念願のタガメに会えた。生きものハイライト旅を振り返る。
最近、わが家の旅の行先がなかなか決まらない。
長期休みなら、2ヶ月も3ヶ月も前から計画を立てる人にとっては、驚かれるかもしれないが、わが家の旅は出かける当日の2日前くらいになって、ようやくエンジンがかかり、あれこれ手配する…という具合。
たとえば、6月末にあった三連休。
どこかに行くことは決まっていて、家族で3週間くらい話し合いを重ねたが、直前まで決まらなかった。(ただ決断力がないだけ?)
子ども達の2人の意見、親の意見、なかなか全員が満足する案に落ち着かないからだ。
結局2日前くらいに、ようやく段々と行先は青森だね?というふうに収束していって、急遽飛行機をとったり、宿をとったりした。
そして三沢の航空博物館にいって、その後、酸ケ湯温泉に宿泊。翌日は三内丸山遺跡で縄文人に想いを馳せて、浅虫温泉に行って海で遊ぶという青森旅行を楽しんできた。
というわけで、なかなか決まらない我が家の旅。
GWに行った旅も、直前に行先が決まったにしては、生きもの三昧&貴重な体験ができ、楽しい旅になったので記しておきたいと思う。
(時間差投稿で、しかも少し長いですが、お付き合いください。m(__)m)
1週間前に決まった裏磐梯&栃木旅
ちなみに、ゴールデンウイークの旅も1週間前になっても、まだ行き先が決まっていなかった。
最近の家族旅行といえば、必ず上の息子の生きもの探索とセット。それが、一層、旅プランを難しくさせている。
今回も上の息子の「タガメ」という水生昆虫を一目みたい!という要望がまずあった。
タガメは昔は田んぼに多く棲息していたのだけど、農薬に弱いため生息数を劇的に減らし、今は滅多に出会うことができない日本最大の水生昆虫だ。
絶滅危惧2類(VU)に属しており、絶滅の危険が迫っている。
もちろん近所にはいないし、一度も本物にお目にかかったことはなかった。
しかし我が家が、お米を10年以上頼み続けている栃木の農家さんは、無農薬で頑張っていらっしゃる農家さん。
そこで、ダメ元で電話して田んぼにタガメがいるか、息子が聞いてみることになった。
すると、なんと幸運なことでしょう。
「うちの田んぼは、タガメいるよ」という。
でも、ここで一つ障壁が。
「GWはまだ田んぼに水を張ってないから田んぼでは見られないよー」という。
でも、とにかく栃木に行きたい!可能性は低くても網をふりたい!という息子の猛烈なプッシュで、栃木行きは決まっていた。
その栃木にアクセスしやすいことに加えて、下の息子も楽しめそうな所。
そして「自然がいっぱいで、温泉があるところでリフレッシュしたい」という私のオーダー。
それらのオーダーを全て込みで、GW一週間前だけど、まだ宿が空いてる所というところで、ようやく1週間前になって火がついて真剣に探し始めた夫と私。
そのおかげで温泉があり、周りが自然に囲まれた素敵なホテルを、福島県の裏磐梯にて無事予約することができ、裏磐梯&栃木の旅が決まった。
行先が決まって安心していたのも束の間。
出発の前日に、夫が子ども達の初めての本格登山、一切経山(1948m)に登頂にしよう(といっても高低差500m弱なので初心者向きの山)、という欲張りプランを提案してきた。
この攻めの姿勢(でも、それはいつものこと)には驚いたし、息子たちの登山靴は下の息子の貰い物があるくらいで、そろっていない。
でも、まぁなんとかなるか……、というわけで、一週間前に行き先が決まったにしては、割とチャレンジングな予定がバタバタと決まった。
五色沼自然探勝路ウォーキングが気持ちいい
まず、1日目は裏磐梯の五色沼自然散探勝路ウォーキング。片道2時間くらいの、思いがけずハードな足慣らし。
昔、バンクーバーのロッキー山脈周辺でみた青い湖たちに、決して負けないくらい綺麗な湖を沢山みた。
こんなに美しい湖がしかも関東で見られるなんて知らなかったなあ。
とてもリフレッシュできるハイキングだったけど、日頃の運動不足がたたり私はヘトヘトに。翌日の本格登山に不安がよぎる。
子ども達初の、本格登山に挑戦
そして2日目、一切経山に向けて出発。こちらは活火山なので、立ち上がる煙に、少しドキドキしながら歩く。そこはかとなく温泉の香りが。
今年のGWは気温が高く、この日は晴天。歩き始めると、雪渓からの雪解け水がすごい。山道が小川みたいになっている所がたくさん。
流れてきた泥水で靴が濡れてよごれるのを嫌がっていた次男をなんとかなだめながら、歩みを進める。
雪渓で雪だるまを作ってみたり、子ども達には飽きないコースだったのがよかったのかも。
なんとか登頂!
