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敗色濃厚。それをフォローできるのがベテランの強み。九回2死。ロッテのラン角中選手が逆転サヨナラ弾
一打同点のチャンスがふいになりかけた。九回2死に追い込まれる。ここでどうフォローできるか。代打に送り込まれた選手には相当のプレッシャーだ。しかしロッテのベテラン、角中勝也選手(36)は慌てない。好球必打。逆転サヨナラアーチを放って勝負を決めた。敗色濃厚のチームを救った。これぞベテランの妙味といえるだろう。
24日にホーム千葉で行われたソフトバンク戦。味方の先発は佐々木朗希投手。侍ジャパンのWBC世界一に貢献し、今やロッテの若きエースだ。朗希投手の時には必ず勝っておきたい。
その絶大たるエースが初回につかまって1失点。この1点が重くのしかかる。ロッテ打線はなかなか同点に追いつくことができず、「ゼロ行進」。
「あれよあれよ」のまま九回まで0-1で来てしまった。相手は守護神オスナ投手をマウンドへ。
ロッテはこの回先頭のポランコ選手がライトへ二塁打を放った。代走のランナーが次打者の内野ゴロの間に三塁へ。同点のチャンスが広がった。一打同点だ。
しかし続く岡大海選手のピッチャーゴロで、三塁走者が飛び出してアウトに。リプレー検証でも判定は変わらなかった。
これで2死一塁に。同点のチャンスがしぼみかけた。「押せ押せムード」一転、「あと一人」に追い込まれる。
「敗色濃厚」のムードが漂う中、代打に送られたのがベテランの角中選手だった。初球。151キロの直球をファール。2球目。同じ内角高めに152キロのストレートが来た。
角中選手のバットが一閃。打球はロッテファンの陣取るライトスタンドへ飛び込んだ。逆転サヨナラアーチだ。ホームには味方選手の歓喜の輪が出迎えた。
一方、ソフトバンクの甲斐拓也捕手は茫然としている。勝者と敗者が入れ替わった劇的な結末を物語っていた。
プロ17年目の角中選手にとって通算62本目となる本塁打は、初のサヨナラ弾。「ホームラン自体あんまり打てないんで、ホームランなら何でもうれしいです」。
ベテランの放った起死回生の逆転弾。チャンスがしぼみかけても、味方をフォローできるところがベテランの強み。
オールスター後の上位対決で、ロッテはソフトバンクを3タテ。しかも2夜連続のサヨナラ劇だ。これで首位オリックスとのゲーム差を3に縮めた。
「真夏の夜の夢」。あまりに劇的すぎる結末。ベテランの一振りでもぎ取った勝利。チャンスがしぼみかけても、きっちり勝利につなげるチームは強い。ロッテがパリーグの「主役」になる勢いだ。
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