近藤 誠司

運用設計エンジニア、運用コンサルティングなどをやっています。趣味は小説書き。第47回埼…

近藤 誠司

運用設計エンジニア、運用コンサルティングなどをやっています。趣味は小説書き。第47回埼玉文学賞正賞受賞。

マガジン

  • K-model の記録

    株式会社K-model を立ち上げたときの話をまとめています。

  • メンタルを考える

    エンジニアのメンタルを保つ考えをまとめてみます。

  • ITILプロセスを考える

    ITILプロセスを実際に検討する場合の考え方をまとめていきます。

  • セキュリティ運用設計

    セキュリティ体制、SOC、CSRITについて考えたことや思ったことをまとめています。

  • 「運用改善の教科書」未収録コラム集

最近の記事

ワンマン企業はこうして出来る!

僕が法人を設立する話をいろいろな場所でしていたら、出資したいという人が出てきた。 少なくない額を提示されると、まぁ、単純にビビる。 それだけK-modelの事業に可能性を感じてもらっているということなので、出資の話自体は良い話である。 しかし、出資を受けるかどうかは、また別の話。 まずは企業において、お金とトレードオフできるものが何かを把握しておく必要がる。 原則として、お金は他人に働いてもらう券なので、人にお願いできる仕事が多い場合は出資や融資を受けてお金を集めるのは悪い

    • 会社設立と諸々の話

      2023年が始まった。 やることは山ほどある。 キムから会計士を紹介してもらい、法人登記をした。 僕の場合、個人事業主からの法人成りという形式になる。 業務内容を決めて、会社定款を作ってもらい、資本金300万を準備して登録する。 資本金300万は会計士から「100万だとお金を借りる時に少し不利になる。1000万以上は違うルールが出てくるので少し面倒ですよ」とアドバイスを受け、手持ちの貯金額と相談した結果である。 深い意味はない。 法人登録の費用は、諸々込みで30万円程度かか

      • 1人目の社員

        その男、名を梅澤健之と云う。 多くの人は彼のことを梅ちゃんと呼び、たまにウメタソと呼ばれることがある。 梅ちゃんは僕のサラリーマン時代の同僚で、共に運用設計の教科書の草案を練った仲である。 運用設計の教科書出版後、梅ちゃんは転職して、僕も会社を辞めて個人事業主になったが、その後も友人としての付き合いが続いていた。 梅ちゃんを一言で表すなら、バランスの人である。 とがったところは多くないが、何においてもバランスよく平均点以上の結果を出す。 何かにとがった人はすぐに見つかるが、

        • 法人格 ~俺はいいけど、YAZAWAが何て言うかな?~

          会社設立に向けていろいろ調べたところ、法人というものがあることが分かった。 法人とは法律により、自然人とは別に権利義務を認められた存在のことをいう。 自然人とは、人間のことである。 僕は彼で彼は君、そして君は僕、みんな同じさ、人間だよ。 ということである。 法人も権利と義務が認められているので、人間ではないが人格がある。 それを法人格という。 人格があるということは、趣味嗜好があるということである。 会社員だったころに不思議だったことが一つある。 それは会社の意思決定だ

        ワンマン企業はこうして出来る!

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        • K-model の記録
          9本
        • メンタルを考える
          3本
        • ITILプロセスを考える
          4本
        • セキュリティ運用設計
          4本
        • 「運用改善の教科書」未収録コラム集
          5本
        • いまこそ、運用チームを見直そう!
          6本

        記事

          会社名を決める

          何者かになるためには、名前が必要である。 名は体を表すともいう。 「幸子」という名の娘は幸せを祈られたのであろうし、「六輔」という名前の人は6番目の子供だろうし、「ココア」という名の犬は、まぁ、そういうことだ。 新しいビジネスをやるために法人を作るのであれば、会社名が必要になる。 名は体を表す理論に則ると、これから作る会社はシステム運用設計を扱うのでそれにちなんだ名前が良いと思った。 運用の英語であるオペレーション、マネージメント、サービスマネージメント、ITSM、OPS

          会社名を決める

          起業に向けた経営計画書を作る

          3年前はライブ配信プラットフォームでディレクターをしていたヨロズくんは転職して大手出版社のIP創出事業のプロデューサーになっていた。 キムも戦略コンサルを辞めて起業家兼投資家になっていた。 僕も個人事業主になっているし、「男子、三日会わざれば刮目して見よ」という感がある。 二人に相談するにあたって、今後やりたいことを説明するために経営計画書を作った。 現在の主軸であるシステム運用コンサルと研修を中心に、中身はこんな感じである。 なんともスカスカな内容であるが、とりあえずヨ

          起業に向けた経営計画書を作る

          コロナ激震、2冊目の書籍、個人事業主で大切なこと

          個人事業主になるのは簡単だ。 Freeeなどのアプリを使って必要項目を入力して、完成した書類を税務署に持っていけばいい。 入力ミスなどは窓口でチェックの時に教えてもらえるので、必要なのはわからないことをわからないまま窓口に聞きに行く勇気だけである。 無事に個人事業主になった僕は、元の会社で違う立場で働き始めた。 これが驚くほど性に合っていた。 働いてお金をもらう。 もらったお金から税金や社会保険料や経費を払う。 手元にお金が残る。 これが給料だ。 すべてのお金の流れがクリア

