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喪失と再生 《詩》

「喪失と再生」

どことなく重たげな色合いの夜の闇

星は見えない 

夕暮れ時の淡い青が静かに消えて行く

流離う様な
細かな霧の湿り気を帯びた風

俺の前を横切りながら

落ちる其の線を

雨だと認識するまでに

少し時間がかかった

雨足は僅かずつではあるが
強さを増して行く

其の雨と俺は同時に

同じ場所で生きていた


自然の証 

いつしか去っていった
彼奴と同じ様に

俺は其れをあるがままに

受け入れるしか無い 

雨もいつかは止む

確かにあった ある種の絆により

俺達は強く結ばれていた

特定の時間と特定の空間を
通過して行く雨や風に似ていた

過去に構築された城の精妙な
再現の中に取り残されている

喪失と言う言葉の意味は…

俺の中のひとつの象徴が

現実的には消えてしまった

俺達は一過性の

消耗品的な存在であった訳では無い

其れは今に至る為に

必要な事だったと信じている

彼奴の苦悩と煩悶は
俺自身の想いと合致し

彼奴の言葉は俺自身の言葉だった


お前の好きなジムビームと
俺の好きなカティサーク

現実逃避を目的とした

酒やドラックの濫用

制御不能な秩序と混沌の間を
不安定に揺れ動く

俺達は再生と言う言葉の意味を探していた

お前の眠る海は今日も

陽の光を受けて輝いている

お前の分まで書くからよ

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