竹下通り

朝から竹下通りのざわめきにうんざりする。クレープにコットンキャンディ、なぜか螺旋状のチップス。おこぼれを狙う鳥たち。
美容院に行くにはそこを抜けなくてはいけない。
たかが竹下通りの人混みでへこたれるなんて、まるでおのぼりさんかと思うが、こう見えて、もう20年近く東京で暮らしている。しかもこの竹下通りを抜けた美容室には8年ほど通っている。

美容院に行くのにどれくらい綺麗にしていくべきか、that is the question である。そういえばもう長らく美容院を避けていた。数年前のブリーチの名残も、バサバサの髪も4ヶ月ほど放置している。そういえば高額契約した癖に、脱毛サロンなんて何の理由もなく半年近く行っていない。美容に対する意識が低まりすぎている。

ふと、この前会った君の、研究に没頭しすぎて長らく切っていないであろう髪と、雑に剃った無精髭、ヨレヨレのKid AのTシャツ、それから、購入した時はダメージ加工ではなかったであろうダメージジーンズを思い出す。
新宿東口の交番前で、久しぶりに会うのに、その格好はいかがなものかと大変苦言を呈し、滔々と君に問うた自分を省みる。

もはやほとんど似たもの同士である。

それでも僕は君にフレッドペリーのポロシャツをサラッとなんともなくきてほしいし、Macintosh philosophyのシャツとか着ててほしい。
もちろんそれは僕のエゴだけど。

そしたら、もうVivienne westwoodのラブジャケにロッキンホースバレリーナとBaby, the stars shine brightの日傘なんて出立ちでデートに行くのやめるからさ。

英語を勉強したり、広報したり、民俗学を学んだりしています。