見出し画像

"放射線"と"X線"と"レントゲン"


新人
「先輩!教えてください!」

先輩「おお、どうしたん?」

新人「“放射線”と“X線”と“レントゲン”って、何が違うんですか?」

先輩「……そんなことも知らんと放射線技師なったん?」

新人「一応、授業では習いましたよ?けど、”同じ意味”って教えてもらっただけで、詳細は聞いてなかったんですよねー」

先輩「確かになあ」

新人「そういう先輩は、この3つの違い、分かるんですか?」

先輩「うっ…(コイツ痛いとこつきよるな)」



Question1.

“放射線” と ”X線” と ”レントゲン”
3つの違いってなに?


先輩「まず、“放射線”っていう大きな分類があって、その中にα線、β線、γ線……っていう、色んな種類の線があるわけよ。その内の一つが”X線”な」

新人「なるほど!」

先輩「で、この”X線”を見つけたのが“レントゲン”って人」

新人「ほうほう」

先輩「……以上や」

新人「ん?じゃあなんで、”レントゲンを撮る”って言うんですか?レントゲンはX線を発見した人の名前だって、先輩言ってたけど…おかしくないですか?」



Question2.

"X線"は放射線の一種。
では、"X線"="レントゲン"とされる理由は?


ベテラン「それはね、名付け親がそれぞれ違うからだよ」

先輩「……?どういうことですか?」

ベテラン「X線という名称は発見者であるレントゲンが名付けたんだけど。レントゲン…正確には“レントゲン線”という名前は、周囲の科学者たちがつけた呼び名なんだ」

新人「へえ~」

ベテラン「X線が発見された直後、まだ“X線”という名称がなかった時期だね。周囲の研究者たちは、発見者に因んだ”レントゲン線”という名称を用いて活発な議論を繰り広げた。でも、レントゲン本人は自分の名前を付けられるのが嫌だったみたい。後に”X線”という新たな名称を発表し、そちらを世間に広めようとした」

新人「なるほど!結果、広まったんですか?」

ベテラン「ちゃんと広まったよ。ただレントゲン線という名称が浸透していたのも事実でね。名前以外の意味で”レントゲン”という言葉が用いられるのは、それが原因さ。……まあ諸説あるだろうし、しがない一説として受け取ってもらえるとありがたいな」

新人「ありがとうございます!勉強になります」

先輩「(……俺も覚えとこ)」


"X線"は発見者、"レントゲン(線)"は周囲の研究者がつけた名称。
それぞれが指す内容はほぼ同じと考えて良い!


この記事が参加している募集

仕事について話そう

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?