阪 清和 (Kiyokazu Saka)

大阪市生まれ。関西学院大学卒業後、共同通信社で31年間記者活動。2013年秋、円満退職してエンタメ批評家、インタビュアー、ライター、ジャーナリスト、MCとして独立。映画、演劇、音楽、ドラマ、漫画、現代アート、ネット文化、旅、食と幅広くカバー。横浜在住。活動拠点は渋谷・道玄坂。

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大阪市生まれ。関西学院大学卒業後、共同通信社で31年間記者活動。2013年秋、円満退職してエンタメ批評家、インタビュアー、ライター、ジャーナリスト、MCとして独立。映画、演劇、音楽、ドラマ、漫画、現代アート、ネット文化、旅、食と幅広くカバー。横浜在住。活動拠点は渋谷・道玄坂。

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    • <エンタメ批評家★阪 清和>ストレートプレイ劇評セレクション

      阪 清和が発表したストレートプレイ演劇に関する劇評をまとめました。音楽劇を入れるかどうかはその都度作品ごとの内容を吟味して決定します。さあ、あなたも演劇の深遠な世界へ! ジャニーズのストレートプレイはこのマガジンには収容いたしません。

    • <エンタメ批評家★阪 清和>ミュージカル劇評数珠つなぎ

      阪清和が発表したミュージカルに関する劇評をまとめました。ジャニーズ関連のミュージカルはここには収容しません。音楽劇を入れるかどうかは作品ごとに判断します。

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    弾けた演技力示す鈴木壮麻と八面六臂の賀来千香子、生きることと死ぬことの間にある人生の喜びと哀しみを実力派たちが果敢に描き出す…★劇評★【舞台=吾輩は漱石である(2022)】

     人は意識がない時も夢を見ることがあるという説が有力だが、それが生死の境をさまよっている時ならば、そこで見る夢は何かを示唆しているのか。臨終の直前に走馬灯のように見るという過去の記憶の連続画像との関係も気になるところだ。宗教的な分析は古くから行われているものの、夢の本格的な研究はフロイトやユングが活躍した20世紀初めごろ以降とされているから、まだ分かっていないことの方が多いのが実情だ。この意識不明下の夢を道具立てとして、かの文豪、夏目漱石が晩年近くに転地療養中の伊豆で味わった

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      • 哀愁や郷愁の中で人々の生命力がぶつかり合う秀逸な芝居に…★劇評★【舞台=忘れてもろうてよかとです ―佐世保・Aサインバーの夜―(2022)】

         本人にとってはとるにたらない個人史だと思っていることでも、それを追うことによって社会の大きな歴史と変遷が見えてくることがある。これは社会心理史を専攻して来た私が教授から叩き込まれてきた考え方で、だからこそ大学時代のゼミでも、記者やエンタメ批評家となってからも、娯楽が大衆に与える影響を探求し続けている私にとって、個人の人生を追い続けることは日本の社会を見るかけがえのない手法だと確信している。劇団民藝が2022年9月から10月にかけて上演した舞台「忘れてもろうてよかとです ―佐

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        • 世論が移ろいやすくなった脆弱な現代と怖いほどリンクする恐るべき作品であることが初演から34年の今ますます鮮明に…★劇評★【舞台=イヌの仇討(2022)】

           吉良上野介の視点から赤穂浪士らの吉良邸討ち入りを描く―。よくある「外伝」や「スピンオフ」ではなく、物語の本家本元の本質の部分を全く逆から見通した1988年初演の井上ひさしらしい快作「イヌの仇討」は2017年にこまつ座としては初めての再演として大谷亮介の主演で復活しているが、2020年に続いて今年2022年11月には東京で再演。そのままの流れで、九州各地を巡演中だ。吉良がこの舞台で描かれているような頭脳明晰で上品な平和主義者だったのか、それとも「忠臣蔵」など赤穂浪士の忠義の美

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          • 政治や社会に蹂躙されてきた人々への圧倒的なオマージュとして新国立劇場に愛と哀しみの鐘を鳴り響かせた…★劇評★【舞台=レオポルトシュタット(2022)】

             かつて私が世界的演出家、蜷川幸雄のもとに毎月インタビューに赴き、その時々に手掛けている作品や、演劇の核心について語ってもらうという特別企画を続けていた2009年、蜷川は3時間強ずつの三部作、つまり9時間を超える上演時間の舞台「コースト・オブ・ユートピア ~ユートピアの岸へ~」を演出するという気の遠くなるような創作作業に臨んでいた。「おもしろいよ、あなたも観に来なきゃダメだ。観たら私の共犯者になるけどね」と、ニヤリとした。実際に見てみると、近代から現代へと向かう世界の歴史の一

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            【Report=井上ひさしが掛けた不思議な魔法を精緻に組み立てる俳優陣、こまつ座舞台「吾輩は漱石である」稽古場リポート(2022)】

