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阪神・村上投手が7回まで完全投球も代打を送られ偉業ならず。勝利投手もスルリ。次回登板でプロ初白星を!

プロ生活3年目。阪神の村上頌樹投手(20)が7回までパーフェクトピッチングを披露した。「このまま完全試合か!」と期待は高まったが、なんと代打を送られて偉業の達成とはならなかった。後続の投手が同点を許してしまい、村上投手のプロ初勝利もスルリ。無念の結末となったが、次回登板でぜひともプロ初勝利を挙げてほしい。

12日に東京ドームで行われた巨人戦。阪神の背番号「41」がマウンドで躍動した。初回に3番打者から空振り三振を奪うなど三者凡退に抑えると、村上投手は勢いに乗った。

プロ3年目の右腕は1軍で通算4試合目の登板だった。昨年は1軍での登板はなし。今季2試合目で先発をまかされた。2年ぶりの先発マウンドだった。

阪神にとっては「うれしい誤算」だったろう。正直5回までもってくれれば「御の字」だったはずだ。

この試合、「ローテーションの谷間」で村上投手を先発マウンドに送った。2年前に先発を2回経験している。しかしいずれも3回までに降板している。阪神ベンチもヒヤヒヤの起用だったかもしれない。

しかし、この日の村上投手は見違える出来だった。好投が続く。三者凡退の山を築いていった。圧巻だったのは二回。侍ジャパンで3大会ぶりの世界一に貢献した岡本和真選手を空振り三振に斬って取った。智弁学園高(奈良)の先輩から奪った三振は村上投手には爽快だっただろう。6番の中田翔選手からも空振り三振を奪った。

味方打線は好投を続ける村上投手を援護したいところ。しかし四回に先頭のノイジー選手の放ったソロによる1点だけ。緊迫した投手戦が続いた。

1-0と「虎の子」を守ったまま迎えた八回の攻撃。岡田彰布監督は1死走者なしの場面で、村上投手に代打を送ったのだ。パーフェクト投球を続ける投手を変えざるをえない。しかしチームの勝利が最優先。指揮官の決断は仕方なかったのかもしれない。

これがパリーグだったら。指名打者制度があり、投手は打席に立つことはない。村上投手はそのままピッチングを続けていただろう。この日の村上投手は7回を投げて84球。まだ十分に投げられたはずだ。

阪神の選択は裏面に出た。代打を送ったイニングで無得点。しかも直後の守備で後続の投手が被弾して同点に持ち込まれた。村上投手から「完全試合」の偉業だけでなく、プロ初勝利もスルリと消えた。

試合は阪神が延長10回に勝ち越し、2-1で巨人に競り勝った。ただ村上投手には無念だっただろう。

海の向こう、アメリカでも「パ―フェクトゲーム」を続けながら途中降板というケースはある。昨年4月にドジャースのクレイトン・カーショー投手が七回まで完全投球を続けていたが、最後まで投げずにマウンドを降りている。

「あと6人」。村上投手もカーショー投手も偉業前にマウンドを降りるのは無念だったはずだ。

プロ初勝利が持ち越しとなった村上投手。それでも、この日の好投は阪神ベンチに最大のアピールとなったはずだ。先発のチャンスを次も与えられるだろう。

7回完全投球を披露してくれた20歳村上投手。村「神」様は阪神にもいるのだ!

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