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小さな炎 《詩》

「小さな炎」

僕の足元に

寡黙な陽だまりを作り出す太陽

時間は更に緩やかに流れる


君は猫の様に

暗い穴を覗き込んでいる


其の先にあるものは

君の瞳にしか映らない

その暗い穴には

深い暗示が隠されていた


「今日死んでしまえば 明日は死なずにすむ」

君はそう言葉にして囁く


其処はいつまでも

君が居る場所じゃない

何度も君にそう呼び掛ける

僕等はきっと

何処かに行く事が出来る

君は僕の一部を持っていて

僕は君の一部を持って生きている


僕は心の中にある小さな炎の燈を

手のひらで大切に囲み

時折吹く風から守っていた

消えない様にずっと 


陽の落ちた後の通りには人影は無く

僕は振り向かずに歩き始めた 

君の元へと

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