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【大器晩成一発屋】応用情報技術者R05秋システムアーキテクチャの解説

得点できるか/できないかの「リスキーさ」が分かる問題でした。

  • 解き始めるまでが遅く、最後にならないと「得点できそうか」分からない

  • 穴埋めが多いが、矛盾すると「芋づる失点」があり得る


3頁目まで読む必要があるのに、実はさらに遅延して4頁まで読まねば1問も解けません。

穴埋め問題は、全問正解が狙う一方、1つの「ほころび」が「芋づる失点」を生み大失点につながるリスクが。。。


私は文章を読むのが苦手で、早く解いて点数を確保して安心したいので、この問題は選ばない確率が高いです。

とはいえ、穴埋めはどこから解いても良いので、たくさんの解法ルートがあります。「取っ掛かり」さえ見つければ、ぐんぐん得点します(失点もしますが)。

なるべく早く読んで解きに入れるか、頭に入れておける情報量が多くても平気か、自分の特性を考えてみると良いです。


なお、このNoteは私のIT専門学校での授業経験に基づいて、一緒に読んで解いていきます。本番での「思考の流れ」や「解法のコツ」なども書いているので、参考になったら嬉しいです。

それでは始めましょう!


過去問のダウンロードはIPA公式より。
>>公式の問題pdfへのリンク<<
>>公式の解答pdfへのリンク<<





選ぶか | 極めて大器晩成の一発屋

いつものように3視点から評価します。>>問題の選び方対策Note<<

  • 解き始めの距離:3~4頁目なので極めて遠い

  • 図表の分かり易さ:穴埋めが多く、一括得点か芋づる失点かのリスク幅が大きい

  • 解答形式:穴埋めメインで良い。作文40文字は長いが1問は許容できる。


穴埋めメインは魅力的ですが、いかんせん終盤すぎるので私は選びたくないです。

私は文章を多く読むのも、頭に入れる情報量が多いのも苦手。

インプットした情報を都度アウトプットして、コツコツ流れに乗りつつ解いて、得点ゲットに安心しながら解きたいです。




読み | 概要

1段落6行なので、かなり良い概要ですね。

半~1頁の問題もあったので、コンパクトなのは好感触。


内容は、C社とD社の合併に伴う、システム統合の話。ゆくゆくはシステムを作るけど、当面は2社の既存システムを流用する形。

一応最後の文。
ヒントになる可能性が高い「ただし書き」なのでマーキング。

理由や効果を問われる問題のために。「既存システムを極力活用、業務への影響を最小限、早期に合併効果を得たい」旨。




読み | 【合併前のC社の基幹システム】始め

題名の時点で、「次はD社、その後に合併後のシステムが来そうだな」「表1を見て、まともに取り合うと大変そう」と思います。

理解するシステムが、C, D, 合併後の3つありそう。

「問題を選び直そうかな」と引き返すなら、このタイミング。私なら引き返して別の問題に行きます。

「解こう」と覚悟が決まっているなら読み進めます。


今後D社と合併後のシステムがくるので「C社の独自性に注目しておけば、統合の時の留意事項になるかな」とチラっと思って読みました。

問題文に設問で使わない情報はほとんどありません。わざわざ書いてあるなら、今後必要になる情報です。

例えばざっくり以下。

  • 生産方式:D社と違ったら?

  • 在庫:C社だけが持つ?

  • EDI:D社も同じ?

  • 日次:D社が週や月だったら?

