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アメリカ往復日記 #1|車中2泊の道のりから幕をあける

はじめに

12月18日。カリフォルニア発・シカゴ行き。総移動時間は50時間で、車中2泊のCalifornia Zephyrが出発する日がやってきた。

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旅の荷造り

旅の荷造りは簡単だった。冬の旅だし、とりあえず下着と靴下だけは必要な数を詰め込んで、トップスは長袖のヒートテック、その上にTommy Hilfigerのセーターをかぶって、ユニクロのウルトラライトダウンとThe North Faceのジャケットを羽織れば準備は完了。マフラー、手袋のほかにヒートタイツも防寒用として備え、その他にジャージ、タオルと生活に必要なものを集めた。

最後まで悩んだのは、ランニングシューズを持っていくかどうか。もともとボストンの地を「adizero boston」を履いて走るのがちょっとした夢だったわけだけど、荷物として嵩んでしまうので、持っていくことを断念。

いざ、California Zephyrに乗り込む

列車が到着すると、他の乗客も集まってきて、係員の指示に従って順に列をなす。はたして、車中2泊でシカゴまで向かうという(無謀な)人はどれくらいいるのだろうか、と不安に思いつつ、アムトラック(アメリカの鉄道)のCalifornia Zephyrに乗り込む。

アムトラックでは、行き先を書いた紙を各座席上部の棚の縁に挟むのだけれど、周りを見てみると意外にもシカゴ行きの乗客が多い事がわかって安堵する。とあるCoach classの車両の最後部左側、Lounge Carがすぐ後ろに控える座席に陣取る。安心感と疲れのせいでシートに深く沈んでいると、列車は動き出す。

カリフォルニア州の州都・サクラメント駅へ到着すると、二人の男の子を連れた親子連れが乗車してくる。家族で一緒に座るために、誰か席を動いてくれと言うと、私が座っている座席のすぐ前の4つ分の座席に腰を下ろす。

席を譲る形となった乗客の一人、20代前半と思われる女の子が、私の座席の通路を挟んで反対側に移動してきた。ここには、もともとElko行きの青年が窓際の席に座っていたのだけれど、その隣の通路側に着席する。

彼女はなんというんだろう、鼻にピアスが空いていて、こちらアメリカだといけている女の子の部類に入るのかは分からないけれど、ぶっちゃけ少し苦手なタイプで、Elko行きの青年ともワチャワチャ会話を始める。

食堂車で夕食をいただく

それからというものの、ぼちぼち本を読んで過ごしていたが、眠りに落ちたためにあまり記憶がなく、次に覚えているのは夕食の時間。

California Zephyrは、主に2階建ての車両から成っていて、乗客が通常座るCoach classの客車のほかに、Lounge CarとDiner CarとSleeping Carで編成されている。Coach classの車両は、中央の通路を挟んで各列左右2個ずつ、計4つの座席が並んでいるのが2階で、1階にはトイレや荷物置き場、車両によってはlower levelの座席がある。

Lounge Carは、2階が展望車となっていて大きく開いた窓から広がる景色を眺める事ができ、1階には売店が入っている。Diner Carは、(探索できたわけではないので結局よくわからないのだけれど、)なかなか豪華な雰囲気を漂わせている食堂車である。Sleeping carはそのとおり寝台車だと思うけれども、敷居がお高いために入ることができなかったので、詳細はわからない。

その食堂車にて夕食をとることにして、どうやら予約が必要だったらしいのだが、この日は20時過ぎに行ったら入れてもらえた。カイルという青年と、もう一人のおじさんと同じテーブルに案内される。カイルはSalt Lake Cityへ、おじさんはDenverまで向かうとのこと。

Herb Roasted Half Chickenを注文すると、ミニサラダ、ロールパンとともに出されたその食事はお腹を十分に満たしてくれた。接客の態度が良いのか悪いのか、ナプキンとフォーク・ナイフをなかなか持ってこなかったり、おじさんが注文したペプシのことを完全に忘れていたり、かと思ったらロールパンを保存するためのケースが欲しいと言ったら、もう一個おまけしてくれたり。

実はこの段階では、シカゴに到着した後、西海岸に戻って、シアトルとポートランドを経由して、再びカリフォルニアに戻るルートを計画していた。

ただ、本当はこの頃からだったのかな、ここまで来たからには、やはり東海岸へ向かいたい思いが漲ってきていた。そんな中で、手持ちのノートに、東海岸の各主要駅を発着する電車の時間を書き並べて、ルートの変更ができないものか考え始めながら、初日の眠りへと落ちていった。

今日の一曲

バクバクなってる鼓動、旅の始まりの合図さ。
フジファブリック - 夜明けのBEAT


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