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「伏兵」の一打はランニング本塁打に。大会直前にメンバー入りの背番号「15」。 中京大中京が劇的発進。選抜高校野球の話

こんな選手が活躍する選手は強いに決まってる。選抜高校野球に出場している中京大中京(愛知)の背番号「15」。彼の放った一打は決勝の2点本塁打。しかもランニング弾だから、あまりにドラマチックだ。

1回戦最後の試合は中京大中京対専大松戸(千葉)。両校ともに、エースの力投で七回表まで0-0の投手戦。

試合が動いたのは、その裏の中京大中京の攻撃。死球で出塁した走者を犠打で送って二塁に進む。次の打者が倒れて、2死二塁に。

そこで登場したのは、左打者の背番号「15」の櫛田理貴選手(3年)。途中からライトで出場した選手だ。

カウント1-2から139キロの直球を一閃。左前に鋭いライナーを放った。左翼手が前進、ダイビングキャッチを試みる。しかし、ボールはあざ笑うかのように、左翼手をすり抜けて、レフトフェンスへ転々。

二塁走者のみならず、打った櫛田選手もヘッドスライディングで生還。ランニングホームランだ。均衡が破れて、中京大中京が2-0。

そして、先取点を守り抜いて、中京大中京が初戦を突破した。

今大会直前の変更で、櫛田選手はメンバー入り。昨秋は県大会、東海大会共に三塁コーチャーの役目だった。

監督からは「コーチャーで勝負するのか?もう一回、打者でやるのか?」と問われて、打者として挑むことを決意した。

身長165センチ、65キロと決して大きな選手ではない。しかし入学から体重を13キロ増やしてパワーをつけた。それが、劇的な決勝点を生んだのだ。

中京大中京は、最速151キロ右腕の畔柳亨丞投手(3年)が被安打6、12奪三振で完封した。

絶対的エースと劇的な「伏兵」のいるチームは「鬼に金棒」、優勝に向けて、大きな一歩を踏み出した。

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