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学生/若者ユニオン座談会 vol.2(後半)

昨年11月に学生/若者ユニオンの座談会vol.1(前半)を公開して、既に8か月も経ってしまいましたが、座談会vol.2(後半)を公開します!
メンバーのユニオン加入経緯や今後やりたいことなどぜひ読んでみてください♪

前半はこちらから読めます↓

ユニオンに入った経緯ともともとの労働組合のイメージ

はなえ:じゃあ次そらお願いします。

そら
そら:はい!もともとサークルの友達のはーちゃん(はなえ)が組合で働いているのを聞いて組合に入りました。サークルはSpeak Up Sophiaっていって、性暴力とかクィアの権利についてみんなで勉強したり、広めたりする活動をしてて、そのサークルの先輩のパートナーが自分と同じスタバで働いてたから、はーちゃんのすすめもあって、スタバのユニオンをつくろうってことになりました。8月に1回目の団体交渉をしたんだけど、主な要求としては賃上げと、イスの設置、休憩スペースの拡大、制服の支給化、あとはアメリカとかのスタバだとエプロンにピンバッヂをたくさん着けてお客さんとのコミュニケーションにつなげるみたいなのがあるんだけど、日本だとアクセサリー全面禁止だからその着用許可を求めたりしました。もともと自分の母親がキャビンアテンダントの組合活動をやっていたからなんとなく組合活動は知ってたけど、年齢が上の人がやるイメージがあって、自分がやるイメージがついてなかったけど、はーちゃんがやってるのを見て、自分でもできるかなと思いました。

はなえ:ありがとう!関心はどんなことにある?

そら:関心は、フェミニズムと、クィアアクティビズムにあって、自分はノンバイナリーなんですけど、昨日もインタビューを受けてクィアについて語りまくりました(笑)

はなえ:お~!!スタバとは団体交渉やってみてどう思った?

そら:弁護士さんの頭の回転が早くて、よくしゃべるな~って思った(笑)あと、自分の店舗の管轄のエリアマネージャーが、普段はすごく頭が良さそうに喋るのに、団体交渉では全く喋らなかったから、こういう場では話さないんだな~しめしめ、と思った(笑)

はなえ:上には弱いってことか。

しほ
はなえ:じゃあ次しほさんお願いします。

しほ:ユニオンは父がマルクスの研究をしていて、社会主義のこととか色々話してくれるので、その影響が大きいです。今大学1年生なんですけど、「サークルもいいけど、ユニオンみたいな活動に参加してみるのもすごく意義があるから参加してみたら?」と言われてフードバンクのボランティアから入りました。

たむ:この間やった争議ってどんな感じでしたっけ?

しほ:えっと、チェーンのラーメン屋で働いてたんですけど、辞めた後に給料が支払われなくて。もともと上司の高圧的な態度で怒ったり、理不尽な説教をしてきたりして、それが嫌でもう会いたくないからLINEで辞めるって言っちゃったんですけど、変な辞め方しちゃったから、電話したり、直接店舗に行って給料もらうのもちょっと怖いなって思っちゃって、そのままもらえなくてもしょうがないかなって思ってたんです。でも親に言ったら、組合に入ったんだから交渉しなって言われて。要求書送って、無事先日給料が振り込まれました。

はなえ:最初交渉はしたくないって言ってたけど、なんでしようって思ったんですか?

しほ:2万円ちょっとだったんですけど、それくらいならいっかなって思うくらい、会社の人に会いたくなくて。制服返すのも郵送でやったくらい対面で会うのは嫌で。会わなくても書面で解決できると言ってもらえたのが良かったです。

はなえ:結果やってみて良かったですか?

しほ:良かったです!

はなえ:もう2万円使いました?

しほ:使いました!

みんな:(笑)

はなえ:じゃあ次かねこさん。

かねこ
かねこ:ぼくはもう6年くらい前の大学1年の時に、ユニオンで活動していた人に誘われて、日本三大貧困街のさんやの共同炊事に行きました。もともと原発とか核兵器とか平和運動をやってきたんですけど、それを機に労働運動って大事なんだなって気付いて始めたっていう感じです。最近はパレスチナの件で、昔の歴史をさかのぼって色々調べたりしてますね。

とみつか:日頃は何をされてるんですか?

かねこ:今は組合くらいでしか活動できてないですけど、前は原水爆禁止運動で核兵器禁止条約に日本を批准させようとか、そういうのをやってました。今一応院生で博士課程で研究もしてて、あまり社会的な人間ではないです。

みんな:(笑)

たむ:院生ってのは社会から隔絶された存在だからね(笑)
原発の関心はどこから来たんですか?

かねこ:塾の先生が被爆2世で、その影響がありましたね。平和運動の他にも色んな話をしてもらって、習ったことを親にぶつけて対立してバトったりしてました。

みんな:(笑)

たむ:親御さんはけっこう保守的なんですか?

かねこ:一般的にはリベラルだけど保守的なとこもあるかもね。

はなえ:最近も実家に帰った時にお父さんを叱ってるって言ってましたよね(笑)

かねこ:父親はもうだめだね。

みんな:(笑)

かねこ:やっぱ亭主関白的な、昭和的な感覚がまだあって、家事はやるはやるんですけど、自分のやることをすごい小さい領域で決めて、それ以外はもうやらないみたいなこととか。「それはしょうもないよ」とか言ってます。

たむ:あるよね~。うちの父親も家事しなかったから、やれば?って言って直させました。

とみつか:そういう環境で育ったら、それが当たり前みたいになるんじゃないかって思うんですけど、なんでそこでおかしいって思ったんですか?

