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台湾ロスで思い出にふける。台南最古のロックバー、DJ Music Pub

個人としてのnoteをしばらく更新できずにいた。というのも、これは言い訳でしかないとは思うのだが、いざ文章を書こうとすると「読み応えのあるものにしなければ」とつい構えてしまい、パソコンの前で頭を抱えたまま、時間だけが過ぎ、結局その他の(生活に直結する)優先事項に追われ、筆がまったく進まない。

そのようなまま、前回の記事から半年以上経ってしまった。

コロナ禍によって世界の活動は完全にストップし、当たり前に行けていたはずの台湾も今や、とても遠い場所になってしまった。もちろん台湾の友人たちとは各種SNSで繋がっているし、テレカンや通話で会話を楽しんだりもするのだが、この心に空いた穴(日本にも「台湾ロス」状態になっている人がいるようだ)は、視覚と音声の情報だけではどうしても埋めきれない。

蒸し器の中にでも放り出されたかのような夏の酷暑に、汗を滴らせながら自転車をこぎ、突如道教のパレードに遭遇すると爆竹の焦げた匂いがしてくる。市場を通ると、多くの話し声、掛け声、そして魚介類の生臭さや、フルーツの甘い香りが漂う。地元のレストランに行けば、今度はお茶や漢方の香りがするーー

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自分にとって台湾は五感全体で感じ取るもので、とてもフィジカルな場所なんだと思う。

最近「Dream Now, Travel Later」(今は夢をみて、あとで旅に出よう)という言葉を知った。コロナ禍を受け、スイスの観光局がプロモーション動画と共に打ち出したメッセージで、以下のような説明が付け加えられている。

残念ながら、現在、スイスに旅行に来るのは可能ではありません。しかし、夢を見て、インスパイアされて、計画を立てることは可能です。なので、これらの美しい写真、抒情的なビデオ、そして心躍るストーリーと共に、あなたの自宅にスイスをお届けすることにしました。

いい言葉だし、今回の記事を書く動機にもなった。

海外渡航が困難となった今、台湾はもちろん、ベトナムやインドネシアなど、これまで旅した場所の思い出にふけることが多くなってきた。

僕の頭の中だけで完結するのではなく、少しでもこの気持ちを言語化して、撮り溜めた写真とともに、皆さんと旅の記憶を共有し、いつかまた旅行ができるようになった時の参考になってくれれば嬉しい。

今回紹介したいのは去年の2月(ギリギリ台湾に行けた頃)台南で、友人たちに連れて行ってもらったディープなバー、DJ Music Pub。1988年に開店し、台南で最古のロックバーと言われている。

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オーナーは「兔哥」(ラビットブラザー)と呼ばれている人でバーを開く前までは、実際にラジオDJをしていたらしい。レコードプロデューサーもしていて、ギターも弾けるようで、壁にはエレキギターも飾られている。

しかし、なんといってもレコードのコレクションがすごい。台南で屈指のコレクターであることは間違いない。店内は常時、60s~70sの洋楽ロックがかかっている。

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台南にいるのに、店に入った途端、アメリカでバイカーが集うようなロックバーの雰囲気になるので驚く。

店のキャッチコピーは『ROCK’N ROLL WILL NEVER DIE』。これはまさにニールヤングの『Hey Hey, My My』の歌詞へのオマージュではないだろうか。

台南の友人たちと夜遅くまでお酒を飲みながらお互いの国や、音楽について話せたのはいい思い出だ。台南の夜は比較的静かだが、夜遅くまでやっているバーやカフェもいくつかある。夕食を食べてから、このような場所でゆっくりと時間を過ごすのもいい。また行きたい。

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