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郷に入っては郷に従え。新天地で必要なのは適応力。ドジャース山本投手が2回3奪三振の上々のスタート。「ピッチコム」「ピッチクロック」。初経験もなんのその

新天地で最も必要なのは適応力だろう。かつての所属先でどんな成績を残していても、新たなステージでは独自の決まりがあるはず。そこにうまく順応しないと生き抜けない。日本から海を渡りドジャースへ移籍した山本由伸投手(25)。初の実戦となったオープン戦では、メジャー独特の作法にもうまくアジャストした。2回3奪三振と上々のスタートを切った。

オリックスからポスティングシステムでドジャースへ移籍した山本投手。海の向こう米国では、独特の作法がある。

捕手と電子機器を通じてサイン交換をする「ピッチコム」。そして投球間に時間制限のある「ピッチクロック」。メジャーリーグで初めて経験するものだ。郷に入っては郷に従え。日本のエースも、これに順応する必要がある。

山本投手は28日(日本時間29日)に、アリゾナ州サプライズで行われたオープン戦に臨んだ。相手はレンジャーズ。初の実戦登板だ。

メジャーの作法を苦にすることなく、山本投手は圧巻のピッチングを見せた。2イニングを投げ無失点の3奪三振。許したヒットは1本のみ。無死四球と安定していた。

山本投手はスプリットを駆使し三振を奪った。二回に先頭打者をカウント0-2と追い込んでから、遊び球なしで3球勝負。最後はストンと落として、バットに空を切らせた。

2死後も落ちる球で空振り三振を奪って、この回を三者凡退にした。順調すぎる2イニング目。アウトカウントを間違えたのか、マウンドに戻ろうとした。味方ベンチから「戻ってこい」というジェスチャーを受けて、山本選手はベンチへ笑顔で戻った。

スプリットについては、キャンプ序盤で苦労していた。初日のブルペンでは、高めにすっぽ抜けることがあった。キャンプ地のアリゾナ州は乾燥しており、投げるボールは滑りやすい。これをいかに調整していくか。

山本投手は投球を重ねて、徐々に感覚をつかんで、スプリットを「メジャー仕様」にアジャストしていったのだ。実戦初登板はボールに対しての適応力が試されたが、山本投手は2回無失点という好結果で「一発回答」した。

会場には大谷翔平選手(29)の姿もあった。自らの練習を終えた後、車で30分の球場に駆け付け、山本投手のピッチングを見守った。後輩山本投手の堂々とした投球に、拍手を送るなどした。

その後、大谷選手は自身の結婚を発表している。山本投手の好投は、発表するムードを盛り上げたに違いない。

山本投手と同じく、オリックスから移籍しメジャーリーグでプレーした長谷川滋利さん(55)は自らの野球経験を通じた「適者生存-メジャーへの挑戦」という本を書いている。アメリカに適合できる者だけが生き残れるという内容だ。

山本投手も、「ピッチクロック」などのルール、メジャー球への対応など、適応すべきことは多い。このオープン戦で、山本投手は「適応OK」という回答を結果で残した。

3月にメジャーリーグのレギュラーシーズンが開幕する。変化に適応できることを証明した山本投手。圧巻のピッチングをこれからも楽しみにしている。

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