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アメリカ往復日記 #3|シカゴの名物ピザまでの道中

ついにシカゴに到着する

列車内では、2日間シャワーを浴びていない。この旅がもし夏場だったら、車内は臭っていたのだろうか、なんてことを考えると、東海岸が極寒の季節とはいえ、冬の旅でよかったのかもしれない。

昨日は遅くまで起きていたため、今日はなかなか起きられないと思っていたのだけど、そうではなかった。6時10分ごろ、ネブラスカ州最大の都都、オマハに到着。この時点で、電車は一時間ほど遅れていた。どうやら、これくらいの遅れであれば日常茶飯らしい。

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しばしの休憩の後、車内で昨日の残りの昼食をいただく。シカゴまであと3時間となった時、あと3時間"も"かかるのだけれど、それでも、あとたったの3時間だと思ってしまう、時間の間隔のズレ。

そして15時15分、電車はついにシカゴ駅に到着。荷物をまとめ、ずらずらと列をつくってホームへ降りる。ここで、先の日本人、地元出身の彼と合流し、せっかくだから記念の写真を撮ろうとした。しかし、「Chicago」というような看板、もしくはここがシカゴだとすぐわかるようなものがホーム上に無かったため、先頭車両の前で肩を組んで写真を撮って、別れを告げた。

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シカゴの街並みは摩天楼

シカゴ駅のチケット売り場で、昨日、電話にて予約したシカゴ発NY行きの切符を入手。駅を出ると、我慢できない寒さではないものの、空は厚い雲に覆われて時折小雨が混じる。

それ以上に印象的だったのがビル群。まさに摩天楼。それらがいかにも都会というべき空気を作り出していて、街を行き交う人々のスタイリッシュなこと、それらはかつて訪れたロンドンの懐かしさを思い起こさせた。どことなく似た空気があり、でも漂うたばこの臭いなんかは、この街独特なものに感じられたし、もちろん街のつくりも大きく異なる。

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地図を確認し、駅から東へ、Jackson Blvdを歩く。歩くだけでも胸が躍る町並みだ。ホステルに到着すると、チェックインを済ませ、一休みといきたいところではあるけれども、どうやら明日の天気は雨みたいだし、日が暮れるのも早い街のことだから、なるべく外を歩かなくちゃもったいないよなと思い、ショルダーバック一つで、文字通り街へ駆け出した。

もともと見てまわるルートは決めていたものだから、大体の方向感覚は頭に入っていた。まず初めは、ホステルからさらに東、ミシガン湖方面へ向かう。久しぶりに駆け出すものだから、気分がいい。やはり、肺に飛び込んでくる冷たい空気が心地いい。

ミシガン湖畔へ到着すると、湖畔にはランニングコースがあって、この寒くて暗い時間でもちらほらランナーの姿を見ることができ、ここがシカゴランナーにとっての聖地なのかなと考えてみる。

それから、ミシガン湖にはなんと流氷(という表現が正しいのか。とりあえず湖面に浮かぶ氷)が漂着していた。生で見るのは初めてだったかもしれない。遠くに見える観覧車とともに、遊泳禁止、飛び込み禁止の注意書きの写真を撮り、北へ。(誰が泳ぐかよ、と心の中で突っ込みを入れる。)

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モダンなデザインの美術館らしき建物を通過した後、Michigan Parkへ向かう。開けた土地にあるステージのような空間と、あの空豆みたいな銀色のオブジェ(トップ画参照)、それに、その前に開設されていたスケートリンクを見て回る。

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以降はMichigan Ave.を北へ。シカゴの目抜き通りであるこの道は、賑やかなショッピングモールになっているのはもちろんのこと、イルミネーションで眩いばかりに飾られており、その上、シカゴを代表する建築物を眺める事もできる。

シカゴ名物のディープディッシュピザをいただく

このあたりから、傘が必要かなというくらいの雨が降り出したので、折り畳み傘を開き、空いたお腹を満たすために、これまた予定通りにディープディッシュピザの発祥の地であるというUNOというお店に向かう。

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ここまで歩いてくる途中にも、幾人か、テイクアウトしたのであろうピザの入った紙のケースを携えて街を歩く人を見かけたので、気分は高まっていた。店外まで続くほどの行列があったものの、受付のお兄さんに聞いてみると、注文の後ピザを焼き始めて、15分ほどで店内の席に案内でき、45分ほどでピザを提供できるとのこと。

せっかくここまで来たし、他に行くあてもないしで、ソーセージのDeep Dish PizzaのIndividualサイズをオーダーし、しばしベンチに腰掛けて待つ。その間にも次から次へとお客さんがやってきて、どうやら待ち時間が少し長くなったようだ。名前を呼ばれた後に、窓際のテーブル席へ案内される。

店内はやはりごった返しており、カウンター席ではビール片手にフットボールの試合を観戦するお客さんの姿もある。飲み物の注文を聞かれたとき、最初は飲むつもり無かったんだけどね、でもお店の雰囲気が良かったから、Budweiserと、野菜も食べておきたかったのでサラダを頼む。

運ばれてきたBudweiserを早速グラスに半分注いで飲み干す。運ばれてきたサラダが、なかなか大きかったため、その上で、果たして量が多いという噂のdeep dish pizzaまで平らげられるのかと多少不安に感じつつ、お皿の下のほうへたどり着くにつれて味が濃く辛いビネガーソースをなんとか避けながら食べていると、そのうちに運ばれてくるメイン。その厚さはピザというよりまるでタルト。とろけるチーズと相まって、それは非常に暖かく美味しかった。

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ビールも進み、気分が良くなったところで、会計でもチップを積んでしまう気の大きくなりよう。店を後にすると、忘れていた寒さに、傘を必要とする強さの雨。

シアターが並ぶLoopも見て回りたかったものの、雨が強く降っていたので、ホステルに戻ることを優先して、夜8時ごろ無事帰還。その後に、久々のシャワーを浴び、諦めきれないナイアガラ行きのためにバスでのルートを調べて夜中の3時、自室のベッドへと向かった。

今日の一曲

The Wisely Brothers - サウザンド・ビネガー
シカゴピザとともに口の中に残るビネガーの後味からの連想。


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