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アメリカ往復日記

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アメリカ往復日記の記事をまとめました。
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記事一覧

アメリカ往復日記 #1|車中2泊の道のりから幕をあける

はじめに12月18日。カリフォルニア発・シカゴ行き。総移動時間は50時間で、車中2泊のCalifornia Zephyrが出発する日がやってきた。 旅の荷造り旅の荷造りは簡単だった。冬の旅だし、とりあえず下着と靴下だけは必要な数を詰め込んで、トップスは長袖のヒートテック、その上にTommy Hilfigerのセーターをかぶって、ユニクロのウルトラライトダウンとThe North Faceのジャケットを羽織れば準備は完了。マフラー、手袋のほかにヒートタイツも防寒用として備え、

アメリカ往復日記 #2|人との出会いから広がる旅の寄り道

Salt Lake Cityでの小休止 一度目が覚めると、朝の3時。電車はちょうどSalt Lake Cityに到着し、小休止をするところだった。車外に出てみると、雨が雪に変わったところで、辺りには雪が積もっていて、完全なる冬の模様。 ホーム上では乗る人、降りる人、タバコを吸う人と様々だったのだが、夜の間にLounge Carで一緒に過ごしたのだろう、昨日、夕食のテーブルを共にしたカイルが、私の隣の座席の女の子(例の、ちょっと苦手な感じの子)を含めた数名の若者から見送られて

アメリカ往復日記 #3|シカゴの名物ピザまでの道中

ついにシカゴに到着する列車内では、2日間シャワーを浴びていない。この旅がもし夏場だったら、車内は臭っていたのだろうか、なんてことを考えると、東海岸が極寒の季節とはいえ、冬の旅でよかったのかもしれない。 昨日は遅くまで起きていたため、今日はなかなか起きられないと思っていたのだけど、そうではなかった。6時10分ごろ、ネブラスカ州最大の都都、オマハに到着。この時点で、電車は一時間ほど遅れていた。どうやら、これくらいの遅れであれば日常茶飯らしい。 しばしの休憩の後、車内で昨日の残

アメリカ往復日記 #4|シカゴ美術館で丸一日時間を溶かす

シカゴでの目覚め8時30分ごろに目覚める。予報は変わらず、曇りときどき雨。30F前半。良く眠れた夜だった。 顔を洗い、身の回りを整理してから、9時過ぎに朝食を摂りに2階のカフェテリアへ向かう。ベーグル、マフィン、コーンフレーク、オレンジジュース、コーヒー、牛乳など。隣の部屋のテレビに映っているプレミアリーグの試合を覗きながら、お腹を満たす。 部屋に戻って荷物を整理した後、パソコンを抱えて、例のテレビがある部屋へ。引き続き、ナイアガラへの行き方を検索する。 11時前にチェ

アメリカ往復日記 #5|極寒のナイアガラの滝

※こちらの記事の続き。 シカゴからバッファローへニューヨーク州のBuffalo-Depew駅へ向かう車内。なかなか眠れない夜だった。明日の夜は、電車の乗り継ぎのために深夜3時まで起きていないといけないことを考えると、十分に眠っておきたいところだったが。 どうやら電車は1時間程度遅れて走っているようである。夜だし暗いし、外の景色を見ることもできないので、ひたすら体の向きを変えては、楽に眠れる姿勢を探していた。 朝5時30分ごろに目が覚める、なんだかんだいって、それからはず

アメリカ往復日記 #6|雑踏のニューヨーク

ナイアガラからニューヨークへ車内では、1人で二人分の座席を利用できた。ニューヨーク(NY)が近づくにつれて外は再び雨模様になってきたけれど、大きなトラブルはなく、12時前にNew York Pennsylvania Stationに到着。 外は雨ということに加えて、もちろん疲れてもいたし、なかなか出歩く気にはなれない。チケット購入の長い列に並んだ後、駅中の売店で昼食のサンドイッチをほおばり、NYの街中へと繰り出す。 地上に上がると目に飛び込んでくるのは、黄色いタクシーと行

アメリカ往復日記 #7|ニューヨークで過ごすクリスマスイブ

自由の女神を拝みに。朝8時、眠い目をこすりながら起床。9時過ぎにチェックアウトをすませ、地下鉄Rに乗ってSouth Ferry駅にて下車。フェリー乗り場までの道のりを歩いて向かう。 昨日とは打って変わっての晴天が広がっている。その分、風が冷たい。人々が長い列をつくっていたものの、演奏をするパフォーマー、サウスマンハッタンの町並み、そして何より沖合に見える自由の女神の姿によって、退屈さを感じずに済ませることができる。 手荷物検査を受けた後、フェリーへ乗り込むと、3階の船後部

