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記憶の庭園 《詩》

「記憶の庭園」

僕は其処に

ひとつの季節の匂いを感じていた

現実と幻想の境目

僕が死んだのは
もう一度再生する為だ


そうやって全ての事柄は

死に再生する

生命の萌芽を湛えた空が

海に溶け落ちる

其処にはどの様な地点も無く

時間の感覚さえも無い

死の無いところに再生は無い 

そう彼女は静かに囁いた

永遠とは
終わりなく何処までも続く道


僕は記憶の庭園で

彼女と会話を交わした

小さな声で別れを告げた 

其れはあの日の僕等の姿だった


都心を少し離れた庭園

彼女の最後の嘘が

其処にある優しさが再生される

僕が全ての真実を知った時には 

もう 目に見える世界での

彼女の存在は失われていた

そしてまた 僕も再生する

再び君と出逢う為に


あの日と同じ
季節の匂いを風が運び 

花びらが舞う

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