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火花 《詩》

「火花」

火花は消えなくてはならない

詩は乱れてなくてはならない

心を強く支配するものに
技巧性は無い

僕を引きずって行こうとする 

見えない手がある地点へと導く


ふらふらと揺れ動く

相反するふたつの想い

其れは本質的な葛藤では無い

僕が人為的な衣を脱ぎ捨て

暗闇の中の幻聴を
正しい言葉だと知る時

不必要な色彩は排除される

乱れた感情の文脈の中に真実は眠る

花火の鮮やかな火花が夜空に舞う

火花は消え去り想いは残る

ひとつの静かな認識が
僕等を繋いでいる


僕等は愛し合わなくてはならない

詩は乱れてなくてはならない

自我との正面的な
対立こそが花火であり

外なるものの

脅威に追われて火花は燃える


火花は消えなくてはならない

そして其の後には 

限り無く乱れた
純粋な言葉だけが残る


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