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<エンタメ批評家★阪 清和>ストレートプレイ劇評セレクション

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阪 清和が発表したストレートプレイ演劇に関する劇評をまとめました。音楽劇を入れるかどうかはその都度作品ごとの内容を吟味して決定します。さあ、あなたも演劇の深遠な世界へ! ジャニー… もっと読む
「不要不急」か「人生の宝物」か。そんな議論をしている暇があれば、演劇を観てください。日本の演劇はい… もっと詳しく
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窮状の中でもしおれず立ち上がる女性たちのしなやかさが香りたち、気品のある力強さに…

 貧富の差が広がり続けているというのに、その解決への機運が一向に盛り上がらない、不思議の…

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何のために物語を生み出すのか。演劇的なダイナミズムにぞくぞくする作品…★劇評★【…

 書く、観る、読む、話す、創る。そんな物語に関することを横断的に表現する「モノガタリスト…

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西部劇の町に響く運命論の鐘。キャスティングにも仕掛けがあり、油断ならないたくらみ…

人にはそれぞれ事情がある。そのことを分かってもらうために、その人が愛してやまない世界観を…

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アニメーションという言葉の本当の意味合いを深いところから取り出して私たちに提示し…

 想像力という翼で描かれたアニメーションを舞台に再現する場合、その再現に固執しすぎてしま…

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生きるには長すぎる「100年時代」の人生をどこまでも深掘りしていく筆致は、松尾ス…

 撮られる者と観る者、そしてその間にいる撮る者。ドキュメンタリーという表現形式の中に存在…

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社会劇でもあり家族劇。演劇というビビッドな手法であぶりだした沖縄の焦燥感…★劇評…

 復帰2年前の沖縄で、それまで積もりに積もった米軍への怒りと不満が、交通事故をきっかけに…

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屈指の美的センス誇る唐作品の傑作。詩情豊かなせりふが作り出す言葉のリズムに体を揺らしていると、心まで物語の中に溶け込んでいくよう…★劇評★【舞台=泥人魚(2021)】

 人間のどろどろとした欲望や負の感情、しかしそこに降り注ぐ光によって描き出される虹は得も言われぬ美しさ。まるで相容れないようなものまで結びつける唐十郎の作品群の中でも屈指の美的センスを誇る傑作「泥人魚」が東京・渋谷のシアターコクーンで上演されている。宿命に全身を包み込まれた謎の女がつなぐのは故郷と都会、過去と未来、そして光と闇。詩情豊かなせりふが作り出す言葉のリズムに体を揺らしていると、心まで物語の中に溶け込んでいくよう。猥雑な感情のやり取りや、人々の情念をざらつかせる展開も

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その麗しくすべらかな物語は時に猥雑な毒も吐きながら、物語が生まれるダイナミズムや…

 物語の作者にとって、物語の世界は異世界でもありつつ、自分の脳とつながった体内世界でもあ…

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コメディーの弾力性を心得た鈴木京香と高橋克実の計算されつくした天然ぶりが随所で炸…

 夫婦ほど不思議なものはない。愛情だけが絆のようにも見えがちだが、意外なところでつながっ…

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さらなる成長を誓ってどん欲に作品に立ち向かおうとする役者の業がぶつかり合う迫力を…

 偽物を偽物でなくするためには、徹底的に本物を追究しなければならない。井上ひさしの舞台「…

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猥雑なカオスとそれが生み出す黒くたぎった生命感が生と死のぎりぎりの境目の中で熱く…

 「自分のような特別な人間(選ばれた非凡人)には、その行為によって人類が救われその行為が…

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現代演劇のオリジンとしてのウィリアムズ戯曲の古典的な構成美と、21世紀にもつながる…

 現代人はがんじがらめだ。はてしない欲望と現実との摩擦。ちょっとも前に進まないじりじりと…

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運命の荒野をとぼとぼと行くたびに深まるのは物語そのもの。そのあやふやさと残酷さを…

 人生はいつでも自分が主人公、なんて言うけれど、本当にそうなのか。人の数だけ物語があって…

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女優同士のマウンティングにニヤリ、監督の思惑にヒヤリ。誰ひとり置き去りにせず混迷の渦を見せる井上ひさしの底力光る…★劇評★【舞台=キネマの天地(2021)】

 井上ひさしの物語の中には物語がある。それは言葉通りの「劇中劇」であったり、過去の回想や思い出話だったり、それはそれはさまざまなかたちで物語が入れ込んである。それが互いに作用してさらにもう一つの物語を産み出すのだから、面白くないはずはない。しかもこの舞台「キネマの天地」の場合、この入れ子細工のような構造はさらに複雑になって、物語の中の登場人物や観客を魅惑的に惑わせていく。普通はこんなに入り組んでいると、何を信じてよいのか分からなくなるものだが、井上ひさしの設計図に破綻はなく、

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