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人は生まれ変われる!かつては守護神。ソフトバンク・森投手がプロ10年目、465試合目で先発初勝利。プロ野球で最も遅い記録

この投手が誰にも踏み荒らされていない先発マウンドに立つのは不思議な感じがする。それでも、これが彼にとっての日常となりそうだ。ソフトバンクの森唯斗投手(31)がプロ10年目、465試合目にして先発初勝利をつかんだ。プロ野球史上最も遅い先発初白星。これまでのイメージを覆して、新たな姿を見せ続けてくれるだろう。

リリーフ投手としてプロ生活を送ってきた森投手。守護神として通算127セーブを挙げ、2018年にはセーブ王に輝いた。ブルペンからマウンドへ。このイメージが森投手に定着していた。

昨季ついに先発マウンドに立った森投手。9月16日の楽天戦だった。ただ、これは予告先発の投手がけがをしたため、急遽先発をまかされたもの。3イニングを投げただけだった。29日にも先発したが1回3分の2を投げただけ、本格的な先発とは言えなかった。

昨季のシーズン最終戦後に、藤本博史監督に来季からの先発志願を直訴した。プロで生き抜くために、先発投手の道を選んだのだ。

気持ちを新たに今季に臨んだ森投手。ただ春季キャンプ序盤に右足を痛めて離脱した。開幕は2軍でスタートしたが、ファーム3試合で2勝1敗、防御率0.48と抜群の成績を残して1軍に上がってきた。

そして27日に本拠福岡で行われた楽天戦に今季初登板を果たした。先発投手として。これまでリリーフ投手として投げてきたのに、1軍の先発として通用するのか?そんな疑問を抱く人も多かっただろう。森投手は「一発回答」で「YES」と返した。

この日の初回。先頭打者から空振り三振を奪うなど三者凡退に抑えると波に乗った。二回以降走者を置いても要所を締めるピッチングを披露。楽天のスコアボードに「0」を並べていった。

四回に無死二、三塁のピンチを背負っても慌てない。リリーフでは、こんな状況でマウンドに送られるのは多々あったのだから。

次打者の4番フランコ選手を空振り三振。2死満塁となった後は140キロのカットボールでセカンドゴロに打ち取って、危機から脱出した。これには右拳を握ってほえた。

0-0のまま六回を投げ切りマウンドを降りた。95球を投げ無失点。先発投手に合格点とされる6回3失点以内の「クオリティ・スタート(QS)」。森投手は十分すぎる成績を見せて、この基準をクリアした。

許したヒットは4本、6三振を奪った。そして特筆すべきは四球がたった一つだけだったこと。森投手はリリーフ時代に四球を出して自らピンチを作る場面が多かったが、この日は安定した投球を見せた。

「森投手に先発初勝利を」。この強い思いがホークス打線のバットに宿った。六回に一挙4点を奪うビッグイニングを作って、森投手に勝利投手の権利が生まれた。

七回以降はリリーフ陣4人を送り込んで、ソフトバンクがリードを守り抜き、5-3で競り勝った。

登板465試合目で森投手が先発初勝利をつかんだ。プロ野球史上最も遅い記録だ。

人は生まれ変われるんだ。周囲はこれまでのイメージにとらわれて、なかなか相手の変化を受け入れない。それでも周囲にこびりついたイメージを塗り替えて、成長することは可能なのだ。31歳、プロ10年目の森投手の活躍は、そのことを思い出させてくれる。

生まれ変わった森投手よ!これからも先発マウンドで光り輝け!

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