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水族館をつくろう【施設編】

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地元に小さな水族館を作りたい! そんな目標を掲げた男の、日々の奮闘日記です。 どんな水槽を置くか、どんな導線にするかなどなど、こちらでは施設や設備、部屋の使い方などを掲載🏢
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記事一覧

水族館をつくろう【施設編】#20 空間を提供する

水族館をつくろう【施設編】#20 空間を提供する

約5年ほど前からクラゲの販売会社を経営していましたが、始めてすぐに気がついた事がありました。 
それは、クラゲそのものに価値を見出す方以上に、クラゲがいる空間そのものに価値を感じる方の方が多いという事です。
クラゲの飼育は熱帯魚を飼うより難易度が高く、飼育方法を説明すると諦める方が圧倒的に多いですね💦
クラゲそのものと、クラゲがいる空間の双方をどの様に演出していくか、水槽の設計から計算していく必

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水族館をつくろう【施設編】#19 地域の学習の場

水族館をつくろう【施設編】#19 地域の学習の場

本日、福井の大野市にある、「本願清水イトヨの里」に行ってきました🐟

この大野市は豊富な地下水がそこかしこから湧いており、(近年は枯渇の問題もあります💦)安定した水温が保たれています。
そんな湧水地に生息しているイトヨという小さな淡水魚をシンボルとして、展示と学習の場での施設が、このイトヨの里になります。
イトヨとクラゲ、種類は違いますが、地域との連携などなど、水族館計画のヒントになる情報が多

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水族館もつくろう【施設編】#18 美術館

水族館もつくろう【施設編】#18 美術館

水族館を作る時、当然他の水族館を参考にしていますが、それと同じくらい参考にしているのが美術館です。

絵の配置、レイアウト、視線の高さなどなど、参考にすべきところは、もしかして水族館よりも多いかもしれません。
それと同様に、美術の本も読むようにして、それをどの様に水族館にアウトプットするかも考えるようにしています。

水族館をつくろう【施設編】#17 サメの卵

水族館をつくろう【施設編】#17 サメの卵

この写真はナヌカザメというサメの卵になります。
長期間生き物を飼育していると、その飼育環境に慣れて、生き物が繁殖してくれる事があります。
この「環境に慣れて」というのが大切で、生き物にとって繁殖は一大イベントで、環境が良くないと行ってくれない種類がほとんどです👏
水槽内で生き物たちが繁殖してくれる事が、飼育が安定いるかどうか、一つのバロメーターになります🐟
生き物たちが安心してくれる飼育環境を

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水族館をつくろう【施設編】#16 地域にいない生き物

水族館をつくろう【施設編】#16 地域にいない生き物

近年、水族館では、その地域やコンセプトに沿った生き物の展示を行う施設が多いですね。

かくいう私も、クラゲ以外の展示では、地域の生き物を中心(むしろ、地域の生き物のみ!)に展示する予定です👏
そこには明確な理由がいくつかあって、その中でも
1.地域活性化
2.教育
3.持続性
が大きな理由です👏
この辺りの深掘りは、別の機会にしたいと思います🐟

水族館をつくろう【施設編】#15 キャラクター

水族館をつくろう【施設編】#15 キャラクター

先日、水族館のアイコンを作ると書きましたが、今回はキャラクターです👏
施設によっては、アイコンがそのままキャラクターになっている所もありますが、予定している水族館では、キャラクターとアイコンは分けたいと考えています🐟

アイコンの回でも説明しましたが、水族館の宣伝や営業の際、キャラクターを一目見ただけで伝わる事が重要です👏
アイコンは今からデザインなんですが、キャラクターはだいたい決まってい

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水族館をつくろう【施設編】#14 アイコン

水族館をつくろう【施設編】#14 アイコン

水族館だけでなく、様々な形態や会社にはアイコンがあります。
お店や会社の名前を聞かなくても、そのアイコンを見れば、一目でどこのお店か、またはどんなお店かが分かります🐟

水族館の名称やキャラクターはだいたい決まっているのですが、このアイコンはこれから決めていく予定です👏

名称のデザインを含め、こちらはデザイナーさんとの協働で作っていきます!

