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短編集

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これまで僕が書いた短編小説をまとめたものです。 気になるものがあったら、ぜひどうぞ。
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【短編小説】死人が出たら猫を隠せ

【短編小説】死人が出たら猫を隠せ

 同居人の月が死んだ。
 キッチンで倒れてるのを見て、最初は嘘だと信じたかった。けれど、生きてるとは思えないほどの体温を感じて、脈も鼓動もない体を見て、虚ろな目をした同居人の死を認めざるを得なかった。通報することも忘れて、亡骸を抱いて気付けば涙が流れていた。
 だから、いつの間にか家に入り込んでいた猫に気付きすらしなかった。

≪≫

 又木月は、私こと菊花七恵と共に、大学を卒業してからシェアハウ

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苦いものは味わえない/晴牧アヤ

苦いものは味わえない/晴牧アヤ

 ブラックコーヒーというものを、わたしは美味しく飲めたことがない。
 初めは、わたしが子供舌なのが原因かと思っていた。けど毎日飲んで慣らそうとしたって、安いものだから不味いのだと品質を上げてみたって、ただ苦いだけだった。砂糖やミルクを入れても、苦味を誤魔化しただけに過ぎない。というか、それをしたって苦いことは変わりなかった。多少マシになっただけだ。
 どうしても、わたしはブラックコーヒーを味わうこ

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【短編小説】踏切の幽霊

【短編小説】踏切の幽霊

「ねぇ、君、そこ危ないですよ!!」

 その声で、目が覚めた。
 私は何故か踏切の真ん中に立っていた。辺りは真っ暗。周りにはその声をかけてくれた人と、あと猫ぐらいしかおらず、しんと静まり返っている。幸い電車はまだ来てないようだけど、私はどうやらそんなところで呆けていたらしい。

 とりあえずここにいるのも危ないので、声が聞こえた方に向かう。声をかけてくれたのは小柄な女の子で、少々幼い雰囲気があった

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【短編小説】夜桜晩酌

【短編小説】夜桜晩酌

「お花見をしよう!」

 私の隣を歩く友人、梅朱ルアが唐突に叫ぶ。相変わらず突拍子もない提案をする彼女だが、一応続きを聞いてみる。

「で、なんで急に?」
「だって、桜が満開なの見ちゃったから!」
「ああ、まあ確かに咲いてるな……」

 3月の終わり。一年を締め括って、また新たな一年が始まろうという頃。それを出迎えるように、桜も咲く頃だ。
 しかし私、桜葉マキは花見をする気にはなっていなかった。そ

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【短編小説】逆夢

【短編小説】逆夢

 いつだったか、私は夢を見た。死んだ親友が目の前に現れる夢だ。
 まあ、もうまともに覚えてはいないのだけど。

 彼女が亡くなったのは、高校二年の秋だった。彼女は元々体が弱く、私はいつも彼女の隣にいて、支えていた。だからこそ彼女がいなくなった後は随分塞ぎ込んでいて、しばらく不登校になっていた程だ。
 彼女が再び現れたのは、その年の冬のこと。その夢の中で、未だに朝日が昇っても起きる余裕が無かった私は

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【三題噺】蛙化少女と人魚姫/晴牧アヤ

【三題噺】蛙化少女と人魚姫/晴牧アヤ

「圭、もう別れないか?」

 大事な話だと彼氏に呼び出されて、一番に言われたのがこれだった。心当たりもあって予想もついていたのに、何を言われたのか解らないかのように固まってしまう。

「え、えっと、また急だね……」
「そうでもないだろ。最近お互い冷めてきてるし、この関係のまま続くのも良くないしな」

 何一つ間違ってない、彼の言う通りだ。私は既に、彼を恋愛対象として見れていない。このまま付き合って

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