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"歴史" 系 note まとめ

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2020年2月の記事一覧

なぜ自衛隊は聖母マリア像をつくったのか?その2

さて、1950年に初開催された「さっぽろ雪まつり」の成り立ちについて調べ始めたのはお伝えした通りです。そのなかで最初にぶち当たった興味深い事例が陸上自衛隊が「野外築城訓練」の名目で第6回目から参加したこと、そして、なんとその時に巨大な聖母マリアの雪像が製作されたことでした。前回の記事ではその謎を解明するには至らず、なぜ?という疑問を投げかけて終わっていました。そんな節、やはり同じように雪まつりに関心を寄せていた札幌の学生さんから、ある情報を得たので、今回ご紹介したいと思います

歴史学習にエピソードを

JINー仁ーというドラマを観終わった。全22話で総時間は24時間を超える作品をわずか5日間で観終わってしまった。 僕はドラマを観るのを避けている。一話を観るために「1時間」拘束されてしまう。他に何かをすることもできない。子育てをしているからか、自分が1日の間に自由に使える時間は本当に少ない。読みたい本もある。新聞も毎日やってくる。Twitterも覗きたい。それらができなくなるのが嫌だったので、意図的に避けていた。 一方、妻はドラマが大好きだ。毎シーズン、何を観ようかとワク

浮世博史『もう一つ上の日本史 『日本国紀』読書ノート・古代~近世篇』「はじめに」公開

 2020年2月25日、幻戯書房は浮世博史著『もう一つ上の日本史 『日本国紀』読書ノート・古代~近世篇』を刊行いたします。  百田尚樹著『日本国紀』(幻冬舎、2018年11月10日第一刷発行)という本をご記憶でしょうか。いわゆる「日本史ブーム」の中、「日本通史の決定版!」をキャッチコピーに、発売時には圧倒的な話題性で出版界を席巻した一冊です。刊行後、同書へは様々な論評が出されました。  浮世博史さんによる「こはにわ歴史堂のブログ」の連載「『日本国紀』読書ノート」(2018年1

「ヒロアカの件」で怒ってるあなた、悲しんでいるあなたへ

今回の件で憤っている人、悲しんでいる人、はたまた何も考えたくない人、ほんのちょっとだけ時間をもらえないでしょうか。 あ、日本人の「あなた」ですね。いちヒロアカファンとして、いち日本人として、ちょっとだけ話をするので聞いてほしい。 まずあれだ、批判ではないです。私はヒロアカが大好きだし、現状に胸を痛めているし、これからも応援をしたいと思っている。そして、そう思っている人たちが読んで傷つくような内容ではないので、どうか安心して読んでほしい。 ちょっと長くなってしまったけど。

クラシックホテル巡り。村を潤した、川奈ホテル

ホテルや旅の魅力を歴史やストーリー・文化から紐解き発信しています。その土地やホテルの『過去の記憶』をほんのひとつまみ知ることで、ささやかですが、新たな旅の視点を手に入れてもらえたら嬉しいです。 今年から、クラシックホテル巡りをはじめてみました。クラシックホテルとは、(色々定義があるようですが)主に戦前に創業・建設した日本のホテルのことを指します。 ホテルは昔から、歴史上重要な多くの場面で人々を迎え入れ、過去の大きな物語の舞台となった場所でした。 特にクラシックホテルと呼

2月23日は令和時代初の天皇誕生日となる。忘れてはいけない。なぜ平成の天皇誕生日12月23日に東條英機を処刑したのか。その真相を追い謎を解き明かしたい。

 2月23日は天皇誕生日である。令和時代になって初めてこの日が祝日になった。平成時代は、現・上皇の誕生日が祝日であった。  だが12月23日は呪われた日でもあった……。  なぜか?  終戦から3年後、皇太子15歳の誕生日12月23日に東條英機が処刑されたのである。平成の天皇が背負っているこうした歴史について、結局、テレビは何も伝えなかった。  戦争と災害への巡礼の旅、平成の天皇の使命は大きくこの二つだった。  いまはすっかり忘れられているが、戦後、昭和天

近親婚のしすぎで断絶したはず… スペイン・ハプスブルク家の「末裔」、現る

はじめに ――近親婚と男系断絶―― 『平家物語』に曰く、「娑羅双樹の花の色、 盛者必衰の理をあらはす」。どんなに勢いが盛んな者であっても必ず衰えていくのが世の道理とされる。  ヨーロッパの大部分を版図に納め、栄光ある神聖ローマ皇帝位を世襲し、また「太陽の沈まぬ国」と形容される広大なスペイン植民地帝国を建設するなど、世界史上に稀なる栄華を誇ったハプスブルク家もその例外ではない。 欧州におけるハプスブルク家の版図(1547年)  一族の富を他家に渡すまいと、近親婚を幾度も重

