先延ばし屋の頭の中
今日はTed Talksから「Inside the mind of a master procrastinator (先延ばし魔の頭の中はどうなっているのか)」というティム・アーバン氏によるスピーチをシェアしていきます。
先延ばしって誰でもしちゃいますよね。
なので皆さんにとって知って損はしない情報だと思います。
日本語字幕もあるので、興味のある方はぜひ見てみてください。
(動画は約14分です)
では始めていきましょう。
先延ばしする人とそうでない人の頭の中
スピーカーのティム・アーバンさんは大学時代、政治学専攻だったので、たくさんのレポートを書く必要がありました。
しっかりとした学生がレポートを書くとき、はじめはゆっくりだけど最初の時期から十分に進めておいて、後半は多少負荷が大きくなっても無理せず進められる状態が保たれています。
もしくは逆もありえますね。
最初の負荷を大きめにして徐々に減らしていって進めていくパターン。
どちらにしても、共通しているのは「計画的に進めることができている」ということです。
誰しもが同じように計画的に効率に課題やプロジェクトを進めたいと思っているはずです。
でも皆さんもお分かりの通り、多くの人は期限の前日あるいは数日前になってようやく課題に取りかかります。
計画的に進めたいとは思うけど、毎回こうなってしまいますよね。
スピーカーのアーバン氏は普通なら1年かけて書くべき90ページの卒論を期限直前の3日間で2夜連続でオールして終わらせた強者です。笑
出来が悪すぎて、一週間後に学校から呼び出されたそうです。
そんな先延ばし魔のアーバン氏は「先延ばし屋の頭の中で何が起きていて、僕たちがどうして先延ばししてしまうのか」を世の中の先延ばし屋ではない人たちに説明したいと思い立ち、先延ばし屋とそうでない人の違いを探し始めました。
これが先延ばしをしない人の脳です。
(Rational Decision Maker: 理性的意志決定者)
これに対し、先延ばし屋の脳はこれです。
(Instant Gratification Monkey: すぐにご褒美が欲しいサル)
これが違い。
どちらにも理性的意志決定者がいますが、先延ばし屋にはそれに加えて「すぐにご褒美が欲しいサル」も同居しています。
理性的意志決定者:「少し仕事しておいた方がいいね」
すぐにご褒美が欲しいサル:「やだね」
こんな感じに理性的意志決定者は何か生産的なことをするという理性的な決断を下しますが、おサルさんはそれが気に入らないので、舵を横取りして好き勝手し始めます。
おサルさんは今この瞬間だけを生きています。
過去の記憶も未来についれの知識もなく、ラクで楽しいことだけを気にかけます。
だから僕の頭の中にいるおサルさんは「そうだ、Instagramで上白石萌歌の投稿を見よう」って言うんです。
そんなことがあったのをただ思い出したから。笑
それからは YouTubeスパイラルが待ってます。
萌歌ちゃんの歌を聴きたくなって「adieu - ナラタージュ/ The First Take」を視聴していたら関連動画にクリスハートの「I LOVE YOU」を発見してなんだか気分だったからそれを聴いて、またその関連動画には森七菜(かわいい)と仲野太賀が出演しているショートフィルム「Tiffany Blue」を見つけて気になるからそれを視聴するんです。
ここまできておサルさんはこう言います。
「これで手一杯だから悪いけど今日はもう仕事を入れる余裕なんてないね」
動物の世界であれば、ラクで楽しいことだけを求めるのはまったく問題ではないんです。
このおサルさんにとっては人間も動物の一種にすぎません。
よく食べ、よく眠り、次の世代を生み出しさえすればいい。
私たち人間も原始時代はそんな生き方だったかもしれませんが、今は違います。
おサルさんは人間が進んだ文明社会の中で生きていることを理解していないんです。
理性的意志決定者がいるのはこのためで、彼の存在が想像力や自覚など、人間にしか持ち得ない能力を与えてくれています。
理性的意志決定者はすべてのことを考慮し、いま自分がすべきことをやらせようと働きかけてくれます。
でも、ラクで楽しいことをするのが理にかなっていることもたまにあります。
晩御飯や寝るとき、余談のときなどですね。
これら理性的意思決定者とすぐにご褒美を欲しがるサル両者の重なる部分で、意見が一致している状態です。
でももちろん、大局的な判断として、難しくてあまり楽しくないことをするのが理にかなっている場合もたくさんありますね。
ここですぐご褒美を欲しがるおサルさんと、理性的意思決定者の対立が生じます。
先延ばし屋がこの状況に立ったとき、たいていの場合はある結果に終わる傾向にあります。
下の図でいうオレンジ色の部分で示された、やるのが理にかなわないラクで楽しいことをする「暗黒の遊び場」で多くの時間を過ごすことになります。