             夏目漱石がその最晩年の数年間に胃潰瘍や胃の疾患、糖尿病などで何度も倒れて入院したことはよく知られた話で、この期間の最初の入院となった東京での入院の後に転地療養のため向かった修善寺で吐血し、危篤になって生死の境をさまよったことは特に「修善寺の大患」と名付けられて文学史に刻まれている。その際に漱石がどんなことを考えながら床に横たわっていたのかは本人しか分からないのだが、井上ひさしは、この臨死体験の30分間に漱石が「見たかもしれない」夢のような断片をファンタジックに組み立て、漱石

            日本社会の実相と多角的にリンク、衝撃的な作品をコクーンに持ち込み続ける赤堀雅秋…★劇評★【舞台=パラダイス(2022)】

             赤堀雅秋の作品が初めてシアターコクーンに登場した2014年。私はその作品「殺風景」の稽古場取材や新聞用のインタビューでこのカンパニーにある程度深く関与していたが、世間は赤堀がこの演劇の殿堂で何をやらかすか、戦々恐々としていたことをよく覚えている。その世間よりも一足早く、稽古場で作品を見ていた私は、「赤堀は本当にやる気だ。この世界観を、コクーンにぶち込むつもりだ」とまんじりともしない時間を過ごしたのだ。それから8年。赤堀は観客にとって衝撃的な作品をコクーンに持ち込み続けた。当

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            あふれ出す感情を新鮮な輝きと共に提示する花總まりの「集大成という名の始まり」、新世代のトートを確立しようとする古川雄大の執念…★劇評★【ミュージカル=エリザベート(花總まり・古川雄大・田代万里生・甲斐翔真・剣幸・黒羽麻璃央出演回)(2022)】

             ミュージカル「エリザベート」の宝塚歌劇団での日本初演の際、世界最年少の22歳でエリザベートを演じた花總まりが今日まで26年もの間、その役柄を続けて来られたのは、王室内の抑圧や家族の不協和音などで苦しみ続けたエリザベートがそんな中でもまとい続けた「気品」を誰よりも忠実に再現して来たからだろう。喜びや悲しみ、そして怒りや虚無的な気持ちなど、人生のさまざまな時点において移ろってきたエリザベートを陰に日向に支え続けた誇りとでも言える気品が、花總自身をも成長させ続けてきたのであろう。

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            【Report=知的な探求心に包まれる稽古場、こまつ座舞台『イヌの仇討』(2022)】

             井上ひさしが吉良上野介の視点から赤穂浪士らの吉良邸討ち入りを描いた1988年初演の話題作を2017年にこまつ座としては初めての再演として大谷亮介の主演で復活させた舞台「イヌの仇討」。2020年に続いて今年2022年11月にも再演されることになり、東京都内の稽古場で連日、綿密な稽古が続けられている。言葉を厳選して物語の本質に近づけていく井上のさまざま含意を持ったせりふと格闘しながらも、それぞれの人物像をより鮮明に描き出そうと奮闘する俳優陣。3度目の演出となる東憲司も「(改善点

            圧倒的な美と声量がもたらすハイグレードな山崎育三郎トートと屹立した女性像体現する愛希れいかのエリザベート。高い完成度に近づく命と魂のロンドが展開…★劇評★【ミュージカル=エリザベート(愛希れいか・山崎育三郎・田代万里生・甲斐翔真・涼風真世・上山竜治出演回)(2022)】

             新型コロナウイルスの感染が拡大したため2年続けての再演のはずが3年ぶりとなったからと言って、ファンの心理がそんなに大きくかき乱されるものではないが、中止になった2020年の公演が、若くして数々のミュージカルを極めてきた山崎育三郎がついに黄泉の帝王トートを演じるはずの公演だったこともあって、ファンはこの3年間、ずいぷんと待たされた思いがしていたに違いない。今回は宝塚歌劇団時代から長くエリザベートを務めてきた花總まりがエリザベート役の集大成として臨むタイミングとも重なり、前回公

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            【反響速報=「キンキ―ブーツ」劇評が「note」(月間閲覧者6300万人)で「先週もっとも多く読まれた記事のひとつ」に選ばれました(2022)】

             わたくし阪清和が運営しているエンタメ批評&応援ブログ「SEVEN HEARTS」で発表している劇評や映画評の完全版を有料(リポートやニュース記事は無料です)公開する場所として活用しているクリエイターの作品発表型SNS「note」(会員数380万人、アクティブユーザー=閲覧者=6300万人)で10月17日に投稿・掲載したミュージカル「キンキ―ブーツ」の2022年公演の劇評記事が本日10月24日、「note」で「先週もっとも多く読まれた記事のひとつ」に選ばれました。選ばれたのは

