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実力あるのに、ここにいるの?そんなあなたを応援したい。

時に、「この人ってすごい実力があるのに、なんで、このポストなんだろう?」と思うことがある。

いわゆる「役不足」ということです。役目が実力に不相応で軽いこと。それは、人に限らず、馬でも思う時がある。「置かれた状況で全力を尽くす」という言葉も良いけれど、やはり実力に見合った舞台で活躍してほしいと思う。

きょう、そんなレースを中京競馬場の最終レースで見た。

名前は「ロバートソンキー」。シンガポールの市街中心部にある商業地区の名前。劇場やギャラリーもあって、芸術の発信地でもあるという。

この馬はオスの4歳。昨年はクラシックレースの一つ、菊花賞にも出て、6着と好走している。

その予選的な意味合いもある神戸新聞杯というGⅡのレースで3着に入り、菊花賞の出走権を得た。

予選で好走し、本番も、十分に良い結果を残した。

年が明けて、今年初めてのレース。ロバートソンキーが出走したレースというと。

メイン競走の大きなレースと思ったら、全く違う。1勝クラスの馬が出る最終レース。

不思議に思うかもしれないけれど、ロバートソンキーは、昨年まで5戦1勝の馬でした。

重賞といわれる菊花賞、神戸新聞杯で好走したけれど、勝っていないので、自らの条件の「1勝クラス」のレースに出ることになったんです。

大舞台で結果を残していても、そういう現実の下で、ロバートソンキーは1勝クラスの馬が出るレースを走りました。

相手は、「いつかは大レースに」と夢見る馬たち。その多くは、夢かなわぬまま競走馬人生を終えるのが、ほとんど。

その中で、ロバートソンキーは1番人気で登場しました。レースは中京競馬場の芝コース2200m。出走は11頭。雨の影響で芝は荒れていて「不良」の状態。

ゲートが開いてスタート。ロバートソンキーは、やや後方で待機するような形。焦らないのか、焦らないのか。でも、見ている側はヒヤヒヤする。

最後の直線で、先行する馬が粘りそうに見える中、ロバートソンキーは外側に出た。鞍上の伊藤工真騎手が必死に手綱をしごく。加速モード。「相手が違う」と思わせるスピード。1頭また1頭を抜き去っていく。でも間に合うか?

ゴール直前でなんとか抜き去っての1着。勝ちタイムは2分18秒1。肝を冷やす感じだったけれど、何とか勝ち上がってくれた。

再び大レースに立つには、一つ一つ、勝ち上がっていくしかない。

でも、実力があるんだ。「日はまた昇る」。ロバートソンキーが再び、大舞台に立つ日を楽しみにしている。

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