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風待ち日記

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水無月のほとりで風を待つ、いつかその日が来るまで
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#恋人

穏やかでねむたい午後に

穏やかでねむたい午後に

JUDY AND MARYの散歩道を聴いて、やたらのびのびした気分になっている冬とのお別れの季節、春が来たら黄色い花冠をつくって頭にのせ、お姫さまのようになりたいな、とぼんやり思いながら、うとうとお昼寝をした。

3月に入ってから、ぽつぽつと大学の友人への手紙を書いている。もうじき卒業式だから。

私の友人たちはみんな文学を学んでいるひとびとだから、それぞれのやり方で言葉を愛しており、そんな彼らに

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砂糖ひとつまみぶんの切なさ

砂糖ひとつまみぶんの切なさ

恋人と、前に好きだったひとの話をした。夜中にお酒を飲みながら、今まで電話で話していたことを、ひとつひとつ確かめるように目の前で話した。

彼と話すのは本当に楽しく、ほろ酔いながらふたりで話している私たちはまるで大人みたいで、なんだかおかしな気分だった。

話していると、彼はときどき言わなくてもよいことを私に言ったりする。しかも、それは私を傷つけようとしているわけではなくて、本当に純粋な目でこちらを

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