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エッセイのほう

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野蛮で図々しくてくだらないことを書いています。400字~2000字くらいでしょうか。
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#抗がん剤治療

『ほう』

「ほう」と感心してみましょう。 何ごとも「ほう」から始めてみましょう。「ほう」には含みが持たせてあります。一例をあげましょう。「ほう」と言いながら、その間に脳をフル回転させて見ましょう。二の句が出てこない時の時間稼ぎの「ほう」です。そのわずかな時間で失言も防げるでしょう。 また、よりよい対人関係づくりの為の一歩だと思って、毎日トーンを変えて「ほう」の練習を心掛けてみましょう。リラックスして反響する風呂場がいいのではないでしょうか。そこから、メロディーが出てきたら儲けものです。

『5クール。110日目』

足の裏の脱皮がほぼ終わった。最初はどうなるのかと思ったものだ。蝉が鳴く季節のまえにいち早く私のほうが脱皮した。足の裏に柔らかさが戻った。ひび割れて歩くことに難渋する事もなかった。梅雨のおかげでもある。 最近は、とうとう私の野面をnoteでさらしはじめた。あまりにも荒れてきていたからだ。「こうなってしまうから、みなさん気を付けて」という、意味でもあるのだ。しかし、最近のスマホの解像度の高さに私はひいている。出先のスマホで撮って「まあ、こんなもんか」と、呟いてアップする。家に帰

今日は1日飴と暮らす。それと水分とサプリ。『腹下り』には、ファスティンしかない。そして、私は飴を舐めて入れば48時間くらいの空腹は耐えられる。

『5クール。108日目』

点滴の副作用の吐き気止めの薬を半日服用するのが遅れた。この薬は私には関係ないのではないかと思ってもいた。しゃっくりはとまらないし、このくらいなら耐えられるだろうとも思っていた。が、吐き気としゃっくりの同時攻撃の威力はなかなかのパワーである事が分かった。「うぐうぐしゃっく、うぐうぐしゃっく」、がとまらない。 まったく関係ない話をしたい、突然思い出してしまった事がある。私は 、アン・ルイスの『woman』という曲が好きなのだ。しかし、アン・ルイスはもう、リタイアしているはずだ。

顔がかなり荒れてきたので公開しよう。結構荒れている。抗がん剤の副作用と下痢止めの副作用と49歳の正しい作用の野面マスク顔だ。これで、中坊主だ。「髪ぬけてきたろ」と、母親が訊ねてくる。それはそうだ、両親ともに軟毛なのだ。そもそもこの頭は抜け毛対策だ。パソコンのアップ顔はかなり酷い。

『5クール。107日目』

5クールに入った。このクールでひとつの区切りを迎える。学期末のようなものだ。5クール後のCT検査で落第するかも知れない。大小6の肝臓に転移した癌は果たしてどうなっているのだろうか。大きくなっていたり、増えていたりするとしたら、数か月分の医療費は『ぱぁ』に等しい。「この抗がん剤は効かなかったようだね」、とはすんなりいかない。私は貧乏なのだから。もともと『がんかわいがり』とは博打なのだ。それは理解しているが、せめて現状維持であって欲しい。無駄骨では、私の尻がかわいそうだ。 貧乏

『4クール。106日目。最終日』

のどが、からからで目覚める。下痢止めをアメリカ式(4錠)に倣って服用したからだろうか。今日、明日はなにも食べない。幾種類かの飴とサプリと水分だけのつもりだ。食べなければ『腹下り』には傾かない。じつは簡単な話なのだ。頬と額あたりの私の顔が荒れてきた。これは下痢止めの副作用だ。できればこれ以上服用したくない。これから私はあばた顔になるのだろうか。身体はふらふらしている。 35℃予想がでている。私はそれでも、腹巻とホッカイロで腹を温かい状態でキープしようと思う。1日半食事を取らず

『4クール。105日目』

まずまずの体調に戻った。ただし、文字どおり尻に火が付いているので、数時間は座っていられない。オリジナルブレンドのワセリンで消火活動をしなければならない。25日はリクライニングチェアとはいえ、朝から16時頃までの点滴が待っている。座りっぱなしになる。耐えられるのか。 梅雨がはじまった。よい事をひとつみつけた。軟毛の私にとってこの時期の湿気は大敵で、髪型には苦労していた。くるりんとしたくせっ毛がゴーヤのつるのように自由奔放に暴れていた。髪はいつもくしゃくしゃだった。その悩みが坊

