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アメリカ往復日記 #13|LAで訪れた偶然の再会

プロローグ

いつかの日記に、「旅の醍醐味は人との出会いと別れにある」、などと書いたっけ。それにもう一つ、「偶然の再会」というものも付け加えたいと思う。

駅のFamima!!で腹ごしらえ

3日間に及ぶ長旅を終えたSunset Limited号は、朝の6時過ぎ、終着駅のLos Angelesへ。駅構内をぶらつきながら、パンフレットを集めたり、スタバ前にてWi-Fiに接続したり、荷物預かりが4ドルだと聞いて回ったりする。いずれにせよ、空腹では戦にならないので、こちらも駅構内にある「Famima!!」で朝食としてバナナ2本を購入。

店内は日本のファミマとほぼ同じ。コーヒーとか、レジ横の肉まんのホットケースとかはこちら用に少しアレンジされていたけれども、その一角にバナナがどっさり詰まれたステンレスのかごがある。1本で89セント、2本で99セントということなので、であれば2本まとめての購入とした。

LAマラソンのスタート地点を目指す

エネルギーを補充すると、まずはLAマラソンのスタート地点、ドジャースタジアムを目指す。そう、LAに一日滞在する大きな目的は、来る3月に迎えるLAマラソンに向けて下見を行うことであり、これもその一環。スタジアムは丘の上にあり、上り坂に加えて意外と長かった距離。それと、12月末とは思えないほどの暖かな、場合によっては熱いくらいの気温によって、汗をかきながら休み休み進む。

ドジャースタジアムには8時ごろに到着したが、ショップの開店は10時らしくさすがに2時間も待つわけには行かないので、スタジアムの中は見られなかったもののひとまず撤退することに決め、本番のコースと同じSunset Blvd.を下り、チャイナタウンのドラゴンゲートを通過した後、Union Stationへと戻ってくる。

偶然の再会

と、ここで、見知った顔がちょうど駅から出てくるではないか。

前に会った時は持っていなかったコートをまとったその姿は、疑いようも無く、シカゴ行きの列車の中で出会った、生まれ年・出身が同じの彼だった。なんという偶然。向こうもわりとすぐに気が付いたらしく、驚きというより笑いがこみ上げてくる。

彼のほうはシカゴを経由して先ほどLAに戻ってきたところで、このタイミングにこの方向に駅を出ようと決めたのも全くの偶然。立ち話ながら、互いの旅の経緯を聞かせあい、再度、記念に肩を組んでの写真を撮る。今回は、背景にLAっぽいヤシの木を持ってこられたことは良かったのだけれど、軽い逆光で肝心な顔が少し暗い。

ただ、ここで写真をお願いしたおばあちゃんが非常に親切だったことから、ああ、カリフォルニアに戻ってきたんだなと実感し、一安心する。彼はこれから銀行に向かう用があるとのことで、私も私スマホの充電をしたかったことから、別れを告げてスタバへ向かう。(Facebookでつながったとは思うけど、もう少し話をしておけばよかったなぁ。)

Day Passで巡るダウンタウン・ハリウッド

店内にはカウンターがあって、パソコンを広げてスマホをコンセントに接続する。手に入れた地図と路線図をもとに検索開始。まずはDay Passを購入したのだけど、これで5ドルはお買い得すぎる。

Gold Lineに乗り込み、隣の駅まで向かうと、マラソンのコースに沿ってリアルトーキョーを散策。この街は何を持って作られたものなのか。

その後、MOCA、ミュージックセンターのダウンタウン内と、Red-Lineに乗った先でConvention Center(これはマラソン前日のEXPO会場なのでぜひ見ておきたかった)、とLAライブ、グラミー博物館と見て回る。

とここまで順調といきたかったのだけれど、ダウンタウンを歩いているうちだろうか、一休みするために床におろしたのバッグにガムが付着したらしく、それに気付かずもう一度背負った際に、今度はその箇所とジャケットが触れるところにまで汚れが移ってしまった。

またまた態勢を整えるべく引き返したUnion Stationのトイレにて汚れを落とし、そのまま再びFamima!!で再び(!)のバナナ2本とサンドイッチを購入して昼食とする。

次に向かう先は北。ハリウッドとUCLA。Red-Lineに乗り込み、Hollywood/Vine駅から歩こうと思っていたものの間違えて一個先のHollywood/Highlandで降り、でもWalk of Fameにて結果オーライ、すぐにマット・デイモンのスターを見つけられ、スパロウ船長にも遭遇し、Hollywood&Highlandにて、エスカレーターを上りかの有名な「HOLLYWOOD」という白の文字たちを覗いたのだけど、確かにあれが本物なのだなと感慨にふけりながらも、シンボルとして山に文字を並べてしまうなんて斬新だなと改めて感じる。

(数年後、Walk of Fameを再訪したときは、マリファナの臭いが立ち込めていて、なんだか治安が悪くなったように感じてしまった。)

WALK OF FAME
マット・デイモン
遠くにはボンヤリとHOLLYWOODの文字が。

さらにRed-Lineの先からシャトルバスに乗って着いたUSH、これこそが本場のUniversal Studio of Hollywoodであり、テーマパークの外にも各種お店や映画館やらが並んでいてそこをぶらぶら歩いたのだけれど、単なるテーマパークにとどまらず、最新の映像技術を体験できる場所となっていた印象。

UCLAを経由し、サンタモニカへ

再びHollywood Blvd.まで戻ってきた後は、Capitol Towerの回りをぐるりとし、その後はバスに乗ってUCLAまで。途中のバス停のポスターで、マット・デイモンの新作情報を知る。あとで要チェックだな。(と思ったが、結局観ていないと思う。。)

