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《31》農業の事例(ふくしま未来農協)~企業と連携し業績回復~

業界別のSDGs事例紹介。

今回ご紹介するのは農業。

福島市に本店を置く「ふくしま未来農業協同組合」です。


同組合は第4回ジャパンSDGsアワードにおいてJAグループとして全国初となるパートナーシップ賞を受賞されています。


同組合は、「農業王国ふくしま」の新たな創造に挑戦すべく、「未来への心をつなぐパートナー〝農をはぐくみ地域をつなぐ〟」を経営理念として活動されています。

具体的な取り組みとして、2019年から全役職員参加のもと「SDGsと協同組合」研修会の開催や、組合員向け広報誌「みらいろ」において組合員が学習できるSDGsのトピックを連載。

また、女性部のエコバック作製やウォーキング大会など健康や環境に関する活動、包括連携協定を結ぶ団体組織と災害発生時に土嚢(どのう)やスコップを提供し合うなど相互支援を実施されています。

20年度は包括連携協定を結ぶ福島大学のほか、管内の大学生にコロナ禍における学生支援として、総量約1・8トンのコシヒカリを贈呈し、

労働力を必要とする果樹農家に生活が困窮する学生を斡旋(あっせん)する援農支援も行われました。

そして、福島といえば東日本大震災での被災が記憶に新しいですが、そこからの生産回復に尽力した結果、

日本一の夏秋キュウリ産地となるなど、農業復興を果たすとともに、買い支え運動「ふくしま応援隊(※)」を通して風評被害対策にも注力。

また、地域の企業と農産物の加工や観光で連携を強め、業績回復や不安の払拭(ふっしょく)に奔走されました。

こうした取り組みの積み重ねが「農家の所得向上を支え、国内外の農業振興モデルになる」と評価されました。


直近の国連報告書では、21 年の全世界での飢餓人口は8億2800万人。
20年より4600万人増え、世界人口の9・8%を占めるとされます。

SDGsのゴール2「飢餓をゼロに」では、「飢餓に終止符を打ち、食料の安定確保と栄養状態の改善を達成するとともに、持続可能な農業を推進する」とうたわれています。

このゴール達成に向けて、「食」という人間の根本を支えている全国の農家の取り組みにはますます期待が高まります。


(※注釈)ふくしま応援隊 「ひとつ、ひとつ、実現する ふくしま」をスローガンとして県内外の多くの人たちから応援のメッセージや写真を集め、ホームページやSNSにて発信している。

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