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劇団のスタイル決定づけたiakuの「流れんな」。広島弁での再演で登場人物たちの焦燥感と作品の温度がアップ…★劇評★【舞台=流れんな(2024)】
小劇場系の劇団が初めて自主公演のために書き下ろした作品は劇団にとって思い出深いものだが、それがその劇団のその後の作風や方向性を決めるものになっていたとしたら、その思いはとりわけ格別のものがある。今年1月に発表された第27回鶴屋南北戯曲賞を昨年上演した「モモンバのくくり罠」で受賞した劇作家・演出家の横山拓也が率いる「iaku」にとって、2014年に初演した「流れんな」という作品がまさにそうだ。レパートリー公演の初演のほとんどが他団体の主催公演での上演であることが多かった初期の
¥100〜深まったキャラクターの心理描写、シーンごとの洗練度もアップ。新ゲッコーも見どころ多く…★劇評★【ミュージカル=SUNDAY(サンデイ)(2024)】
決して間違ったことではないのだが、人は自分が正しいと思い込んでいることを人にも強要しがちで、特に家庭という場所においては、なおさらである。英国の典型的良妻賢母のジョーンはまさにそんな一人。しかし、ひょんなことから身を置いた異境でわが胸に浮かびあがった、そんな自分に対するひとつの疑念から次々と連鎖的にさまざまな記憶がつながっていくさまがミュージカルに昇華した。2018年の初演で、題材選びの素晴らしさとその磨き上げ方の卓越したテクニック、ジョーン役の高野菜々らキャスト陣の表現力
¥300〜【反響速報】 三浦春馬さんの有料劇評を100日間限定で無料公開としたことをお知らせした記事が「note」(閲覧者6300万人)で「先週もっとも多く読まれた記事のひとつ」に選ばれました、通算25回目の選出(2024)
三浦春馬さんの有料劇評を2024年7月8日から10月16日までの100日間限定で無料公開としたことをお知らせした2024年7月8日に投稿の記事が、わたくし阪清和が運営しているエンタメ批評&応援ブログ「SEVEN HEARTS」で発表している劇評や映画評の完全版を有料(リポートやニュース記事は無料です)公開する場所として活用しているクリエイターの作品発表型SNS「note」(会員数500万人、月間アクティブユーザー=閲覧者=6300万人)で本日7月15日、「先週もっとも多く読
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【活動報告】 世界中で注目される近浦啓監督の最新作『大いなる不在』(森山未來主演)について書きました、フェローズ「Creators Eye」連載第66回(2024)
クリエイティブワークに特化した人材&仕事紹介サービス会社「フェローズ」が運営する総合情報サイト「クリエイターズステーション」の「Creators Eye」で私が受け持っている連載の第66回(2024年7月11日掲載)は、長編初監督作品の前作『コンプリシティ/優しい共犯』が国際的に評価された近浦監督が、短編を含めて3作目のタッグとなる藤竜也を物語の核となる父親に起用し、映像作品だけでなくコンテンポラリーダンスの分野でも目覚ましい活躍を見せる森山未來を主人公である息子に配して、
【お知らせ=三浦春馬さん出演の3つの舞台の有料劇評を7/8~10/16の100日間限定で無料公開としました(2024)】
当ブログ「SEVEN HEARTS」ではこれまでに800本近い劇評を掲載・発表しています。普段は原則として有料(100~300円)で公開していますが、さ来週の2024年7月18日は2020年7月18日に俳優の三浦春馬さんが急逝された日から4年という時間が経過した日であり、そのことに鑑み、春馬さんが舞台で躍動していた姿をもう一度心に刻み付けていただくため、本日2024年7月8日から10月16日までの100日間は、春馬さんが出演した舞台の中から印象的だった3つの舞台「地獄のオル
【活動報告&反響速報】 劇団四季の新作ミュージカル「ゴースト&レディ」の魅力を紹介した「クリエイターズステーション」の連載コラムが「6月最も読まれた記事」のひとつに選ばれました、1年9カ月ぶり5回目(2024)
「うしおととら」というヒット作を持つ人気漫画家の藤田和日郎さんが「黒博物館」シリーズの第2弾として2014年から始めた漫画「黒博物館 ゴーストアンドレディ」を原作に劇団四季が創り上げた新作ミュージカル「ゴースト&レディ」の魅力を紹介した「クリエイターズステーション」の連載コラムが「6月最も読まれた記事」のひとつに選ばれました。「クリエイターズステーション」では、12人のクリエイター陣で回しているコラム「Creators Eye」(筆者から見ると月1連載コラムに相当)をはじめ
【活動報告】 高野菜々さん・森彩香さんの対談をお手伝いしました、音楽座ミュージカル「SUNDAY」公式パンフレット(2024)