バスはスリルのある運転でキャンパス東側まで連れて行ってくれ、その後散策。UCLAショップを眺め、どうやらパビリオンではバスケの試合があるみたいでいくらか人が集まっていたし、その後Wilshire St.まで下ってSanta Monica行きのバスに乗り込み、ホステルの最寄りのバス停で下車。ここら辺一帯は買い物で賑わう地区らしい。ホステルの前を通過した後に、ひとまずピアの桟橋を見ることとする。海沿いのOcean St.にはヤシの木が連なり、多くの人が集まるゲートにて写真を撮る。

ホステルに戻るとチェックインを済ませ、ロビーにて充電しながら夕ご飯をどうしようかと考えていると、どうやら今日はホステル側が提供するスパゲッティが4ドルで食べられるらしく、ホステルのすぐ隣にあるイタリアンのお店も気にはなっていたのだけれど(LAマラソンの際に、カーボローディングのためにパスタを食べられるかという下見を兼ねたいと思っていた)、安さには負けた、ってことで一旦3階の部屋に荷物を置いた後、食堂へ向かう。

着くと、そこにはすでにスパゲッティを頬張る人がいるもんだから、どこにあるのかと思ってキッチンに入ってみると、大々的に作っているわけではなさそうで、隅の台の上に耐熱皿に盛られたものがある。お皿を持ってきて盛り付けるのだけれど、ミートソースの下にはきのこも入っているし、上に乗っかった良く焼けたチーズも美味しそうである。

本当にいただいていいのかな、と思いながらも食べた者勝ちだとも思って口に運ぶと、美味しい。一杯目完食の後に、他に誰もまだ食べてる人が見受けられなかったからおかわり、と思って先ほどの台に戻ると、すでに片付けられてしまっていた。というか、本当にあれだったのかな、だれかが個人で焼いたものだったら、たぶんその人にものすごく恨まれているだろうなと思いながら、食器を洗って食堂を後にする。

その後部屋に戻り、(というかこの時初めて入ったのか、)やるべきことは何かと考えをめぐらせ、重い体を引きずって洗濯を選択。フロントにて大量のクオーターを両替した後に、確か10ドル札を1ドル札6枚と残りをクオーターに両替したのだけど、洗剤を購入して洗濯機を回す。

夜の埠頭で感傷にふける

それからいよいよ夜の埠頭へ。夜9時を過ぎた頃ではあったけれど、親子連れも含め、多くの人でごった返していた。観覧車、バスケットボールのアトラクション、軒を連ねるレストランやお土産屋。そんなものを横目に見ながらデッキを渡り、ええ、楽しそうにしゃべったり写真を撮ったりしているカップルも大勢いたことで、この時、この旅において初めてだったかもしれない、一人でいることが寂しく感じられたのは。

一通りぶらりと歩いた後で、さっきの夕食がパスタだけだったってこともあって、何かしらを追加で食べようとは思っていたから、でもその場にあったTACO BELLにて簡単なものを買うことに。ここの店員さん、黒人の女性の方だったけれども、年末の夜寒い時間だったってのになんだかんだ対応が優しく、ちょうど感傷に浸っていたからだろうか、心が暖まったのを覚えている。

そしてまたこのタイミングで、ベンチに腰掛けながらTACO BELLのそれを頬張っていた時に、”tonight is the last”という男性ボーカルの歌が流れてきて、まさにこの旅のことを歌っているようなことがして、例の寂しさも押し寄せたがために、侘しさを感じた。

一日の終わりを迎える

ホステルに戻って、洗濯が済んだ衣類を乾燥機に移した際に、そこにいた日本人の女の子二人がアイロン使いたいねなんて話していたのをよそに、自分は日本人じゃないですよみたいな雰囲気を出していたのだけど、彼女らの前を横切って取りにいく必要があったから、「すみません」とぼそっと一声かけて部屋に戻る。

シャワーを浴びて身支度を済ませると、終わった乾燥機に向かい、今回は合格点と言える乾きだったのだけれど、部屋では10時きっかりにおじさんが電気を消そうとしてきたために1階の食堂へ移動し、そこにいた二人組みの男性が話すのを聞きながら、何かスナックをすすめられたのだけれどそれは断って、ネットでウダウダしているうちに彼らが部屋に戻っていったものだから、

脇にあったビリヤード台にて練習をしてみると、NYのホステルでやって以来だ、最初は本当にひどい出来だったのだけれど、回数を重ねるうちに確かに上達する様子が見てとれ、明らかに全ての球を沈めるまでの時間が短くなっていったものだから、というものの最初のほうがあまりにもひどかったというのが正しいのかもしれないけれども、途中でやってきたフロントの女性にこんな時間までやっているのかと驚かれたっけ、明日はただの移動日だしということで結局夜の3時ぐらいまでそこで過ごし、いよいよ部屋に戻ろうかという時にカードキーが見当たらないことに気が付いて、荷物をひっくり返して探すも見つからず、ベッドの上に置いてきたかの記憶も定かではないから、フロントに行きさっき通り過ぎた女性スタッフに聞いてみると、新しいカードを発行するから問題ないということで、おそらく古いものはパソコンでいじって無効にしたのだろう、ありがたく新たなカードを受け取り、無事に部屋に戻ることができ、歯磨きは2階のラウンジで荷物をあさった時に済ませていたので、そういえばこの時にもうひとり男の人がシャワーを浴びに来ていたな、布団へ早々ともぐり、目覚ましだけはきちんとセットしなくてはな、でもサンタモニカのビーチで日の出も見たいな、と思いながら、時間は確か4時前。(長すぎる一文)

今日の一曲

恋愛的なそれの意味ではまったくないのだけれど。
LiSA×Uru - 再会 (produced by Ayase)


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