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11.4.1 貴族文化から市民文化の時代へ 世界史の教科書を最初から最後まで

19世紀のヨーロッパはまさに激動の時代。 一部の支配層だけが君臨する国のシステムは、国民が“主人公”となる国のシステムに変化し、人の力や家畜の力で行っていた「ものづくり」は、蒸気機関の放つ莫大なエネルギーによる「機械」に置き換えられた(産業革命)。 これまでの常識を次々とひっくり返す、革命や大発明の嵐。 子どもの頃と大人になってからで、町の景色も全くと言っていいほど様変わりした。 王族や貴族の世界はまだまだ人々の “あこがれの的”ではあったものの、新しい “産業の時代”(

11.3.3 アメリカ合衆国の重工業化と大国化 世界史の教科書を最初から最後まで

南北戦争に勝利した北部主導のアメリカ合衆国政府は、この戦いを「南部の反逆」として処理。 二度と南部が北部に挑戦しないように、南部のステイト(州)の国家組織を根本的に “インストール” しなおそうとした。 この再インストール時代のことを「再建期」という。 主導したのは北部の共和党。「アメリカ合衆国」の連邦憲法が修正される形で、奴隷制は正式に廃止される。 解放されたアフリカ系の黒人たちには選挙で投票する権利が与えられた。 しかし、南部から連邦軍が撤退すると、1890年頃から州

11.3.2 アメリカ合衆国の領土拡大 世界史の教科書を最初から最後まで

18世紀末にイギリスの北アメリカにある13の植民地は、アメリカ合衆国(the USA)という独立した国となった。 しかし、「もともと別個に自治権をもっていた「植民地」を、どうやって国としてまとめるべきか?」をめぐり2つの意見が対立。 「イギリスなどヨーロッパ諸国に対抗するには、ひとつひとつの元・植民地(ステイト)では対処しきれないことが多すぎる。だから13のステイトの“まとめ役”である連邦政府に強い権限を与えるべきだ。そうしなければ、バラバラになってしまい、せっかくの独立

歴史に学ぶ意味 No.422

息子の引っ越しで東京に車で行ってきましたが、久しぶりのロングドライブも道がすいていたおかげで思ったより大変ではありませんでした。 これがレクサスやメルセデスでしたら快適だったのでしょうが、車があまり快適ではなくさすがに少し疲れました。私の愛車の100系のハイエースで二日で約1,000kmは40代には少しハードでしたが、それも良い思い出になりそうです。 学生時代にオーストラリアで2週間で5,000km走ったのを思い出したりしましたが、日本の道路(特に新東名)は圧倒的に快適で

前8世紀におけるギリシア文化伝搬の歴史的背景

問題難易度: ★★★★☆ ギリシア人のオリエントとの交流は,紀元前8世紀にはいるといちだんと盛んになっていった。他方で,南イタリア,ナポリ湾の小島で出土した陶製杯には,ホメロスの叙事詩にちなむ韻文がギリシア文字で書かれていた。杯の製作年代は前8世紀後半で,文字も同時期に刻まれたものらしい。  杯がこの島で用いられるにいたった歴史的背景を,下線部に注意しながら150字以内で記せ。 配点: 8点 東京大学(1997)より引用 ※ 下線部分は,noteの制限上太字表記としており

『まとめ』歴史を変えた6つの飲み物〜蒸留酒編①〜

~ビール、ワイン、蒸留酒、コーヒー、茶、コーラから見る世界史~ 「ワインは湯煎で蒸留できる。 蒸留すると、ワインはバラ香水の様な色になる。」 サバー・アル=キンディ(アラビアの科学者・哲学者) 蒸留酒と言われてもイメージし辛いかもしれません。 ですがすごく身近なお酒なんです! ウィスキー、焼酎、ジン、ウォッカ、ラム、テキーラ、ブランデー、、、これらは全て蒸留酒、スピリッツと呼ばれるお酒です。 お酒を熱していくと、アルコールは沸点が低いのでドンドン蒸気となり分かれていきま

[質問箱]なぜ歴史を学ぶ必要があるのですか?

「歴史」と聞くと思い出す言葉がある。島田洋七さんの『佐賀のがばいばあちゃん』(徳間文庫)の一段である。 中学に上がった昭広少年にとって、試験勉強は最も苦痛な時間でした。「苦手な英語はどうすればいいか?」と聞かれたばあちゃんはこう切り返しました。 ばあちゃん「じゃあ、答案用紙に『私は日本人です』って書いとけ!」 昭広少年「でも、ばあちゃん。俺、漢字も苦手で・・・」 ばあちゃん「『僕はひらがなとカタカナで生きてます』って書いとけ!」 昭広少年「ばあちゃん、俺、歴史も嫌いでな・・