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"歴史" 系 note まとめ

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2019年2月の記事一覧

「ロマンティック・ラブ・イデオロギー」と「リレーションシップ・アナーキー」はバンド名じゃないけど、パンクロックな気がする。

ポリアモリーを知ってから色んな価値観がひっくり返された。 でも、ひっくり返った価値観で生活をしてみると「むしろ、こっちが表だったじゃないか」と思うことがよくある。 ロマンティック・ラブ・イデオロギー と リレーションシップ・アナーキー この「2つの言葉」もそれをよく表している。 今日はそんな話。 ポリアモリーとは、お互い合意の上で複数の人と同時に恋人的な関係を築く恋愛スタイル。対義語はモノアモリー(恋人は一人という価値観)。過去のシリーズはこちら。 ◾️現代価値観への

鉄条網の歴史を知ることはそのまま人類の暴力の歴史を知ることに他ならない/【感想】『鉄条網の世界史』石弘之・石紀美子

第1章はアメリカ西部開拓の立役者としての鉄条網。 アメリカでは19世紀末まで西部の広大な農地を家畜から守るのに木柵を使用していたが、大平原では木材が手に入りにくくコストがかかっていた。そこで登場したのが鉄条網。安価で設置も簡単。収納しやすく持ち運びも楽として普及していった。 まずアメリカの人口増加による食料供給のため西部では肉牛の牧畜ブームおきる。牛の帝国を築き上げた牧場主たちの次には、農民を西部に定着させる目的で5年間定住した入植者や解放奴隷に対して160エーカーを無償で与

「歴史は苦手」「電子書籍は苦手」というセリフに思うこと

「歴史小説を書いてます」 「電子書籍出版してます」 そうやって言うと、「歴史は苦手」「電子書籍は苦手」と言われることが多いです。 学校の勉強で苦手意識が染み付いてしまってそのまま歴史小説が苦手になってしまう気持ちはわからなくもないです。 紙の本が好きと言う人の気持ちも分からなくもないです。 でも、私は読者に勉強させたくて歴史小説を書いているわけではありません。 だから私は「項羽と劉邦」を始めとした歴史物を書くときには、たくさんルビを振ったり必要ない固有名詞を省いて分

エジプト旅行記⑥ 〜考古学博物館・新王国時代〜

それでは前回の記事 https://note.mu/yumiko_n/n/ncbc6572daa5f こちらに引き続きまして、カイロ タハリール広場の一角にあります、エジプト考古学博物館の展示物について書いていきたいと思います。 華麗なる新王国時代古代エジプト文明において最も盛えたのがこの新王国時代です。第18王朝〜第20王朝までを指しますが、特に第18王朝と第19王朝はエジプト旅行をするならば、必ず押さえておくべき王朝です。 第18王朝には、王家の墓に最初に王墓を作ったト

再生

旅ちゃずけラジオ(27)マンデラ復活

・南アフリカで記念すべき日 ★ローカルニュース:マンデラ復活 ★今日の音楽 NERD : Squeeze Me

日本中世史における読者の成熟

 018  先日、ある研究者のインタビューが、TwitterやFacebookで少々議論を巻き起こした。  僕は当該インタビューの全文を読んだわけでも、その方のご研究をしっかりと評価できるわけでもない。  なので、インタビュー内容の是非についてはコメントできない。  ただ、当該インタビューの話題になり方に感ずるものがあったので、ここに記して備忘としたい。  いったい、学問というものは決して閉じられたものというわけではないのだが、やはり往々にして世間一般というものからは距離

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縄文時代にあったあの“日本の美しい心”をもう一度!世界を揺さぶるストーリーを紡ぐ、作家浜本龍蔵さん

大河歴史小説「欧来天狗異聞」のハリウッド映画化を目指し、世界を揺さぶり、変えるため、世界に“美しい心”を広げるために、情熱を注いでいらっしゃる作家、浜本龍蔵さんにお話を伺いました。 〜浜本龍蔵さんプロフィール〜 ●出身地 大阪 ●活動地域 大阪を拠点に日本、世界へアプローチ中 ●経歴 高校時代はトランポリン日本代表。大学卒業後、体操インストラクターとして、ジムのヘッドコーチを務める。90年渡米。体操インストラクターとして活躍。全米の主要都市を駆け巡る。 帰国後、貿易商社勤務