アレ?子どもたちは、案外体力あまってる?
途中、絶景ポイントが何箇所もある。本当に素晴らしいコースでした。
そして、こちらが山頂にある「魔女の瞳」と言われる湖。
冬には、湖が雪と氷に覆われて真っ白になり、瞳が閉じてしまう。でも、あたたかくなると、こうして開眼するのだという。
美しい開眼を拝みながら、昼ごはん。
帰りは息子たち、駆け抜けるように降りて行った。
ついていくの大変……。
(※ちなみに一切経山、雪渓、雪解け水で道が歩きづらい道も多いので、登山靴があったほうがよかったです。ついでに、ストックもあるとなおいいと思います。)
初めて見たクロサンショウウオ
裏磐梯では、ビジターセンターの前の沼で、息子は網をふり生きもの探索。嬉しくてニヤつきが止まらない息子氏。
多分そこで2時間以上、探索していたと思う。ビジターセンターのお兄さんが、やってきて色々詳しく教えてくれたのも有難い。
ここで粘ったかいがあり、たくさん普段はお目にかかれない生き物たちを掬い上げた息子氏。
もちろん私も40年以上生きてきて、一度もお目にかかったことはない貴重な生き物たち。有難く愛でる。
クロサンショウウオ。とその卵。
※ちなみに、こちらは国立公園なので、動植物の持ち帰りは禁止されてます。
裏磐梯では、こちらのダリの美術館もすごく良かった。下の息子と一緒にみたのだけど、数字が隠されたダリの作品で数字探しをしたり。ダリの彫刻は、どれも奇想天外で、ツッコミを入れながらみることができた。
幻のタガメに、ついに会えた……!
3日目は栃木に移動し、私もずっとお会いしたかった農家さんに会う。
毎回、お米を頼むたびに、長文の手書きのお手紙レターくださって、ものすごくそれが読ませるのだ。一度お会いしてみたかったが、とっても優しい方だった。
田んぼには水がまだ張られていないので、近くの川に行ってみよう!ということになって、川でガサガサすること10分くらい!?
すると「うわー、なんだこれ、でっかぁ」という叫び声が。
夫と次男が入れた網に、巨大な黒いものが。
タガメだ。
手で触ると危険なので、注意しながら観察。多分体長は10cmはあったと思う。
圧倒的な存在感を放ってる。
そして、腕がとんでもなくマッチョ。
タガメのファンが多いのもうなずける。息子は飼ってみたいという気持ちもにじませながらも、タガメとしばらく戯れて満足したようだった。
名残惜しそうに、別れをつげていた。
息子達は、農家さんにトラクターにまで乗せてもらい運転体験もさせてもらった。
というわけで、福島と栃木探訪、盛り沢山でした。
下の息子は、ホテルで食べたバイキングと「赤べこ」の絵付けが楽しかったようです。
2泊3日にして、非常に盛沢山な旅。
子ども達も大人も、それぞれに楽しめた良い旅になりました。
このタガメとの対面で、タガメ熱はしばらく落ち着いていた息子。
つい先日、久しぶりに、「あー、タガメ会いたいな」という言葉を放っていたので、少しヒヤッとした。
何はともあれ、息子のおかげで、私もなかなか貴重な体験をしているような気がする。
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