『4クール。104日目』

昨夜、就寝前にひとつの対応策を実施した。 下痢止めの乱れうちだ。万策尽きた私のあがきくるしみの果てのイケナイ賭けだ。決して真似はしてはいけない。『腹下りマイスター」の私だからできる荒業だ。 ただいま朝7時。いまのところはいい。しっかり眠れたので尻の痛みも和らいだ。下痢止めの乱れうちの詳細は書けない。それほど、異常な量の薬と漢方と整腸剤と睡眠薬を同時に身体に入れた。朝の気分はいい。便意もない。 あのまま放置していたら、私の腹は壊れていた。昨晩の就寝前には10分に一回、トイレに

『4クール。103日目』

そして『腹下り』はつづく。 タンニンを取るべく葡萄を食べた。また、オリゴ糖を取るべくプレーンヨーグルトにオリゴ糖をかけた。下痢止めも、5時間おきくらいに飲んでいる。 腹と腰にホッカイロを貼った。強ミヤリサン錠をポリポリ食べた。ぬか漬けも食べた。尻は猛烈にひりひりしている。 夜中にトイレに10回以上は籠った。マッハで便意がくる。いつ漏らしてもおかしくない状況だ。危うい瞬間もあった。そんなときには直立不動の姿勢を取る。すると、便意が引くときがある。便意が戸惑っているのが手にとる

『4クール。102日目』

時間差攻撃といっていいのだろうか。今日、『腹下り』がはじまった。 4クール目の抗がん剤の服用は火曜日で終了している。抗がん剤は3日間は身体にとどまると聞いてはいる。とはいっても私の『腹下り』は一度はじまってしまうと容易には『腹止まり』には傾かない。 『腹下り』のまま、5クール目に突入する可能性もあるのだ。 ヨーグルトをローテーションで廻していたけれど、急遽『ナチュレ』を明日から投入してみよう。急な寒暖差で体調を崩したのかも知れない。 やはり、『がんかわいがり』は難しい。なん

『4クール。101日目』

昨日は、終日軟体人間として『ぐでんぐずんだるん』と過ごした。 軟体人間の本領を発揮してみせた。誇らしい、それでこそ私だ。一日中寝ていた気がする。その、余韻が今もある。 そんな私は尿意に起こされて、朝6時からこうして文章を書いている。日記とはそういうものだろう。いや、違う。「今日は、もう、終わっちゃたのかなぁ」「馬鹿野郎、まだ始まってもいねえよ」だ。日記とは一日の終わりにリターンして書くものだ。『日記リターン』か。ああ、北野映画がアマプラに入らないかなぁ。断捨離で色々もうない

『4クール。100日目』

4クールの服薬期間最終日に鼻血が出た。 おしい。もうすこしだったのだが。4クール、100日目といっても、昨秋の、一度挫折した抗がん剤治療は入れていない。二度目の抗がん剤治療の100日目だ。キリはいい。祝福の鼻血も出た。なんだそれは。 最近は恐ろしくて体重を計っていない。『腹下り』を利用して体重を落とす予定が、喜ばしいほうに狂ったからだ。痛し痒しといったところか。明日から6日間は休薬期間に入る。場合によっては『ファスティングフェス』の開催を宣言しなくてはならない。 ヨーグルト

『4クール。98日目』

24時間前にできあがった無調整牛乳で発酵させたヨーグルトは、牛乳感が消えていた。私の好きな酸味風味のさっぱりに傾いていた。24時間の経過がそうさせたのか。一日寝かせると、こうも違うのか。驚いた。 パックの底に『酸味さっぱり風味』が残り易いのか。若しくは、もっとしっかり混ぜないといけないのか。謎は深まる。すると、私の手が牛乳パックの口にあたり、雑菌の侵入を許しそうで怖い。 結局、1リッターのパックを24時間で平らげた。『腹下り』もない。上々のすべり出しだ。 続いての、『森永