織田信長が安土山で盛大な相撲大会を催した話

いまはむかし、織田信長が安土山で相撲大会を開いたことがあった。参加力士は近江・京都から千五百人ほど集まり、これまでにない盛大な規模で行われた。配下の武将たちも、我こそはという力士を集め、互いに戦わせた。相撲大会は辰の刻(午前八時前後)から酉の刻(午後六時前後)まで行われ、朝から晩まで白熱の模様を呈した。 5人抜きや3人抜きなど、派手に活躍して存在をおおいに印象付ける力士も少なくなかった。この大会を機に信長の目に留まり、側に召し抱えられたものは十四名に上った。同時に、金銀飾り

ノーヴァヤ・ゼムリャのネネツ ティコ・ウィルコ

 ソ連時代のモスフィルム制作の映画の一つに「偉大なるサモエード(Великий самоед)」という作品があった。  映画の舞台は20世紀初頭のノーヴァヤ・ゼムリャ島。ここで生まれ育った少数民族ネネツの少年が、ロシア人探検家たちと出会うことから物語は始まる。  探検家によって主人公の少年はその美術的才能が見出され、モスクワの芸術学校に留学し、次々と新しいものを吸収していく。  しかし故郷の兄の訃報が届くと、主人公はネネツの慣習に従って兄の妻と結婚して一族を率いねばならず、

子育ての歴史を調べてみた(その2)~戦後から1950年代

この記事の続きです。 子育ての戦後史 昨日も簡単な出来事を一覧にしましたが、その時代に起きた事件や社会問題と合わせてみていきたいと思います。 1945年からひとまとめに2020年までまとめようと思いましたが、長いので10年づつに分割しました。 なお、古い育児論は主張にエビデンス(科学的、数値的根拠)がないものも多いです。 【前提条件:明治時代はターニングポイント】 調査不足なので詳細は書きませんが。戦後や昭和期に生じた子育ての問題を追及していくと、明治時代に行きつ

『金子文子と朴烈』

朝一でベルサーレ渋谷にて確定申告。終わったら休みだし、映画を観ようと前日にネット予約をしていたのでイメージフォーラムで『金子文子と朴烈』の11時の回を鑑賞した。平日だし、題材的なものもあるのか白髪の人が多かった気が。 大正時代の日本に実在した無政府主義者・朴烈と日本人女性・金子文子の愛と闘いを、「王の男」「ソウォン 願い」のイ・ジュニク監督、「高地戦」「建築学概論」のイ・ジェフン主演で描いた韓国映画。1923年の東京。朴烈と金子文子は、運命的とも言える出会いを果たし、唯一無

第294回 2019/2/11〜17の歴史ニュースピックアップ

1、今週の歴史ニュース総まとめ 今週もTwitterのフォロワーの皆さんありがとうございます。TL上で見かけたニュースで気になったものをまとめます。 出典となる新聞記事のリンクは時間が経過するとリンク切れとなってしまうものもあるのでご了承ください。 記事の後ろのRはいいねとリツイートを合わせたリアクション総数。Cはコメントがついたものを示しています。 ニュースをキッカケにコメントをいただいて、歴史談義をすることはとても楽しいので、どんどんリプください。 2、今週もホ

ノーベル平和賞受賞のその後

 ノーベル平和賞によって平和はもたらされるのでしょうか?  1925年に取りまとめられたロカルノ条約を経て、第一次世界大戦の敗戦国であったドイツが国際連盟に加盟することになり、事実上の戦後処理終結を評価されて、条約成立に貢献したフランス首相のブリアン、ドイツ外相のシュトレーゼマンが翌26年にノーベル平和賞を受賞しました。前年には同じくこの条約締結に関わった、イギリス外相のチェンバレンも受賞していますので、いかにこのロカルノ条約が重要なものであったかを示している証拠と言えます

子育ての歴史を調べてみた(その1)

今、自分のブログで「育児漫画の歴史」について、長文をしたためています。全5回の予定。 最初はもっと軽くまとめる予定でしたが、書いているうちに「あれ?」「ん?」と疑問に感じる部分があり。深く調べていったら非常に長いものになってまいりました。 「漫画の歴史」と「子育ての歴史」私が書きたかったのは「育児漫画の歴史」ですが、育児漫画の成立には大きく次の3つの要素が絡みます。 ・漫画の成り立ち ・随筆(エッセイ)の成り立ち ・子育ての歴史 「漫画の歴史」については、マンガ研