#保護猫
【ショートストーリー】26 おれ、猫。
おれ、猫。
名前はペトローブナ・チョボ・イワノフ。
こいつは飼い主。
頭に毛がない。
大きな目の回りの丸は取り外しできるらしい。
いつも短い鉄の線が何本もあるトラ目の板を拭いて、終わったかと思うと、おれの好きな三角のご飯に似た硬いものでそのいくつかの線を弾く。
それがおれは極めて嫌いだ。
なぜかというと、ひとつは音がうるさいからだ。そんなおれの気も知らず、長いときにはおれの昼寝の時間くらい
【ショートストーリー】18 猫のいる生活
彼女が保護されたのは雨のなかたたずむバラックの屋根の下。
笑いもせず、泣きもせず、なんの抵抗もなかったと、その地区の民生委員の方が言っていた。
10歳くらいの彼女に、温かいスープと鮭のおにぎりを差し出した。怪訝そうにスプーンを眺めると、一気に器を持ち上げ口から胃袋に流し込んだ。
名前を問えば、しばらく考えてから「ちほ」とだけ言った。今となってはそれが名前だったのか疑わしい。ただ、彼女は明確に