かねこ・たむ:なんでだろうね?(笑)

かねこ:うちはたぶん共働きっていうフェアな条件の中で、母親だけが家事をしてるっていう状況が不思議だったのかな?わかんない(笑)

たむ:うん。母親ばっかやってるっていうのがおかしいなって思ったかな。

はなえ:そっか。かねこさんは元々の組合のイメージとかありました?

かねこ:全然なかったですね。企業別組合のイメージくらいしかなくて、いいイメージも悪いイメージもなかったです。

はなえ:みんなそうなんだね。いいイメージも悪いイメージもなく、ただ知らない。じゃあ最後にとみつかさんお願いします。

とみつか
とみつか:私も交渉の経験はないんですけど、大学1年の時にコロナ禍に入ったので、出身の福島でオンライン授業を受けてて、その時に働いてたコンビニで、当時は何も思わなかったんですけど、今思うとやばいなって思うのが、シフト希望を聞かれず、勝手に入れられてたんですよ。夏休みとかも店長が自分が夏休みだってことを把握してるから、めっちゃ入れられるんですよ。ふつうに8連勤とかしてました。

みんな:8連勤!?

とみつか:従業員が少ないので、空きが出たらそこも埋めないといけなかったり、アルバイトなのに揚げ物とか肉まんとかの売り上げを求められたりするんですよ。休憩中も座りながら手作業しないといけなかってり。なのに福島だから賃金800円ちょっととかなんですよ。

はなえ:やば。

とみつか:楽しい部分もあったから良かったんですけど、今思うとおかしいなって思います。今は労働組合をテーマにして卒論を書いていて、でももともとは個人加盟組合は知らなくて、組合と言えば企業別組合のイメージがあったので、悪いイメージというか、労働組合ってなくてもいいんじゃね?くらいに思ってました(笑)労働基準監督署もあるし、労働法で守られてるし、個人でもなんとかなるんじゃね?と思ってたので、なくても良い派だったんですけど、調べていくうちに個人加盟ユニオンとかを知って、これなら革新的で今の時代に見合ってるんじゃないかと思って、そこに焦点を当てて今は書いてます。書くってなって、ゼミの先生に、「実際に行ってみれば?」って言われたので、来ました(笑)主に皆さんの団体交渉や裁判に参加しながら組合について勉強してます。

ほくと:なんでたくさんユニオンがある中で青年ユニオンを選んだんですか?

とみつか:読んだ文献の中に名前がたくさん出てきたのと、ホームページ見て、楽しそ~って思ったからです(笑)

みんな:(笑)

たむ:何が楽しそうって思ったの?

とみつか:学生ユニオンがあることとか、労働問題のことだけじゃなくて社会運動的なことも幅広くやってるように見えたことですかね。

はなえ:実際入ってみてどうですか?

とみつか:楽しいです(笑)知らないこと学べるし、論文読んで調べるよりも、実際に入ってみて良かったなって思います。

ほくと:経営側の論理も分かるって前に言ってたけど、それは今も変わらないんですか?

とみつか:そうですね。ゼミで学んでたのは労使関係だったので、複雑ではあります。

はなえ:でもスタバの団体交渉の後めっちゃ怒ってませんでした?(笑)

とみつか:はい。(笑)

みんな:(笑)

とみつか:やっぱり机の上で勉強してきたことと実際に経営者や使用者が喋ってるのを見ると「なんだこの人たち?」と思いましたね(笑)

はなえ:組合の活動で今のところ一番印象的だったのは何ですか?

とみつか:う~ん。最賃上げろデモですかね。テレビでは見たことがあったけど参加するっていう発想がなかったので誘われたときは戸惑ったんですけど、いざ参加してみて、あ、先頭に立ったんですけど(笑)

はなえ:初デモで先頭(笑)

とみつか:最初は新宿でたくさんの人の目にさらされて、自分がすごく弱い者になった気がしたんですよ。声を上げなきゃ誰も見てくれない存在みたいな、だから声を上げてます、みたいな、気持ちになったんですけど、後からデモを見て混ざってくれた人がいたりとか、今年の最賃の全国加重平均が1000円に到達したとか、間接的かもしれないけど、きっかけとして意味があったのかなって思うと、やっぱり声を上げて行動しないと何も変わらないんだなって気付いて。だからあの時デモに参加して良かったです。

はなえ:めっちゃいい話!(笑)

今後の展望

はなえ:じゃあ最後にみんなから今後ユニオンでやりたいこととか展望みたいなものがあれば教えてください。

そらみ:勉強会かな。自分1人で何かを勉強する時よりも、学ぶモチベーションが上がるから、労働運動とかクィアについて勉強会やりたいなって思ってます。

たむ:学生の争議はずっとやりたいって言ってるよね。あやのさんも最初はやるつもりなかったけどやっぱりやろうってなったわけだし、そういう人が増えたらいいなって思いますね。学生アルバイトでも、「おかしくね?」って思ってる人まあまあいるんじゃないかって思うからそういう声を拾い上げていきたいなと。

ほくと:大学の門前で宣伝とかしたいですよね。

たむ:大学の前で労働相談やってたこともあるって聞いて、すごい楽しそうだなって思いました。

はなえ:ずっと言ってるけど、私は文化的なイベントがやりたいです。音楽とか、アートを融合させて、今の労働運動の古くてダサいイメージを払拭して、街宣とかデモとかも、労働運動に関心がない人でも、「なんか面白そうだな」って思って別ルートから入って、労働者の権利について知るきっかけになるようなイベントとかやりたいです。

かえで:ぼくは他の組合とか市民団体とつながってなんかやりたいですね。路上とか公園でわっと盛り上がるようなものをやりたいです。数百人とか数千人規模のものを体験してみたい。

しほ:フードバンクまたやりたいです。他の団体交渉にも参加してみたいです。

はなえ:うんうん。じゃあ今日はこれで終わりにしましょうか。ありがとうございました~!


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