血 《詩》
「血」
調和を重んじて生きる風と
自我の宿命が交差する
世界の環は
既に閉じられ回避と逃避の中
説明さえつかない弁明を続ける
其処に流されたリアルな血が
ただ虚空を睨み付けていた
ほとばしる血には勝利も敗北も無い
無縁な世界の光が
剣の様に僕の心を刺し貫く
背景に描かれた街には
消費が美徳と言う
価値基準を持つ人達で溢れていた
大義名分を掲げ容赦なく断罪を下す
あの日の輪郭に腰掛け
小さな揺れる花を見た
僕は手を伸ばしたが
花は僕の手の少し先にあり
掴めなかった
君の気配が空気の中に
まだ残ってるのを感じている
小さな揺れる花を見た
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