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マー君にとってプロ初の珍事!「0奪三振」で勝利投手に。打たせて取る「技あり」の投球で7回2失点

この試合で不思議な光景に出くわした。楽天の「マー君」こと田中将大投手(34)のピッチングだ。マー君の投球と言えば、150キロ前後のストレートに大きく曲がるスライダーなどで、どんどん三振を奪うイメージ。そのマー君が三振を一つも取らずに打たせて取るピッチング。プロ入り後初となる「奪三振0」で勝利投手となったのだ。

2007年のプロ入り後、日本では楽天、メジャーではヤンキースで活躍。2012年には楽天で奪三振のタイトルを獲得した。日米通算2524個の奪三振をマーク。マー君の奪三振ショーをファンは楽しみにしているのだ。

11日に北海道で行われた日本ハム戦で、「パワーピッチャー」マー君にとって珍事が起こった。七回を投げ「奪三振0」で勝利投手となったのだ。

初回、先頭の郡司裕也選手からいきなりセンター前ヒットを浴びた。中日からトレードで移籍後、日本ハムで花が開いた「再生」プレーヤー。その勢いにマー君も押された形だった。

その後、送りバント、ショートゴロの間に走者が三塁に進んだが、後続をセンターフライに打ち取って初回を無失点で切り抜けた。

三回に先取点を奪われたが、最少失点で乗り切った。味方打線がすぐさま同点に追いつき、五回に勝ち越してくれた。

マー君は五回まで毎回走者を出す苦しい展開。五回には1点差に詰め寄られた。それでもゲームをしっかり作る。

六回はセンターフライ、ショートフライ、サードフライと打ち取って三者凡退に。七回もセカンドゴロ、レフトフライに打ち取った。次の打者がセーフティーバントを試みたが、マー君は慌てずに打球を処理してアウトにした。

7回85球の省エネ投球。9安打を打たれながらも2失点で切り抜けた。与えた四球はわずか1。安定感ある投球で無駄な走者を出さなかったことで、今季5勝目をつかんだ。

日米通算195勝目。マー君にとって奪三振0で挙げた勝利は初めてとなった。プロ16年目。新たなマー君伝説と言ってもいいだろう。

マー君は自身の投球を「全然ダメでした」と振り返ったが、しっかりゲームを作った投球は見事だった。これでチームは6連勝。4位の楽天は3位ロッテと8.5ゲーム差。10年ぶりの日本一に向けて、まずはAクラスに入って、ポストシーズンに進出することが不可欠だ。

「三振を取れないマー君なんて…」と思うことなかれ!苦しみながらもゲームを作る投球は先発投手の鏡だと思う。マー君の「技あり」のピッチングとたたえたい。

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