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とまり木

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2019年7月の記事一覧

昭和10年代への旅 その後

昭和10年代への旅 その後

旧公衆衛生院

この館には昭和10年代の設え、機能が現役のまま生きている。痕跡は数限りなく残っている。
80年以上前の空間が現存していることは、奇跡かもしれない。

もちろん、復原のための修理、公共施設としての設備追加、改修はされているが、既存建物の状態が良好だったからこそ今の輝きがある。

昔を知る高齢者の方々が来館されるのは不思議ではないが、レトロな雰囲気マニアの若者が、コスプレをしてやってく

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夏休み自由研究講座

夏休み自由研究講座

川崎市地球温暖化防止活動推進センター主催の夏休み自由研究講座。夏休みが始まると同時に開かれ、8月上旬まで全26講座に小学生が集まる。

毎年開催され、東京都内からも応募があり抽選となる人気プログラムである。

講師は推進活動参加企業や地元で環境活動を行なっているボランティアグループの皆さんで、いろいろな会で行われているだけあって手慣れたものである。

小学生に環境への関心、興味を持ってもらうことは

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空想対話自習中〜教育施設として

空想対話自習中〜教育施設として

旧公衆衛生院は学校施設としてRC造で建設された。英語表記では、The Institute of Public Healthとされている。

当然のことであるが、部屋は教室、研究実験室として作られている。全ての部屋に教育への思想が盛り込まれている。

先日、数年前にRC造で建設された某中学校を訪問する機会があった。建物目的は同じ学校施設である。こちらも教育への思いが盛り込まれていた。

しかし、違い

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地域環境リーダー育成講座 前期終了

地域環境リーダー育成講座 前期終了

地域環境リーダー育成講座 前期終了。
耳馴染みのない言葉が続いたが、身近にある課題解決、今後10年間の動向を聞き関心が深まる。

座学とフィールド研修を重ねるバランスがとれたカリキュラム。リアリティが増してくる。

これからのキーワードは確認できた。後期が始まるまでの期間、自分なりの地域環境に対するイメージづくりが大切である。

温暖化センター講習会

温暖化センター講習会

関東ブロック温暖化センターの講習会へ参加する。講師は環境省大臣官房環境計画課 岡野隆宏氏で、内容は「地域循環共生圏の創造 ー日本発の脱炭素化・SDGs構想ー」についてであった。

駆け出しの自分にはいきなりハードルが高い表題であったが、聴いていくうちに頭の中は、「では、具体的に地域でどうするか」モードに変わってきた。

資料を事前にパラパラと見た時は全くわからなかったのだが、明瞭でリズムのある講義

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この夏の研究課題

この夏の研究課題

SDGsクイズを考えていると、もっと身近なテーマに置き換えて考えれないものだろうかと思い始める。

17の全部に言えるのだが、3と11は特にあてはめて考えたくなる。

この夏の研究課題にしてみる。

自分なりに行動変容につながるSDGsを考えてみよう。
#自分なりに行動変容につながるSDGsを考える

SDGsクイズのディスプレイ制作

SDGsクイズのディスプレイ制作

SDGsが子ども達にわかるようにと、クイズのディスプレイを作ってみる。

噛みくだいて簡単な表現にするのは難しい。
ついつい文字が多くなる。

最初に作ったのは中級編とし、よりわかりやすく初級編を作ってみる。

折しも、川崎市は令和元年度のSDGs未来都市31に選定された。

SDGsを学び始めた年に選ばれたのもなにか嬉しい気分になる。
#SDGs #川崎市地球温暖化防止活動センター

空想対話11〜建築余談

空想対話11〜建築余談

旧公衆衛生院をとおして建築家・内田祥三との空想対話11〜建築余談

ロックフェラー財団は関東大震災後、復興援助の一環として公衆衛生専門家の育成・訓練機関の設立について打診、日本政府がそれを受け公衆衛生院を設立に至る。
社会情勢が不安定になる中、軍需資材が優先され鉄部材も統制が行われながらも、資材調達及び施工は特例的に行われる。(商工省令 鉄鋼工作物築造許可規則 :通例では1棟50t未満)

旧公

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空想対話10〜外観デザイン

空想対話10〜外観デザイン

旧公衆衛生院をとおして建築家・内田祥三との空想対話10〜外観デザイン

「内田先生、ゴシック建築の観点からすると安田講堂(1925)は色濃く残っているように見受けられますが、旧公衆衛生院(1938)は多くの経験を重ねられた後の作品、いわば"内田ゴシックの最高峰"と言っても良いのではないでしょうか?(ちなみに竣工時、先生は51歳)」

「我が家からもよく見えました。」

「最も脂が乗った頃です

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空想対話9〜基本構想

空想対話9〜基本構想

旧公衆衛生院をとおして建築家・内田祥三との空想対話9〜基本構想

「内田先生が手がけられた建造物全ての建築思想は何よりも安心、安全かと考えますが、やはり関東大震災(1923)を経験されたことが大きいのでしょうか?」

「関東大震災を経験したのは38歳の時でしたでしょうか。」

当時、先生は安田講堂をはじめとする東京帝国大学内の建造物数棟を手がけられており、設計思想へ大きく影響を及ぼしたことと

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空想対話8〜空間デザインの基軸

空想対話8〜空間デザインの基軸

旧公衆衛生院をとおして建築家・内田祥三との空想対話8〜空間デザインの基軸

「前回、ゴシック建築と内田ゴシックの根本的な違いは、思想の違いにあり、研究、教育への情熱から空間創造につながっている。ディテール云々ではないと生意気にも述べましたが、しかしながらデザインの基軸は天に広がるイメージなのでしょうか?(うらはら)」

「想像することは自由です。」

「とすると、旧公衆衛生院のデザインはドーム

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空想対話7〜大自然の中の旧講堂

空想対話7〜大自然の中の旧講堂

旧公衆衛生院をとおして建築家・内田祥三との空想対話7〜自然の中の旧講堂

「内田先生、旧講堂ですが私も1999年に何度か災害リスクの研修会で机に座らせていただきました。」

「そうなのですね。」

「当時は申し訳ないですが古いなあ、との印象しかありませんでした。しかし今回、時間をかけて空間の勉強をさせていただくと教育に対する壮大なメッセージを盛り込まれているのですね?」

「これも詳しく聞かせて

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空想対話6〜気配りの内装仕様・細やかな施工・徹底したデザイン監理

空想対話6〜気配りの内装仕様・細やかな施工・徹底したデザイン監理

旧公衆衛生院をとおして建築家・内田祥三との空想対話6〜気配りの内装仕様・細やかな施工・徹底したデザイン監理

「内田先生は防災、構造設計が専門と認識していたのですが、旧公衆衛生院を拝見していると、気配りの内装仕様、細やかな施工に驚きました。失礼しました。
そして、徹底したデザイン監理。やはり現場には厳しかったのでしょうね?」

「さて、どうでしたでしょうか。」

■気配りの内装仕様
全ての居

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空想対話5〜象徴的な中央ホール

空想対話5〜象徴的な中央ホール

旧公衆衛生院をとおして建築家・内田祥三との空想対話5〜象徴的な中央ホール

「内田先生、この建物の象徴的な空間 中央ホールについてですが、天空(未来)光(導き)地上(今)が時間軸、空間軸に編み込まれた"生き方"につながる哲学的な構成のように推察されるのですが」

「ふむ、もう少し詳しく聞かせてくださるかな?」

■中央ホール
空間を作るにあたってのイメージは、「宇宙と地球」或いは「天空に開か

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