マガジンのカバー画像

【ライブラリ】notes

3,211
Excellent curation of the noters, a truly inspiring compilation of content:
運営しているクリエイター

2021年10月の記事一覧

岸田首相が引用した「アフリカの諺」の起源に関する問答 【「週刊だえん問答 #74」より】

「早く行きたければ、一人で進め。遠くまで行きたければ、みんなで進め」(if you want to go fast, go alone; if you want to go far, go together)。岸田首相が所信表明演説で語った「アフリカの諺」。ウォーレン・バフェットやアル・ゴア、ヒラリー・クリントン、リチャード・ブランソン等が引用するなど、欧米ではつとに知られた一節だが、それは本当にアフリカのものなのか? データサイエンティストにしてエコノミストでもあるアンドリ

【試し読み】               平井玄『鉛の魂:ジョーカーから奈良の暗殺者へ――怨みが義になる』

路地裏の批判的知性とでもいうべき視点と感覚を持って音楽・政治・社会を彷徨いながら批評を行ってきた著者。 自らのがんサバイバーとしての身体を探索し、地球という惑星規模で浮上しつつある資本主義の「壊死」とそこからの「出口」を見つめる。 *** ■地球年代記  さて。  生きかえったつもりで書いてみようと思う。  生きかえる――なんてね。じつはそう大げさな言い方でもない。  この4年間で3回も肝臓がんの開腹手術を経験したからだ。お腹の真ん中あたりL字型に30センチ近く深いレー

#デジタルの日 ロゴに込めた想いと制作秘話

こんにちは。 耳が聴こえないグラフィックデザイナーの岩田直樹と申します。 「2021年度デジタルの日」のロゴデザインを担当いたしました。 ここでロゴの由来や工夫した点をお話しします。 今年から初めて創立される「デジタルの日」とは何か。 デジタルの日は「誰一人取り残さない、人に優しいデジタル化」を実現するために、デジタルをより身近に感じさせるために振り返り、見直し、体験させる機会として設けられました。 2021年のデジタルの日は10月10日、11日です。 詳細はこちらをご覧く

プロダクトデザインのアプローチ(前編)――みんなの銀行×Fjord Tokyo

こんにちは。みんなの銀行デザイングループの中村です。「みんなの銀行 x Fjord Tokyo」連載シリーズ第2回では、Fjord Tokyoさんの視点で綴られた第1回「銀行をブランディングする」に続いて、「みんなの銀行のアプリにおけるデザインアプローチ」について前・中・後編にわたってお届けします。 登場するのは、「みんなの銀行プロジェクト」に初期から関わるFjord Tokyoの会田さんと佐々木さん(以下、敬称略)、そして少し遅れてジョインしたみんなの銀行の河田さんと中村

PMBOK第7版の変更点について解説

今回は、PMBOKの第6版と第7版に関する記事になります。 今年の8月にリリースされたPMBOKの第7版ですが、英語版のリリース直後から大きく変わったと物議を醸しておりました。英語版でのリリースしかされていませんので不確かな情報も多く、錯綜していたように感じます。 しかし、21年10月から日本語版のリリースが開始されました。PMI日本支部会員は、PDF版が無料でダウロード可能です。(PMI日本支部HP:PMBOK®ガイド第7版日本語版 販売および出荷開始のお知らせ) 今

コスト・マネジメントという困難な仕事に、プロジェクト・マネージャーはどう立ち向かえばよいのか

このノートは、多摩大学大学院の講義で使用してきた教材を下敷きに、その大幅改定のためのドラフトを、クリエイティブコモンズ[©中分毅 (Licensed under CC BY-NC-ND 4.0)]として公開するものです。 今回はその第5講として『コスト・マネジメントという困難な仕事に、プロジェクト・マネージャーはどう立ち向かえばよいのか』ということについてお話しします。 この記事の最後で、過去のノートのマガジンを紹介して載せていますので、ご関心ある方はぜひご活用ください。

こどもに親が残せるものってなんだろう?『こども仏教』

学力、お金、土地、特技…… 親として、こどもに残せるものってなんだろうと、日々考えます。 今どんなにかわいがり、大切に育てていても、こどもはいつかひとり立ちしていくもの。 自分の足で、自分の人生を歩ける人になってほしい。 学力もお金も土地も習い事も、そのための本質ではないような気がしています。 どんな環境でもたくましく生きていくために必要なもの。 それは、強くしなやかな「こころ」ではないでしょうか。 そんな気持ちで、『こども仏教』を編集しました。 「仏教」と聞くと、

