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人生を遭難していたときに救ってくれたアイニーヂュー


昨年、何度目かの鬱期がやって来てから、しばらく音楽が聴けませんでした。

歌手が歌っていると歌詞を追いかけてしまうし、インストだとメロディを追いかけてしまう。
それがひどくしんどくて、鬱期が過ぎ去るつい最近まではずっと、YouTubeでホワイトノイズ(川のせせらぎや波の音、森の中などの自然音)を朝から晩まで流していました。


鬱の波はふとした時に、何度も私を呑み込んでしまう。


孤独で、苦しくて、しんどくて、たまらなくなって、衝動的に世界からパッと消えてしまって、私という存在をなかったことにしてほしい、と願う、暗くて冷たい日々の中、ほんの数分、数秒、私の胸の内をかすかに燃やしてくれる歌がいくつかあるのですが、中でもテッパンの一曲は、坂本サトルの「アイニーヂュー」です。


坂本サトルは、JIGGER'S SONのボーカルで、ソロでも「天使達の歌」を、「うたばん」に弾き語りで出演していましたね。
「天使達の歌」も、私の鬱期を支えてくれました。

(久しぶりに聴いたら涙出た)


「アイニーヂュー」は、坂本サトルのアルバム「プライド」(2003年発売)に収録されています。


坂本サトル(とJIGGER'S SON)にハマってた頃、自分の存在価値が見いだせなくて、消えてしまいたい思いでいっぱいでした。

「あなたは、あなたのままでいいよ」と言われたことがなく、家族などから愛されてはいるけれど、それは「〇〇の言う通りでなければ」「〇〇の理想に叶うなら」という「条件付き」ばかりで、私自身に対する尊重を、ほとんど(体感としてはまったく)感じなくて、実際になくて、私の心は蛇口が壊れたみたいに泣きっぱなしで、疲れ果てていました。

私が、私の味方になる。
私が、私を愛する、ということができると、知らなかったのです。
そんなことも無知なほど、私は八方塞がりの状態でした。

そんなときに、「アイニーヂュー」は深く滲みました。

がんばれ がんばれと尻を叩かれながら
これ以上はがんばれないよって
泣き言を言いながら
それでもなんとか ここまでやってきました

こんな出だしで始まります。

要領のいい同僚に腹を立てる人。
「嫌なことあったら酔って忘れたい」と呟く人。
あがらない給料に八つ当たりする人。

そんな人たちに、「言っておきたいことがある」と、坂本サトルは声を挙げて歌うのです。

あなたのお陰で世界は回る
あなたのお陰だってことを
僕は知ってる

ありがとう ありがとう
いつまでもどうか元気で……

この日本にはあなたが必要
この世界にはあなたが必要
この僕にはあなたが必要だ


ただ存在するだけ。
それだけでも、私は私でいて大丈夫。

不安で震えそうなときは、この歌を脳内で流して、気合いを入れています。


実は、2007年に種子島沖で漁船が遭難した事故がありました。
テレビでもニュースになっていたので、ご存じかもしれません。
奇跡的に救助されるまでの数日間、その漁船の船長を支えたのは坂本サトルの「アイニーヂュー」だったそうです。

今度どこかでお会いしたときは、あなたの勝負曲をぜひ聞かせてください。


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