神奈川県内の石造物⑪:無量光寺宝篋印塔・五輪塔

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名称:無量光寺宝篋印塔・五輪塔

伝承など:世良田有親、親氏のお髪塚(五輪塔)

所在地:神奈川県相模原市緑区当麻 無量光寺


相模原市の無量光寺は時宗の名刹であり、境内には多くの中世石造物が伝わっている。

境内墓地内にある世代墓地には、鎌倉時代から戦国時代にかけての宝篋印塔が多数あり、在銘塔も多いが、中でも最も古い名文を持つものは、破損激しいものの鎌倉時代後期文保三年銘の宝篋印塔である(五枚目右側)。

ただし、世代墓地内の鎌倉期の銘文を持つ宝篋印塔は、銘文の年代と形式が合致せず、追刻の可能性が高い(記録に合わせて、墓石を後から比定したのであろう)。

なお、墓地の入口付近には、お髪塚と通称される南北朝時代の五輪塔二基(八枚目)がある。

伝承によると、南北朝の動乱で新田宗家に従って没落した上野国の豪族の世良田有親、親氏父子はこの地で出家して時宗の僧になり、その際に父子の髪を埋めた塚がこの五輪塔と言う。

真偽はともかく、五輪塔の年代と伝承の人物の時代は合致している。

ちなみに、親氏はその後三河の松平郷の松平氏の婿養子になり、それが徳川家康の遠祖であると言う。


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