衆院選の仕組みを2つの図解でおさらいする

チャーリーです。 衆議院議員総選挙(通称「衆院選」)の仕組みを2枚の図解にしてみました。第49回の衆院選がいよいよはじまりますが、意外と衆院選の仕組み、ぼんやり知っている人が多いのではないかと思い、図解してみた次第。 尚、これは雑誌「THE21」での連載で掲載したものを、衆院選が近いのでぜひ図解だけ早めに一般公開できないかと掛け合い、快諾いただいたので、掲載しました。ありがとうございます。 雑誌の方には図解だけでなく取材いただいたしっかりめの文章も載ってるので、ぜひみて

青きドナウの乱痴気 ウィーン1848年/良知力

この本を読んでみて、革命というものの印象が変わった。 革命というと、大義的なものに導かれて社会変革を促そうとする創造的な面をもった市民の行動のようなものを想像していたが、そういうものではないのかもしれない。自分たちが今日明日を生きるため、生き続けるために、ほんとに最低限ものすら手にすることのできない人々が切羽詰まって行動にいたる、激情的で事後の明確なヴィジョンももたない反抗なのではないか。 19世紀半ばのウィーンでの革命の様子を綴った良知力さんの『青きドナウの乱痴気 ウィ

【Z世代の消費傾向】 なぜ「レトロ」が若者の心を掴むのか

今の時代のトレンドを生み出す世代と言われる「Z世代」の消費傾向の1つとして「レトロブーム」が注目されています。 レトロブームとは、様々な分野において、過去に流行した要素を取り入れた商品が人気となっている現象を指します。若者のブームは移り変わりが激しいと言われていますが、その中でもレトロブームはここ数年、長く続いているトレンドだと言われています。 ではなぜ、ここ最近「レトロブーム」というワードを耳にすることが増えたのでしょうか?それは、企業がレトロブームのトレンドを意識して

【「はじめに」公開】佐藤けんいち 編訳『超訳ベーコン 未来をひらく言葉』

10月発売の佐藤けんいち 編訳『超訳ベーコン 未来をひらく言葉』。 本書は、「知は力なり」というフレーズが有名で、学問と技術の革新をリードした大思想家フランシス・ベーコンによる思い込みを打ち破る名言集。 このnoteでは、本書の「はじめに」をご紹介します。 はじめになぜいまフランシス・ベーコンなのか? フランシス・ベーコンといえば、「知は力なり」というフレーズで有名な哲学者で、実験と観察による「帰納法」を主張した「イギリス経験主義」の祖というのが、教科書的な理解であろう。

【「はじめに」公開】中村圭志 著『世界の深層をつかむ 宗教学』

 10月に創刊! 「わかったつもりで終わらない 独学シリーズ」の第1弾は『世界の深層をつかむ 宗教学』。  単に「知っている」だけではなく、知識を自分ごと化し、自分の考えを持つための学びを促す新シリーズです。 このnoteでは、本書の「はじめに」をお届けします はじめに 宗教学は、世界じゅうのさまざまな宗教について、信仰の立場を離れて、客観的に研究する学問です。単一の学問ではなく、人類学、社会学、心理学、歴史学、文献学、民俗学……等々、様々な学問的手法の総体です。  本書

SNS、脳、ケア、アナキズム、鳥たち。『何もしない』訳者あとがき

「何もしない」ことは、現代の経済社会への最大の抵抗になりうる。 哲学、文学、アート、そして生態系のあり方を通して、無為の意味を導き出す『何もしない』から、訳者の竹内要江さんによる訳者あとがきを公開します。 評価・木澤佐登志 推薦 「無為とともに思考/抵抗せよ。「何もしない」を「する」ために、そして世界を変革するために」 ・バラク・オバマ年間ベストブック ・ニューヨーク・タイムズ・ベストセラー 訳者あとがき 本書は、Jenny Odell, How to Do Nothi

「NHK100分de名著 ヘミングウェイ スペシャル」出演の著者がエドガー・アラン・ポー「黒猫」を読み解く! 10/15(金)発売『教養としてのアメリカ短篇小説』より、第1講を抜粋公開

「100分de名著 ヘミングウェイ スペシャル」で指南役を務めている早稲田大学文学学術院教授の都甲幸治さん。ドミニカ共和国出身でアメリカ合衆国に移民した作家ジュノ・ディアスの翻訳などで知られ、自身でも「今まで自分はマイノリティ文学に特化して読んできた」という都甲さんが、アメリカ文学の“王道”ともいえるメジャー作家たちの短篇小説13作品を読み解く『教養としてのアメリカ短篇小説』が10月15日(金)に発売となりました。  それぞれの小説についての講義は、まず作品のあらすじを振り返