これらが両社で同じなら良し、違うならどう統合していくかが課題になってきます。



読み | 【合併前のC社の基幹システム】本腰

さくっと書き出しますが、マーキングで良いですよ。四角囲みで。

  • 生産方式:見込み生産方式。在庫を持つ

  • 受注:EDI、日次

  • 請求:月初め、EDI

表1は「うわメンド!」と思ってほぼ見ません。どうせ表2にD社が載り、表3に統合後が載るので、「解く時に、表1と表2を見比べることになるんでしょ」と。

「表1に各システムの機能・データベース・連携システム・頻度・オンプレか否かが載ってる」と把握したらスキップ。

読み時に、表は「何が載っているか」を把握してスキップ。解く時に必要箇所だけ読み込めば良いから。表後の結論で表前と話がつながればOK

表1下に結論はなく、終わりです。




読み | 【合併前のD社の基幹システム】

前のC社システム。全然理解してないけど、大丈夫。

今はC社とD社の業務・コンセプトの違いを知っておきたいだけ。システムの違いは、合併後のシステムを作るときに必要になるので、後回し。


C社と同じく箇条書きにします。本試験では四角マーキングで。

  • 生産方式:個別生産方式、在庫なし ←C社と違う

  • 受注:メールorファックス ←C社と違う

  • 請求:C社と比較するタイミングや手段の記述なし

「よしよし、C社と比較できるような書き方になってるな」と。


勿論表2はスキップ。

敢えて見るなら、システムの名前を比べて、「C社にだけ在庫システムがあるのか、これは残しそうだな」と。




読み | 【合併後のシステムの方針】

1つずつ解釈していきます。

  • どちらかのシステムを選ぶ。「生産システムはC社を流用、購買システムはD社を流用のようにするんだな」

  • 生産方式は継続。両社を残す。「両方なんだ」

  • C社在庫システム残し。「予想通り」

  • ホスト系のシステムは廃止。「ん?」

  • 廃止側にあって流用側にない機能は追加。「合併後と表を見ないと分からないな」

  • システム間の連携を追加。「めんどそうだけど、出たら考えるか」

  • データベースの統合。「統合の突合チェックとか出るのかな?」

「ほー」と読んでも仕方がないので、確認・解釈・ツッコミをしつつ読むと、頭に入りますし、後々効いてくることが多いです。




読み | 目標地点の再設定

まだこの後、合併後のシステムの説明があるので、解かなくて良いです。なければ、方針に従って考える必要がありましたが。

残念ながら、もう少し読み進めて穴埋め問題から始めるしかないですね。早く解けるかどうか確認したかったのですが。

この問題は解き始めが異例なほど遅い。私は一発逆転を好まないので選びたくないです。




補強 | 表スキップの小リスク

表は記載内容が多く、覚えきれない、どうせ解く時に見直すので、軽く「把握」してスキップを薦めてきました。

今回は少しだけリスクが表出したので、お伝えしますね。

2点捗らない・混乱したかもしれません。私は混乱しました。


どちらかのシステムを選ぶについて、私は各システムではなく全システムをどちらかに絞って+在庫だと勘違いを一瞬しました。しかし表3で「各システムごとにどちらを採用するかを決めるんだな」と修正。

ホスト系のシステムは廃止について。ピンと来なかった原因は表1・2をスキップしたから。システム構成に注意が行ってませんでした。しかし、図1・表3の穴埋め時に表1・2を見比べるので修正されました。

表をスキップするリスクは少しあります。しかし、表をがっちり読む時間と早く解きに入りたい、を比較して、私は表はスキップとしています。

また経験上、今回のようにリスクが現実になるケースが大変少ないのもあります。

よって「読むときの表スキップ」をお薦めしてきました。勇気が要ることですが、過去問演習を重ねた経験と自信みたいなものでやってます。




合併後のシステムアーキテクチャ

やっと合併後のシステムが明らかになります。

読んでいるときは「C社とD社と方針を理解して、ゼロから選んで構築するんだろうか」とドキドキしてましたが、表3である程度決めてくれてます。良かった。


問題文の残りが少ないので読み切っても良いですが、図1・表3で解決することが多いので、私は解きに入ります。




解き | 穴埋めは、どこから紐解いても良い

合併後システムの構成なので、まとめて解いていきます。

この問題は、解き始めるまでが長く、解き始めるとあっという間でした。個人的には選択問題制では性格悪いと。「選び直そうと思った時にはもう遅い」。


図1と表3を見て、図1左がC社流用・右がD社流用。分かり易いです。

決まってないシステムは「販売」「会計」はパッと特定。

あと一つはなんだろう?個数1個多くない?と。

【合併後のシステムの方針】の2番目。「両社の生産システムを存続」。穴埋めaかbが生産システムと分かります。


以上より、穴埋めa~cの候補は、D社の生産システム(aかb)・販売システム・会計システムです。

穴埋めはどこから解いても構いません。ただし「芋づる失点」があるので、最後に矛盾点がないのかは確認していきます。




解き | 設問1(1)a,b,c

どう解いていくかは、色んなルートがあるでしょう。

ここでは、システム間の連携のルートで解説してみます。


穴埋cの正解は「会計システム」。

異彩放ってるので最初に。一番連携先システムとして集中。矢印が5個もあります。

a,bが生産システムなので、cの候補は販売か会計。

表1や表2の連携先システム投票をすると。

  • 表1では、会計4・生産2・ほかは1ずつ。(会計システムからの連携先は不明ですが)

  • 表2では、会計4・ほかは1ずつ。(会計システムからの連携先は不明ですが)