ここで問題なのは「おサルさんが舵をとっている状況で先延ばし屋はいかにして青い領域、快適さは劣るけど本当に重要なことが起きる場所に移れるかどうか」です。
実は頭の中にはすぐご褒美を欲しがるサルと理性的意思決定者の他に別のキャラクターがいます。
パニックモンスターです。笑
パニックモンスターはほとんどの場合眠っています。
でも締め切りが迫っていたり、面目を失いそう、仕事上の危機など、よくない結末が近づくと突然目を覚まします。
そして重要なのが、このパニックモンスターはおサルさんが恐れる唯一の存在であるということです。
パニック・モンスターが目を覚ますと、脳内システムは混乱に陥ります。
そして、おサルさんはパニックモンスターが怖いのですぐに木の上に逃げ出します。
ここでようやく理性的意思決定者が舵を取れるようになり、目の前にふりかかっている課題に取り組み始めるんです。
ここまでくると先延ばし屋たちは常軌を逸した振る舞いをします。
2週間かけても一行も書けずにいたのが、期限前日になって奇跡のような集中力と速さで夜通しかけて10ページのレポートを書き上げたりします。
これが先延ばし屋の脳内のシステム。
極端ではありますが、最終的には機能するんです。
スピーカーのアーバン氏は今まで載せてきた写真からも分かるように、わりと軽い気持ちでこの「先延ばし屋の脳内システム」についての記事をブログにあげました。
でも、何千人の人々から受け取ったメールの重さは、その記事の軽さとはまったくもって対照的だったそうです。
最終的には機能するのに、多くの人が自分の先延ばしっぷりに悩んでいる。
なぜ彼らはそんな状態にあるのでしょうか?
わかったのは先延ばしにも2種類あるということです。
ひとつは締め切りのあるときの先延ばし、もうひとつは締め切りのないときの先延ばし。
締め切りがあると、先延ばしの影響はパニックモンスターが登場するので、短い期間に限定されます。
でも「家族へ会いに行く」「運動して健康を保つ」などといった、締め切りのない場合の先延ばしだと、パニックモンスターは一生出てきません。
先延ばしの影響は短期間に限定されないので、いつまでも先延ばしすることになります。
長期的な先延ばしは短期的なものと比べて、目につきにくく、またあまり語られることもありません。
たいていの場合、ひとりで静かに苛まれることになり、不幸や後悔のもとになります。
つまり、多くの人が先延ばしに悩まされるのは長期的な先延ばしによって不幸や後悔を感じているからなんです。
何かのプロジェクトで缶詰状態になっているからというわけではない。
長期的な先延ばしをする人たちは、自分の人生をまるで第三者のように、傍観者のように眺めています。
そして、彼らが先延ばしをする自分に苛立ちを覚えるのは、夢を実現できないからではなく、夢を追い始めるためのスタート地点にすら立てずにいるから。
でも先延ばし屋でない人なんて実はひとりもいないんですよ。
程度は違えど、みんな何かしらを先延ばしにしているものです。
締め切りとは健全な関係を保てているかもしれません。
でもおサルさんの問題が一番面倒くさいのは、締め切りがない時であるということを覚えておいてくださいね。
人生カレンダー
下の写真を見てみてください。
アーバン氏はこれを「人生カレンダー」と呼んでいます。
それぞれのマスは90年の人生における一週間分にあたります。
そんなにたくさんあるわけではありません。
僕たちはすでに20年、30年、40年生きているんですよ。
あなたはどれくらいのマスをすでに使っているのでしょうか。
この人生カレンダーをじっくり眺めて考えるべきです。
あなたが本当に先延ばししていることはなんなのか。
誰でも何かしらを先延ばしにしています。
だからみんな、すぐにご褒美を欲しがるサルの存在を意識しておくべきなんです。
それが僕たちの仕事であり、今日にでも始めるべきことです。
まぁ今すぐじゃないにしても、できればそう遠くないうちに。笑
今日はここまで。
英語学習者のみなさんへ
本記事で内容を理解したあとに、実際のスピーチを英語字幕つきで見ることで、英語のリスニング練習にもなります。
(内容理解のためだけに数十分のスピーチをまるまる視聴するより、先に日本語で説明されてる記事を数分で読んで内容理解した方が効率いいです)
英語字幕を音読すればスピーキング練習にもなります
スピーチの速度も変えられるのでとても便利ですよ。
英語を学びたいと考えている方はぜひ僕の記事を存分に利用しちゃってください。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
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Seiji
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