で製品となるかを実体験を持って知れたことは、今後の林業人生でも意義あることで、木への愛着もより深いものになったなあとも感じています。
暮らしにおいてもそうですが、買った商品はまちがいないかもしれないけど、多少塩辛くなったり甘すぎたとしても、自分で作ったお味噌やジャムって愛着沸くし、なによりもその過程が楽しかったりしますよね。
林業や製材でも同じことが言えるなと感じていて、今後も自分たちで伐った木を製材して…ということは頻繁にはしなくなるかもしれませんが、一度自分たちでやり通して、体験したことで、製材の大変さや面白みに気がつきました。
林業より担い手不足が深刻だとされる製材業という世界の魅力も同時に、本業ではなくとも、このnoteの記事のように、私目線で発信することもありなのかなと。
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身近にある、日本の森林資源をいかに有効に活用するか。
なにをもって有効とみなすかは、もちろん人それぞれですが、夫婦林業ヤドリギとして、私たちは木をこうやって使います!というのを示していくことも、林業を発信していく上で大事だと思うので、これから作る「木の家」についてもどんどん公開していきたいと思います。
さて、ここからは家づくりの話に戻り、以前していた解体の話のつづきを。
参照:家を建てる前に、感動して涙が出そうな夫婦っているのだろうか。
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