EV(電気自動車)は本当にエコなのか?
#KENMAYA です。
世界でSDGsの流れが加速するにつれ、グリーンエネルギー、カーボンニュートラル、気候変動、電気自動車、などの関連ワードだけが独り歩きし、踊り狂っています。先日トヨタ自動車の会見を拝見し、その後YouTubeで「ものづくり太郎」さんのチャンネルでさらに詳しい解説を拝見して、本日記事におこしてみようと思います。よろしくお願い致します。
まずは、トヨタ自動車による『電池・カーボンニュートラルに関する説明会』です。
その会見内容を分かりやすく解説してくれている『ものづくり太郎チャンネル』さんの動画です。
まず、動画自体が長尺なので要点だけ掻い摘んで解説しますと、
・ 世界各国の電力事情は大きく異なるので、ガソリン車ゼロ(カーボンニュートラル)は逆にCO2排出を増やし、環境負荷を高め、コストも上がってしまう。
・ 電池の研究開発は現在進行形で進めているし、その製造工程でのCO2排出、材料コストの削減も進めてきている。
・ 希望的観測よりもきちんとした実証実験を行い、地に足のついたプロジェクトとして進めていく。
以上の3点です。
単純に原子力発電を含めたCO2を排出しない発電が主流の欧州で、EVが推進されるのは当然であり、中国では政府当局が(環境負荷や製造コストを無視した)強制的かつ強引なEV導入を推し進めています。トヨタ自動車としては当該地域向けにEV車の販売も強化していく予定ですが、あくまで世界戦略としてのEV化に向けた動きであり、日本をはじめアジアや米国向けには今のハイブリッド車をさらに高パフォーマンス化したHEVを主軸に展開していくとのことです。
エコ化推進を深堀りしていくと、大きな壁にぶち当たります。それはモノづくりの根幹に関わる部分であり、【モノを作るためには必ずCO2が排出される】ということです。特に新しい技術開発や新しい製造ラインを作れば、多くの部品や電力が必要になりますし、それにかかるCO2を含む開発コストは莫大なものになります。
カーボンニュートラルを実現するために今まで以上にCO2が排出されてしまっては意味がありません。代替エネルギーの開発や製造に多くのCO2排出を経て、既存のエネルギーよりも省エネ化できるとは限りませんし、例え省エネ化が実現できたとしても既存エネルギーの数倍のコストがかかってしまえば、利用する人は皆無でしょう。
トヨタ自動車の言う【地に足のついた技術革新】はまさにこのことを指しており、安易にガソリン車ゼロ、カーボンニュートラルを掲げることの浅慮に対してのアンチテーゼでもあると思います。
確かにカーボンニュートラルなどと聞こえのいい標語は、『わたしたちは環境に配慮し、持続可能な世界に貢献します』という意味に捉えられ、称賛されやすい言葉なのかもしれません。例えば、注目されている【水素】。これを作る際にも大量のCO2が排出されます。化石燃料から取り出したほうが効率がいいからです。世界のほとんどが、【水蒸気改質法】という高温下で化学燃料と水蒸気を反応させることで水素を発生させる方法を採用しています。電気分解法によって、水を分解して水素を取り出す方法にも大量の電力が消費されますし、コスト的にも化石燃料から取り出した方が安く、豊富に採取できるんです。
こういった一見エコに見えるエネルギーの生成にもCO2の排出は減るどころか増えますし、かかるコストも従来よりも増えてしまうのが現状なのです。
わたしたちはパフォーマンス的なエコに踊らされないように、本当に地球環境にとって大事なものは何なのか、ひとりひとりがしっかりと考えていかなければなりません。
是非皆さんのご意見もお聞かせください。
ここまで読んで頂き、ありがとうございました。
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