アメリカ往復日記 #8|ボストンで身に沁みる寒さと温かさ

ボストン寒い事件ボストンに列車が到着したのは、予定の8時より少し前だった。清々しいほどの快晴であるが、その分、朝の空気は非常に冷たい。 いつものようにホームで写真を撮った後、駅のロビーへと向かったのだが、寒さのあまり、しばらくはボーっとして動くことができない。駅の電光掲示板、その下の各お店でパンやコーヒーを食べる他の乗客を眺めながら、時間を過ごす。 パンフレットを集めたのち、意を決して着替えのためトイレへ。防寒用にミズノのアンダーウェアとヒートテックタイツを装着。9時過ぎ

アメリカ往復日記 #9|アメリカの首都で感じる自国愛

アメリカ合衆国の首都に到着電車は予定通り、7時前にWashingtonに到着。待合室へ移動するものの、体が重くて言うことを聞かない。まだ朝早くて時間もあるし、外に出るのも寒いし、そもそも街も起きていないだろうし、(そして何よりワシントンにはそれほどたくさん見て回る所は無いだろうと思っていたので、)しばらくウダウダすることに決め、仮眠をとる。 その後、着替えたり、顔を洗ったり、今日の帰りに買い物をすることになるであろう飲食店を見て回ったりすると、10時前。Washington

アメリカ往復日記 #10|旅の折り返し、ニューオーリンズ

ワシントンDCからの長旅目を覚ましたのは8時頃かと思う。朝食は、昨日購入したカレーの残りで済ませる。残りをさらに昼食へと回せるほどの十分なボリューム。右の窓際に座っていたことは覚えているのだが、それ以外は本当に記憶がない。 外の景色は、次第に南部のそれになってくる。沼が広がったり、それらしき植物が茂っていたりする。気温は確実に上がっている。やることが無いため、というわけでもないが、忘れないうちにと、ここまでの旅程の執筆活動に勤しむ。 Virginia、North Caro

アメリカ往復日記 #11|Sunset Limited号で巡るテキサス

雨のニューオーリンズを後にする目を覚ますと、時計は6時30分、目覚ましをかけていたのは7時だったのだけど、そして窓の外は雨が降っているようだ。予定よりを早く起きられたものだから、少し冷え込んでいたものだし、シャワーを浴びることに。 昨日、気を抜いていたような箇所も、意識して洗うようにする。7時50分発の路面電車に乗る予定だったから、それほど時間があるわけでもないのだけれど、かといって特別やることがあるわけでもない。 泊まっていたホステルも、朝食付きとかいうくせに、提供時間

アメリカ往復日記 #12|タイムゾーンを考察する帰り道

48時間の旅路丸一日の移動日であったため、この日の日記は一番短いものになると思う。 そういえば、最初に乗ったCalifornia Zephyrではカリフォルニアを午前10時くらいに出発してChicagoに2日後の午後3時に着いたから、53時間の旅だと思っていたんだけど、実際はそうじゃなくて、タイムゾーンの境目を西から東へ2回通過したから、-2時間で51時間の旅だったはずだ。つまり、一日が23時間になっていたので、夜なかなか眠くならずに遅くまで起きてしまう。というより自然に起

アメリカ往復日記 #16|SFを経由し、ついに帰還。

最終日の目覚め 新年2日目の朝も清々しいものだった。昨日のパンのほかに、オリーブオイルとビネガーをかけていただくサラダと、マスタードを添えていただくソーセージ、それからコーヒーである。 帰りは11:24発のCaltrainに乗る予定であったため、10時過ぎに家を出て、今日は再びApple本社など、シリコンバレーの企業群を巡る。布団を片付け、荷物と身支度を整え、例のごとく駐車場へと向かい、相変わらず革の肌触りが良いシートに腰掛け、Apple本社が位置するInfinity L

アメリカ往復日記 #13|LAで訪れた偶然の再会

プロローグ いつかの日記に、「旅の醍醐味は人との出会いと別れにある」、などと書いたっけ。それにもう一つ、「偶然の再会」というものも付け加えたいと思う。 駅のFamima!!で腹ごしらえ 3日間に及ぶ長旅を終えたSunset Limited号は、朝の6時過ぎ、終着駅のLos Angelesへ。駅構内をぶらつきながら、パンフレットを集めたり、スタバ前にてWi-Fiに接続したり、荷物預かりが4ドルだと聞いて回ったりする。いずれにせよ、空腹では戦にならないので、こちらも駅構内に