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[ITIL入門④]「誰に」を意識する

ITIL入門シリーズ、第4回は「誰にを意識する」です。

第1回でお話しした「利用者の立場で考える」という話をさせて頂きましたが、この利用者を少し掘り下げていきたいと思います。

利用者の立場にたって考えるには、「利用者とは誰か?」を定義する必要があります。なぜなら、期待値を満たすべきターゲットが明確でないと、効果的・効率的なサービス提供および改善が実現できないからです。

ITILのバージョンによって多少定義が異なるのですが、今回はわかりやすさを重視して利用者を以下の2つで定義します。

ユーザ・・・サービスを利用する人(例えば、一般社員)
顧客・・・サービスを購入する決裁権限をもっている人(例えば、部門長)

なぜわざわざ2つ定義するかというと「サービスに求める期待がそれぞれ違うから」です。ユーザはサービスを利用する人なので使いやすさやスピードなどを重視しますが、顧客はお金を出す人なので費用対効果を重視します。

では、ユーザと顧客、どちらの期待値を優先するかというと、原則、ITILでは顧客を優先します。もちろん、ユーザの満足度(またはクレーム)が顧客に伝わるので、ユーザを無視してよいということではありません。

では、顧客の期待値をどうやって把握すれば良いでしょうか?

ITILでは、顧客の期待値を可視化するツールとしてSLA(サービスレベル・アグリーメント)を利用し、事前に期待値を双方で合意します。それらを定期的に見直すプロセスをサービスレベル管理と言います。

サービスレベル管理は、ITILの中でも重要プロセスの1つになりますので、考え方はしっかりと理解しておきましょう。

最後に・・・

もし、ご自身が提供しているサービスの顧客、ユーザが曖昧でしたら、まずはターゲットを再定義するところから始めてください。そして関係者とギャップがないかを確認しましょう。実は人によってターゲットの認識が違うなど、何か気付きがあるかもしれません。

また、ユーザと顧客が違うという視点で見た時に、「ユーザ満足度調査、顧客満足度調査で実施する内容、評価する内容に違いはないか?」を考えてみると面白い発見があるかもしれません。

本日は以上です。ありがとうございました。



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