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交流戦開幕。阪神が楽天に「下克上」!「防御率1点台対決」は西勇投手がマー君に投げ勝つ

この時期になると、プロ野球はお祭り気分になる。交流戦が始まるからだ。そして開幕から、いきなり見応えある対決を見られた。防御率1点台同士の対決があったからだ。阪神の西勇輝投手(31)が楽天の「マー君」田中将大投手(33)に投げ勝った。セリーグ最下位の阪神が、パリーグ首位の楽天に勝つ「下克上」でもあった。

24日に甲子園で行われた阪神対楽天。マー君にとっては9年ぶりの甲子園。前回は2013年5月28日の登板だった。今季、マー君は防御率1.89とパリーグ4位につけて、交流戦に突入した。

対する阪神の西投手も負けてない。防御率1.87はセリーグ2位。セリーグでは1点台はチームメイトの青柳晃洋投手とともに2人だけだ。

1点台同士の対決は、予想通りに息詰まる投手戦となった。圧倒的なピッチングを見せつけたわけではない。走者を抱えながらも、要所要所を締めて、2投手ともにセロを並べていった。

五回を終えて、スコアレス。他の球場で行われた5試合は、前半の五回までに、いずれかのチームが得点を挙げていたが、甲子園だけはホームが遠い試合となった。まさに「防御率1点台」の名に恥じぬピッチングを、西投手もマー君も繰り広げていた。

五回までのピッチングだけで比較するならば、マー君に分があった。69球を投げて、許したヒットは4本。四球も一つだけだった。一方の西投手は86球を投げ6安打を浴び、2四死球を与えていたからだ。楽天はいつでも得点が取れるように見えた。

それでも、先に得点を挙げたのは、阪神。六回裏に、この先頭の中野拓夢選手が内野安打で出塁。2死後、5番大山悠輔選手の打席中に、中野選手が二盗を決め、好機を広げた。俊足の中野選手だけに、ワンヒットでホームに帰って来られる。

このピンチで大山選手と対峙するのは、マー君には嫌だっただろう。六回表の守備で、大山選手はレフトフェンスにぶつかりながらも、長打コースの打球を好捕して、ピンチの芽をつんでいたからだ。

そして、その流れは、打席にもつながった。カウント2-2からの5球目。マー君の投じた外角のカットボールが甘くなる。それを大山選手はセンターへ弾き返した。中野選手が三塁を回ってホームを踏んだ。

ベースカバーに入っていたマー君。先制を許した悔しさからか、帽子を右手で取ると、叩きつけるように、激しく振った。

そして、これが決勝点になった。マー君は6回1失点でマウンドを下りた。87球を投げて1失点。十分な成績だったが、西投手の粘りの方が上回っていた。

西投手は七回途中にマウンドを下りたが、リリーフ陣の好投で、今季3勝目をつかんだ。101球を投げて8安打を許したが、「防御率1点台」の意地にかけてホームは踏ませなかった。

試合は1-0で阪神が競り勝った。セリーグ最下位のチームが、パリーグ首位のチームに勝った。今季の交流戦、こういう「下克上」を見られるのも、面白味が増す。明日以降も楽しみだ。

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