一人称 《詩》
「一人称」
私は…で始まる
一人称の文章を永遠と書いていると
何故だか警察の
取調べ室での調書みたいだと
妙な風景と其処にある
終わりの無い長い時間を思い出す
調書に文学性を
求められては居ないのはわかるが
書き上げた調書を読み上げるのを
ただ退屈に聞かされる
絶望的に感情の欠落した事柄だけが
時間軸に従い記されている
其れを警察の上官に提出して
添削され赤字で修正及び追記項目を
記載されまた書き直す
そして出来上がった調書を今度は
僕自身の字で清書して提出する
これから先は検察側の仕事だと
警察は事実を文章化し
検察署に提出するだけだと
無駄な時間だ
其処にあるのは適当な
都合に合わせた事柄だけで
真実なんて何処にも無い
何処かのラッパーが
退屈か憂鬱か
取調べ室で FUCK YOU…
そんなリリックを書いていた
LIFE STASH 闇とフルムーン
こうしてればなんて 今更の過去
世に恥じようとも天には恥じず
誰にも理解されなくても
通さなくてはならない筋もある
世の中の風は右から左に
抜けて行く それだけの事だ
世論形成とは漠然とした
コンセンサスの様な物の集合体で
其れが必ずしも正しいとは限らない
余りにも安易に
物事が水に流されて行く
貴方は幸せですか その問いに
いったい何人の人が幸せですと
答える事が出来るのだろうか
世に恥じようとも天には恥じず
私は…で始まる
一人称の文章は永遠に続いて行く
Photo : Seiji Arita
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