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不可思議で、なおかつ美しすぎる世界が…★劇評★【舞台=唐版 風の又三郎(2019)】

 かつて唐十郎が紅テントで上演したアングラ演劇の傑作「唐版 風の又三郎」が、2013年に蜷川幸雄の演出のもと「唐版 滝の白糸」で唐戯曲のファンタジックな世界観を経験した窪田正孝と、宝塚歌劇団退団後もさまざまな作品でそのあふれんばかりの潜在能力を次々と開花させている柚希礼音という魅力的なダブル主演で、シアターコクーン・オンレパートリー2019「唐版 風の又三郎」として上演されている。そこには2人と唐戯曲において予想された化学反応をはるかに超えた激しい融合と刺激的な拡張が起きており、現代演劇の殿堂であるシアターコクーンがあらゆる抜け道や毛細血管を通じて、秘密めいた都会のアンダーグラウンドな魑魅魍魎たちとつながっているような、不可思議で、なおかつ美しすぎる世界が展開していた。演出は金守珍(キムスジン)。(写真は舞台「唐版 風の又三郎」とは関係ありません)
 舞台「唐版 風の又三郎」は2月8日~3月3日に東京・渋谷のシアターコクーンで、3月8~13日に大阪市の森ノ宮ピロティホールで上演される。

★舞台「唐版 風の又三郎」公式サイト

https://www.bunkamura.co.jp/cocoon/lineup/19_kazemata/

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