朝から竹下通りのざわめきにうんざりする。クレープにコットンキャンディ、なぜか螺旋状のチップス。おこぼれを狙う鳥たち。
美容院に行くにはそこを抜けなくてはいけない。
たかが竹下通りの人混みでへこたれるなんて、まるでおのぼりさんかと思うが、こう見えて、もう20年近く東京で暮らしている。しかもこの竹下通りを抜けた美容室には8年ほど通っている。
美容院に行くのにどれくらい綺麗にしていくべきか、that is the question である。そういえばもう長らく美容院を避けていた。
The scent is melting into the darkness
At the tip of your nose, the smoke is undulating
When I see you standing alone, appearing listless,
The bustle and blinding lights of Tokyo are dissipating.
In the night even breath freezes,
Your gaze
The Great Rock 'n' Roll Swindleでシドヴィシャスが赤マルを吸っているのをみて、一度だけ赤マルを吸ったことがある。金魚の僕でさえ咳き込むタール12。それでもシドに近づきたくて、タバコのチョイスはいつもマルボロだった。
靖国通りのエクセルシオールでブラッドオレンジジュースを飲みながら金マルをふかしていると、不服そうな顔の君がいる。
「見なかったことにしとくけど、やめたほうがいい」
普段は僕が何をしていても無関心なくせに、こんな時ばかり教師ぶるのだか