            がんじがらめの状態が本質的なものを引き出し、究極の会話劇として堂々と演劇の中央舞台に乗り込んでみせた…★劇評★【舞台=アルキメデスの大戦(2022)】

             日清・日露と連戦連勝、第一次大戦は無関係で、よほど自信があったのかもしれないが、エネルギーも食料も自給自足は出来ない日本が、ましてや世界一の工業生産国である米国と戦争をするなんて。今の人でなくてもだれが考えてもそれが「無謀」だということが分かるはず。あまりにも愚かすぎる。しかし、いや、だからこそ、精神論だけで乗り切れるはずがないことを分かっていた人は戦前の日本にだっていたに違いない。しかも実際に自分たちが戦う立場の軍部の中には絶対に主戦論だけでない考えの人がいた可能性が強い

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            【反響速報=livedoorブログランキング映画部門(1万サイト)で約1カ月ぶり2日連続1位、「キンキ―ブーツ」「burst! ~危険なふたり~」劇評に引き続きアクセス集中、当ブログ史上11回目(2022)】

             国内のブログサービスでも運営者数がトップグループ(執筆者16万人、ブログ数669万、閲覧者7000万人、うち愛読者2400万人=すべて発表数字からの推計)のlivedoorブログ上で配信している当ブログ「SEVEN HEARTS」が本日2022年10月20日、livedoorブログランキングの映画部門(ブログ数10669)で、19日に続いて1位となり、約1カ月で当ブログ史上11回目となる2日連続1位となりました。過去には1位を47回、2位を62回、3位を48回達成しています

            なんでこんなに染みるのだろう。約80年前初演のテネシー・ウィリアムズ作品をイザベル・ユペールらが日本で上演…★劇評★【舞台=ガラスの動物園(フランス語版)(2022)】

             今から80年近く前の戯曲なのに、なんでこんなに染みるのだろう。家族で同居しているのに感じる孤独、互いを大切に思っているのに知らない間に与えている苦痛と苦悩、当時はほとんど理解されていなかった精神的な気質を抱える身のいたたまれなさ…。それでもみんな必死に生きようとしている。米国の現代演劇の源流となった巨人のひとり、テネシー・ウィリアムズがその劇作家キャリアの最初期(しかし処女作ではない)の1944年に初演した舞台「ガラスの遊園地」をフランスの世界的女優、イザベル・ユペールが日

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            城田優の圧倒的な表現力、小池徹平の深みを増した演技、ソニンのしなやかな躍動感。「キンキ―ブーツ」を続けていく意味…★劇評★【ミュージカル=キンキーブーツ(2022)】

             一昨年2020年7月に急逝した俳優の三浦春馬(享年30歳)が小池徹平と共に2016年、2019年と主演してきたブロードウェイミュージカル「キンキーブーツ」の日本人キャスト版。ドラァグクイーンのローラ役にはオリジナルスタッフによるオーディションを経て、新たに城田優を起用した日本での3回目の上演が連日続いている。新型コロナ禍、ロシアによるウクライナ侵攻と不安定さを増した世界に勇気と笑顔を取り戻すことが出来そうなほどの熱気が劇場を包む中、哀しみが癒えないままこの2年間を過ごした春

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            草彅剛と香取慎吾、2人の強いきずなから生まれる連帯感と演劇的手法で創り出す緊迫感がないまぜになって不思議な高揚感に包まれる劇場…★劇評★【舞台=burst! ~危険なふたり~(2022)】

             もしあなたがいるところに関係当局から電話が入り「お宅に爆弾が仕掛けられている」と言われたら? いきなりぎりぎりのところに追い込まれた電話の向こう側とこちら側。こんなはらはらどきどきの二人芝居を香取慎吾と草彅剛のために書き下ろした三谷幸喜の舞台「burst!~危険なふたり~」が7年ぶりに再演されている。三谷と数々の作品に挑んでいる香取と、若くして名優の誉れ高い草彅が、三谷からの全幅の信頼を背に、のびのびとその実力を発揮。演劇の手法を駆使した緊迫感と、2人の間に流れる強いきずな

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            木村達成・早見あかり・須賀健太の演技が激しく絡み合い、不条理な鎖にがんじがらめになった情念の恐るべき行く末を鮮やかに描き出す渾身の一作となった…★劇評★【舞台/血の婚礼(2022)】

             のどかな田園地帯であっても土地の因習は残酷な結果を連れてくることがある。何かのきっかけで、過去のマグマが噴出してくることもある。突然空いた裂け目は目を覆いたくなるような惨状を私たちに見せることだってあるのだ。スペインの劇作家、フェデリコ・ガルーシア・ロルカの舞台「血の婚礼」は人間や地域社会の美と醜、光と闇を交互にあるいは同時に明滅させながら私たち観客に原初的な愛の激しさと、後戻りできない未来への暴走のタイトロープ(綱渡り)のような危うさを突きつけてくる。女優としての圧倒的な

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