音楽座ミュージカルのミュージカル「SUNDAY(サンデイ)」2024年版公演の公式パンフレットに掲載されたジョーン役の高野菜々さんとレスリー役の森彩香さんの対談コーナーで進行役と構成・執筆を担当いたしました。近年の音楽座ミュージカル公演で主人公など重要な役柄を担い続けている2人の、ミュージカル「SUNDAY(サンデイ)」にかける思いを余すところなく聞き出し、執筆・収録しました。 音楽座ミュージカル「SUNDAY(サンデイ)」は、推理小説の名手、アガサ・クリスティーがミス
【News=速報】 「京都人の密かな愉しみ」の「Blue 修業中」第3弾「祇園さんの来はる夏」7月7日に再放送へ、新シリーズ始動はいまだ不明(2024)
京都人の実像と古都の美しい魅力を描いて高い人気を誇ってきたNHKBSの番組「京都人の密かな愉しみ」で2022年5月28日に完結した第2シリーズ「Blue 修業中」のうち、シリーズの第3弾「祇園(ぎおん)さんの来はる夏」が2024年7月7日午後3時半から5時29分までNHKBSで再放送されることが分かった。1週間先までの放送予定を表示するNHKの番組表にも6月30日に掲載され、番組ホームページの放送予定にも30日から告知されている。「祇園さんの来はる夏」は祇園祭の裏側が堪能で
日本の選択をめぐる魂を削るような日々、重厚な会話劇に生き生きとしたリズム…★劇評★【舞台=オットーと呼ばれる日本人(2024)】
私たちは現在の時点から歴史を見ているから、何でも好きなことを言えるが、その歴史の時々に生きていた人たちは、必死だったのだ。自分が国籍を有している国がどうなるのか、所属している組織はどうなるのか。特に戦争のさなかにいる、あるいは戦争への突入が不可避になっているタイミングでは、だれもがそのことを探り合っていたはずだ。特にあの時代、日本自身がどういう選択をするのかは世界中が注視していた。1930年代から1940年代にかけての上海と日本を舞台にこの選択をめぐる諜報活動にあたっていた
¥300〜【News=発表】SEVEN HEARTS演劇大賞2023の最優秀賞が決定。作品が「ラビット・ホール」「ラグタイム」「アカシアの雨が降る時」「ラ・マンチャの男」、主演は宮澤エマ・濱田めぐみ・中村倫也・井上芳雄(2024)
「SEVEN HEARTS大賞」(2018年創設=2017年の作品・人が対象)のうち、2023年に日本の劇場で上演された全演劇作品を対象とした「SEVEN HEARTS 演劇大賞2023」各部門の最優秀賞が決まりました。最優秀賞は先日6月1日に発表した各賞(優秀賞、入選、次点)のうち優秀賞受賞作、受賞者の中から選びました。 作品賞は演劇部門では息子を亡くした若い夫婦が哀しみの底からどうやって希望の光を見つけていくかを繊細に描いた会話劇「ラビット・ホール」、ミュージカル部
すずの柔らかなたくましさを丁寧に表現する昆夏美の繊細さ、シーごとの心情を的確に示す海宝直人の歌の表現力、アンジェラ・アキの語り掛けるような音楽の口調がミュージカルにも映える…★劇評★【ミュージカル=この世界の片隅に(昆夏美・海宝直人・桜井玲香・小野塚勇人出演回)(2024)】
誰かと出会うということは奇蹟に違いないのだが、その過程でどちらかがどちらかを「見つけている」。それこそが奇蹟なのだ。こうの史代の漫画「この世界の片隅に」に流れるこの奇蹟への賛歌は、ミュージカル化されたことでより高らかに謳い上げられ、私たちの胸を打つ。戦争という無限の地獄にも思える世界の中でも人は生を生き、それぞれの輝きをきらめかせる。この広い広い世界の中でだれかが私を見つけてくれる。そしてそこがわたしの居場所になる、そのひそやかで、謎めいていて、そしてどこまでも深遠で確かな
¥300〜【反響速報】 livedoorブログランキング映画部門(サイト数1万強)で3日連続2位、1年8カ月ぶり3日連続ベスト2圏内(2024)
国内のブログサービスでも運営者数がトップグループ(執筆者16万人、ブログ数669万サイト、閲覧者7000万人、うち愛読者2400万人=現在公式発表が途絶えていますので、すべて発表数字からの推計)のlivedoorブログ上で配信している当ブログ「SEVEN HEARTS」が本日2024年6月5日、livedoorブログランキングの映画部門(ブログ数10686)で2位となりました。また映画部門を含む芸能総合部門映画部門(ブログ数46224)では10位となりました。映画部門で2位
すずの世界は守られた。誠実な創作と大原櫻子・村井良大の巧みな演技、アンジェラ・アキの音楽も支えた命のきらめきとすずの切なさの混じった優しさ…★劇評★【ミュージカル=この世界の片隅に(大原櫻子・村井良大・平野綾・小林唯出演回)(2024)】
こうの史代の漫画「この世界の片隅に」の漫画誌への掲載が世の中に告知された時、私はこうのさんらしいなと思った。私はこうのさんの漫画のいち読者であるとともに、それ以前にこうのさんが世間に大きな感動を届けた「夕凪の街 桜の国」に強い関心を持った新聞記者として取材をさせてもらった経験があったからだ。こうのさんは世間から戦争漫画家と呼ばれたいわけではなかった。広島県出身だからといって原爆を描く漫画家として注目されたかったわけでもなかった。いろんな話を聞いてそう感じていた私にとって、こ
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