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<エンタメ批評家★阪 清和>ストレートプレイ劇評セレクション

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阪 清和が発表したストレートプレイ演劇に関する劇評をまとめました。音楽劇を入れるかどうかはその都度作品ごとの内容を吟味して決定します。さあ、あなたも演劇の深遠な世界へ! ジャニー… もっと読む
「不要不急」か「人生の宝物」か。そんな議論をしている暇があれば、演劇を観てください。日本の演劇はい… もっと詳しく
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「セカイ系」の世界観が、研ぎ澄まされた演劇空間の中に炸裂。ラルビの飛び抜けた想像…

 21世紀初頭に発生した彗星の一部崩壊で落下した隕石による巨大災害とされた「セカンドイン…

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ないがしろにされる感性や文化、庶民がユーモアや希望を忘れずに戦争という時代に立ち…

 太平洋戦争のころの日本の庶民の暮らしがどれほど悲惨で大変だったか、焼夷弾がどれほど恐ろ…

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文明論にまで踏み込んだ壮大な物語構造を土台に斬新な仕掛けに満ちた一大エンターテイ…

 私はエンタメ批評家やインタビュアー、ライター、ナビゲーターとして活動するかたわら、「物…

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黒木華の情感のこもった演技と中村倫也の誠実な表現によって忘れがたく胸を打つ作品に…

 私は頭の中に文章が浮かんできたときにはそれを書きとめておいて、いつかそれが小説かなんか…

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シリーズ化検討も可能なクオリティーの提示に成功、高野洸の高い身体能力と牧島輝の高…

 日本でも朝廷内部や豪族・貴族同士の争いから徐々に武士同士の権力争いに発展し、「群雄割拠…

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志持つ者同士が心を寄せあった時に生まれる巨大なスパーク、三浦宏規と小関裕太が鮮や…

 「三国志」などで有名な三国時代よりさらに数百年も前の後の中国の春秋・戦国時代(正確には…

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高畑充希の魂をふるわせる演技と歌声。クリエイターらとの総合力が代表作を誕生させた…★劇評★【舞台=宝飾時計(2023)】

 俳優には「出会うべくして出会う」作品がある。たとえ演じるキャラクターが自分に似ていても似ていなくても、それまでのイメージをぶち壊すような役柄でなくても、その俳優にとっては、それ以前とそれ以後に分けられるような作品に出会う時がある。高畑充希にとって、舞台「宝飾時計」がそんな作品であるのは、憧れの作家である演出家・劇作家の根本宗子のオリジナルの新作だからであり、子役時代からもがき続けてきた女優が30歳にたどり着いた時に過去と現在と未来がめぐりあったような不思議な空間の中でもう一

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舞台上に再現していく人生絵巻は上質なえぐみに満ち満ちて…★劇評★【舞台=ツダマン…

 作家とは頭の中で人の人生を創り出し、それを展開させていくわけだから、神のような存在だ。…

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弾けた演技力示す鈴木壮麻と八面六臂の賀来千香子、生きることと死ぬことの間にある人…

 人は意識がない時も夢を見ることがあるという説が有力だが、それが生死の境をさまよっている…

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哀愁や郷愁の中で人々の生命力がぶつかり合う秀逸な芝居に…★劇評★【舞台=忘れても…

 本人にとってはとるにたらない個人史だと思っていることでも、それを追うことによって社会の…

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世論が移ろいやすくなった脆弱な現代と怖いほどリンクする恐るべき作品であることが初…

 吉良上野介の視点から赤穂浪士らの吉良邸討ち入りを描く―。よくある「外伝」や「スピンオフ…

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政治や社会に蹂躙されてきた人々への圧倒的なオマージュとして新国立劇場に愛と哀しみ…

 かつて私が世界的演出家、蜷川幸雄のもとに毎月インタビューに赴き、その時々に手掛けている…

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日本社会の実相と多角的にリンク、衝撃的な作品をコクーンに持ち込み続ける赤堀雅秋……

 赤堀雅秋の作品が初めてシアターコクーンに登場した2014年。私はその作品「殺風景」の稽…

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がんじがらめの状態が本質的なものを引き出し、究極の会話劇として堂々と演劇の中央舞台に乗り込んでみせた…★劇評★【舞台=アルキメデスの大戦(2022)】

 日清・日露と連戦連勝、第一次大戦は無関係で、よほど自信があったのかもしれないが、エネルギーも食料も自給自足は出来ない日本が、ましてや世界一の工業生産国である米国と戦争をするなんて。今の人でなくてもだれが考えてもそれが「無謀」だということが分かるはず。あまりにも愚かすぎる。しかし、いや、だからこそ、精神論だけで乗り切れるはずがないことを分かっていた人は戦前の日本にだっていたに違いない。しかも実際に自分たちが戦う立場の軍部の中には絶対に主戦論だけでない考えの人がいた可能性が強い

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