水族館をつくろう【施設編】#13 見せる位置

水族館をつくろう【施設編】#13 見せる位置

水族館でも自宅の水槽でも、その多くは水槽を横から見ますが、最近では上から覗くことができる水槽(というか、鉢)も人気です👏
ここで気をつけないといけないのは、水槽を見る位置を変えると、そこにいる生き物を見る位置(部位)も変わってくる事です。

上から見て面白い水槽には、当然ですが上から見て魅力的な生き物を展示することが必要で、ここをきちんと理解しないと、ただの生簀になります🐟

そのためにも、日

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水族館をつくろう【施設編】#12 生き物に触る

水族館をつくろう【施設編】#12 生き物に触る

子供や大人関係なく、年々生き物に直接触る機会が減ってきていますね。
生き物の絶対数が減ってきたこと以上に、楽しめるコンテンツが増えていることも理由にあり、むしろ直接生き物と触れ合えるような機会は、益々貴重な時間になるのでは、と思っています🌿
しかし、水族館ではサメやヒトデ等に触ることができるタッチングプールが常設されている施設もありますが、私の方で計画してる水族館にはタッチプールは置かない予定で

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水族館をつくろう【施設編】#11  暗闇を演出

水族館をつくろう【施設編】#11 暗闇を演出

水族館の展示室のほとんどは暗い部屋です(清流を表現してるなど、一部例外はあり)
それは、暗闇の中で水槽をライトアップする事で、水槽をきれいに演出する効果があるからで、この演出効果が最も高いのがクラゲといえます。
しかし、同じ展示室に水槽がいくつもあると、その水槽のライトで暗闇が薄れてしまう場合もあります🌙

水槽の配置やライトアップの色、強さも計算しながら、暗闇の演出もしていきます⭐️

水族館をつくろう【施設編】#10 波をどう表現するか

水族館をつくろう【施設編】#10 波をどう表現するか

日本海と聞くと、断崖で弾ける波しぶきをイメージする方が多いのでは?🌊

特に冬季の日本海の荒々しさは恐怖すら覚えてしまいますが、それ以外の時期は、割と静かな時も多いんですよ💦

多くの人々が抱いている日本海の荒々しさを使わないのは非常にもったいと思っていて、これをなんとか水槽や水族館、展示で表現できないかを模索しています。

色々な方法があるので、頭の中をフラットにして考えていきます🐟何か閃

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水族館をつくろう【施設編】#9 トンボを飛ばす

水族館をつくろう【施設編】#9 トンボを飛ばす

以前、別の水族館で、施設内にトンボを飛ばせないか?という案が出ました。
淡水魚の水族館で、施設内も自然の野外を再現して広かったので可能性大の企画でしたが、トンボの生態やお客さんの安全性を考慮して、ボツになりました。
お客さんの安全面は、こちらである程度コントロールできますが、トンボは生き物なので、コントロールが難しいく、その辺りの議論やアイデア出しの時間が圧倒的に少なかったです💦

全ての種類に

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水族館をつくろう【施設編】#8 置いてけぼりにしない

水族館をつくろう【施設編】#8 置いてけぼりにしない

先日記事にしたギンカクラゲですが、このクラゲ、他のクラゲと違って少々特殊な部分があります。

ただ、これを正確に伝えるには、お客さんにクラゲの基礎的な知識のベースが既に備わっていることを前提し、専門用語が飛び交う説明文になってしまいます。
正直、これでは見てくれだけに目がいき、その面白い生態には興味を持ってもらえません💦

展示物の解説は、時として見てくれる人を置いてけぼりにしてしまう事がありま

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水族館をつくろう【施設編】#7 施設外の予備水槽

水族館をつくろう【施設編】#7 施設外の予備水槽

水族館は、旧公民館の再利用を予定しているため、敷地面積が限られています。
来たお客さんに満足してもらう大きな要因の一つに、展示水槽の数がありますが、水族館は水槽だけでなく、事務室、倉庫、バックヤードを含めると、限られた敷地面積では厳しい場合も出てきます。🏠

そこで、予備水槽の一部を地域で使われなくなっている漁港の一部を使うことを検討しています。

時期や利用状況も踏まえて、漁協さんや市役所さん

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