【声劇台本】026「あべこべ連打」
<配役>
まきちゃん(16)高校1年生。
わたるくん(16)高校1年生。
ーーー本編ーーー
まき「好きなら、つき合ったらいいじゃん!」
わたる「それが、わかんなくて……」
まき「はあ!? 自分以外、自分の気持ち、ほかに誰がわかるんだよ?」
わたる「でも……」
まき「曖昧な態度は告ってくれた子に失礼だ!」
わたる「本当によくわかんなくなってて……」
まき「グズグズしない! 返事してこい!」
まきのMO「そう言って君を突き放してしまったこと。実は後悔しています」
わたる「まきへ。相談のってくれてありがとう。あれからよく考えたんだけど。俺、やっぱつき合ってみることにする。背中押してくれてありがとな!」
まきのMO「君からのメッセージに思わず不正解ボタンを押した。ちがう! そうじゃない! 私の言葉と心があべこべだって事、でも、どうしたって君に伝わるはずなかった……」
まき「わたるへ。お前は最低だ!」
まきのMO「これが精一杯の私の返信であった」
わたる「最低ってなんだよ」
まきのMO「君から即返事が来る」
まき「わたる、全然わかってないから」
わたる「何をわかってないんだよ。逆にわかんねえよ」
まき「だから最低だっつーの!」
まきのMO「私が怒っている意味くらい、察知してほしいものだけど、鈍感男子には到底無理な注文と言うものか」
まきのMO「もうダイレクトに『好き』という二文字を送ってやろうか。でも! やっぱり無理だ! 慌てて削除ボタンを連打する。連打したって、この気持ちは削除できるわけではないのだけれど、とにかく連打していた」
今後の執筆と制作の糧にしてまいりたいと思います。