これは2回読まないとなと思った本【徒然読書⑥】
日本語訳が10年ぐらい禁じられていた本があるのを、知っていますか?
原本は500pにのぼるぐらい分厚いので、マンガ版を読んでみました。
マンガなのに、重要なキーワードがたくさん出てきて、これは1回で終わらせてはいけないなと感じました。
それは、『ザ・ゴール』です。
こんなかたにおすすめ!
・製造業関連に務めている方
・生産効率をあげたい方(仕事だけではなく、プライベートにも応用できます)
・小説みたいなビジネス書を読んでみたい方
・TOC制御理論について知りたい方
この本はシリーズ化されていて、内容も小説風になっており、実際の状況に即して書かれています。
具体的なストーリーは、読んでのお楽しみとなりますが、舞台は生産現場つまり工場です。
工場の生産効率を高め、すべての企業の「ザ・ゴール」=お金を儲けることに貢献して行くにはどうしたら良いのでしょうか。
バランスのとれた工場に近づくほど倒産に近づく。
余剰在庫を作っているのは人である。
従業員が休まず作り続けている工場は非常に非効率である。
逆説のように思えますが、以下の3つの指標から、導き出されるのです。
スループット:販売を通じてお金を作り出す割合
在庫:販売しようとする物を購入するために投資したすべてのお金
業務費用:在庫をスループットに変えるために費やすお金
ただ作るのではなく、販売してお金が入ってこそ意味があるのです。
在庫は機械も含まれますし、業務費用は人件費が含まれます。
これら3つの指標を同時にあげる必要があります。
では、どのようにしてあげれば良いのかというと。
「依存的事象」(ある現象はある現象につながっている)
+
「統計的変動」(常に一定ではない現象)
「2つの現象が合わさった時の効果」が重要。
各工程はつながっているからこそ、他のリソースより余分な能力をもつリソースがあってもいいのです。
それが全体最適につながります。
そこで、リソースを2つに分けます。
「ボトルネック」:その処理能力が与えられた仕事と同じかそれ以下のリソースのこと
「非ボトルネック」:与えられた仕事量より処理能力が大きいリソースのこと
ボトルネックとは、簡単に言えば、全体の流れの中でつまっているところ(リソース)です。
動きが遅かったり、作業効率が悪かったり・・・
ボトルネックが見つかったら、ただ使用するのではなく、どう活用するかを考えます。
①ボトルネックの時間のムダをあらゆる方法でなくす
②ボトルネックの負荷を減らして生産能力をあげる
そうすることで、ボトルネックを通過するフローを市場からの需要に合わせるのです。
スムーズにできるところに需要を合わせても、ボトルネックでつまってしまうからです。
量が多すぎても、仕掛品の山がへらなかったり、問題が生じます。
「ザ・ゴール」では、ボトルネックを「制約」とよんでいます。
「制約」を高めるための、5つの集中ステップも重要です。
1 制約を見つける
2 制約をどう徹底活用するかを決める
3 他のすべてをステップ2の決定に従わせる
4 制約の能力を高める
5 制約が解消したらステップ1に戻る
その制約に集中することが全体最適になる、という考え方を「TOC(Theory of Consraints)制約理論」といいます。
この考え方は、日常生活のなかでのボトルネックを見つけて、それを中心にして何かを変えていくことにもつながるのではないか、と思います。
うまくコツをつかめば、汎用性がありますね。
この本は、1984年に出版されたのですが、時は日本の高度経済成長期。
だから日本語訳されてしまうと、さらに成長してしまうと危惧されていたのです。
ようやく出版されたのが2001年。
高度経済成長期が終わったからこそ、逆に読む価値があるのかもしれません。
『ザ・ゴール2』のマンガ版も買ったので、また投稿したいと思います!
気が向きましたらのぞきに来てくださると、嬉しいです!