よって、穴埋めcは会計システム。5つ集中しているのは、C社とD社の生産システムが残るので+1されたのだと解釈。


次は穴埋めb。正解は「生産システム」。

D社の生産か販売システムで、購買システムに連携している方を、表2から探して、生産システムだと判断。

表2からD社生産システムの連携先は会計・購買・配送、図1の穴埋めbから会計(穴埋めc)・購買・配送に矢印がつながっているので正しいと確認OK。


穴埋a。正解は「(D社の)販売システム」。

一応表2で連携先が会計・生産、図1で会計(穴埋めc)・生産(C社とD社)に繋がっています。「C社生産と連携する必要がありそうなんだな」ぐらいに捉えて、ひとまず矛盾はなさそう。


他にも「ホスト系システムは廃止」から攻めるルート。

廃止するのはC社販売システム・D社会計システムと分かります。よって穴埋めは会計システムと確定。残りのa, bは連携先から考えるのは同じ。




解き | 設問1(2)d,f

穴埋d。正解は「出荷情報」。

配送システムから販売システム。表1より出荷情報、表2より出荷情報。間違いなさそうです。


穴埋f。解法がdと同じなので先に。正解は「売上情報」

販売システムから会計システム。表1より売上情報、表2より売上情報。間違いなさそうです。




解き | 設問1(2)g

穴埋g。解説の都合上、先にします。正解は「月次」。

購買システムから会計システム。表1より買掛情報・月次、表2より買掛情報・月次。良さそうです。




解き | 設問1(2)e

さて、穴埋e。正解は「週次」。

生産システムから会計システム。表1より原価・日次、表2より原価・週次。

C社は日次、D社は週次でぶつかってしまいました。


本来なら高頻度の日次にします。週次になるとC社の業務に支障が出ますから。D社は週次が日次処理になっても影響はありません。


しかし今回は更に特殊。

C社生産システムと、D社生産システムは両方とも残すので、合わす合わさないではなく、そのままでOK。

よって表3オは、D社生産システムの話。そのまま「週次」が正解になります。


私は失点してしまいました。どこにも日/週/月次の選択方針は書かれてないので、高頻度に合わせるしかないかと。




解き | 設問2(1)(2)

廃止する側のシステムの固有機能を、表1と2から拾い出します。

システム名前, 廃止する側, 固有機能で箇条書きしますね。なお、在庫はC社のみ、生産は両社が残るので除きます。

  • 販売:C:受注(EDI)、販売実績管理(月次)、請求(EDI)

  • 購買:C:同じなのでなし

  • 配送:D:同じなのでなし

  • 会計:D:Cに支払い(振込)が含まれるのでOK。なし。

よって「D社の販売システム」に「受注(EDI)、販売実績管理(月次)、請求(EDI)」を移植します。

受注と請求を含めるか迷うかもですが、わざわざ(EDI)や(手入力)と書かれているので、違うんだな、と判断しましょう。




読み | 【合併後のシステムアーキテクチャ】

残りの読みです。

SaaSの注意点がある話で、すぐに終わっています。

問題文にも表1以外にSaaSの記載がないので、ノーヒントになりそうです。




解き | 設問3

設問文に「オンプレミスのシステムとの違いから」とヒントがあります。

オンプレミスは自社で全て準備する形態、SaaSは外部業者のサービスを利用する形態。

よって「SaaS側でプログラムの修正はできない」と考え至ります。


あとは作文。

「SaaSのプログラム修正は困難だから(18文字)」あたりをコアにすれば良いでしょう。「無理だから」でも良いですが、SaaS提供者次第なので、ボカします。

逆に自社側の立場で、「対応していない時にD社側のシステム修正が必要になるか判断したいから(33文字)」でも良いかもしれません。

優先は前者。「SaaSを使う注意点」を答えさせたい感がありますから。



まとめ | 

かなり頭でっかち、ラストスパート型の問題構成でした。

個人的には連携頻度のヒントのなさがモヤモヤします。

本試験で選ぶかというと疑問。穴埋めが多いのは良いですが、後半に塊すぎて「芋づる失点」もあり得るのをリスキーに感じます。

解いてしまえば、解けてしまえば「選んで良かったな」と思える印象でした。


引き続き問題演習を続けて、自分に合うジャンル・問題構成をはっきりさせていってくださいね。

でわでわ。


p.s. 普段は >> 専門学校とIT就職のブログ << をやってます。

でわでわ(・ω・▼)ノシ



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