樹木の影 《詩》
「樹木の影」
垂直な壁に映る樹木の影
其処にはあるのは
自分では無い誰かの影か 幻想か
言葉は投げかけられ消えてゆく
並列的に並んだ美質と欠落が
境界線を超え存在する
其の延長線にあるものは
樹木では無く私自身だった
解析不能な特質は決して
開かれる事は無い
定規で線を引く様に綺麗な均整
其れと同種の物を身体に纏う
血肉にもならない言葉の羅列に
埋もれてゆく
私は存在の狂気を書き留める
瞳を閉じて瞼の裏に
いずれ散りゆく花を見た
自我を自己の中に
塗り固めた垂直な壁
映る樹木の影が今 全てを語る
ついておいでよ私に
影は揺れる
影は揺れる
影は揺れる
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