          コロナ激震、2冊目の書籍、個人事業主で大切なこと

          書籍の出版と退職、そして個人事業主になる。

          2019年の8月。 「運用設計の教科書」を出版した。 その時、僕は控えめにいって怒り狂っていた。 業務で得た知識を書き記したので、何かあった時に社員を守るため。 ということで、著作権が会社になったのだ。 長い交渉をして、権利は会社だが著者には自分の名前を載せてもらうことを勝ち取った。 勝ち取った、と書くにはあまりに小さすぎる報酬だ。 この小さな報酬のために、僕は疲れ果てていた。 1年半、毎晩のように深夜のファミレスに通って書いた分身のような本である。 この書籍の権利は僕にと

          書籍の出版と退職、そして個人事業主になる。

          序章:四十にして惑う。

          かんたんにいうと、40歳になって人生に絶望していた。 3年前にサラリーマンを辞めて、個人事業主になった。 その後、いろいろと良縁に恵まれて仕事は順調だった。 収入は3年間増え続けているが、限界は見えていた。 僕の本業はコンサルタントなので、1時間当たりの単価で収入がほぼ確定する。 この単価の上限はいくらで、1か月160時間働いたとして最大の収入はこれぐらいという額が3年目にして完全に見えたのだ。 コンサル仕事を求められるだけ続けて、60歳か70歳まで続けてこれぐらい稼ぐ。そ

          序章:四十にして惑う。

          曖昧さ耐性と役割

          曖昧さ耐性とは、心理学で「曖昧な状況をどのぐらいそのまま受け入れることができるか?」と定義されています。 運用設計や改善という活動において、この「曖昧さ耐性」が意外と重要になってくるのでそのあたりをまとめてみたいと思います。 曖昧さとは 株式会社ビジネスリサーチラボ 代表の伊達さんが、コラムの中で曖昧さには2つの要素があると定義しています。 運用設計を行う上でも、この2つの曖昧さはよく出てきます。 多義的であることは、依頼が抽象的であると言い換えることができます。 お

          曖昧さ耐性と役割

          普遍的なスキルを習得する方法

          スキル分類の代名詞的な分類にカッツモデルがあります。 カッツモデルは、役職があがるとテクニカルスキル(職務に必要な技術)よりもヒューマンスキル(対人関係能力)やコンセプチュアルスキル(その物事が何であるかをとらえる能力)が必要になるという理論で、1950年代にロバート・カッツさんがアメリカで発表されて以来、あらゆる場所で引用されている考え方です。 中堅を過ぎたあたりのサラリーマンで、「あの人はできるな」と呼ばれる場合、ほとんどの場合はヒューマンスキルとコンセプチュアルスキ

          普遍的なスキルを習得する方法

          実践 システム運用設計講座(オンライン)

          今年の下半期に向けて、「実践 システム運用設計講座(オンライン)」の募集を開始しました。(とか書きつつ、実は年中受付していますw) 下期の教育予算の使い道に迷っている方、運用設計なんていかがでしょう? ホームページの内容を更新したので解説させてください。 実践 システム運用設計講座とは? この講座は、2019年ぐらいから「運用設計を丸ごと体験できる研修」として開発を開始して、早5年目になります。 その間、本当に各所でやりました。 ある時期は毎週のようにやり続け、アンケー

          実践 システム運用設計講座(オンライン)

          知的好奇心の持ち方と行動特性

          研修やワークショップをやるうえで、参加して頂いている方のスキルなどを意識します。 何度も実施するうちに、スキルと呼ぶかは微妙ですが、その人がどんなタイプかを図る尺度として知的好奇心の持ち方というのがあるな、と感じるようになりました。 今回は「知的好奇心尺度の作成」という論文を読んで考えたことをまとめていきたいと思います。 まず、「好奇心」は学業達成に対して、「知能」「勤勉さ」に続く3番目の影響力と言われています。 それは、仕事における「業務遂行」でも同じと解釈できます。

          知的好奇心の持ち方と行動特性

          運用項目の起源

          運用項目(運用中に実施する作業)が洗い出されるパターンはいくつかありますが、代表的なものは以下の3つがあります。 ① 運用要件に対応する まずは、企業の要望、事前にまとめた非機能要求、遵守する法令・規約などによって、運用項目が決まるというパターンです。 システムに対するレポートを毎週提出してほしいといわれれば、レポート提出が週次になります。 非機能要件として、リソース不足時の「サーバ処理能力増強」方針が「スケールアップ」で、その作業を運用でやる場合は「サーバのスケールアッ

          運用項目の起源

          「豊かさ」ドリブン

          皆さんのお陰もあり、株式会社K-modelも第一期が無事に終わりました。 はじめての経営に四苦八苦しながらも、昨年はK-model の法人としての人格を言語化する年でもありました。 いま流行りのMVV(ミッション・ビジョン・バリュー)みたいなことはホームページに書いてありますが、それよりももうちょっと抽象的に大切にするべき会社の意義とは何なのかを考えていました。 せっかく会社の代表をしているのだから、出来るだけ自分が納得できる形で仕事をしていきたい。 そんなことを考えながら

          「豊かさ」ドリブン

          2023年を振り返る

          「今年も一年、早かったですねぇ」と、年末はなんとなくみんなに合わせて言っていましたが、いざ振り返ってみたらめちゃくちゃ長かったと感じました。(嘘ついてすみませんでした!) 法人設立一年目ということもあって、もう、怒涛のような毎日でした。 記録の意味も含めて、忘れないように振り返っておきたいと思います。 2023年1月 2023年1月23日に「株式会社K-model」を設立しました。 4月に契約を切り替えるので、この時はまだ作っただけで寝かせている状態です。 あとで政策金融

          2023年を振り返る