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ビーフ : 『満たされないもの』

裕福な暮らしがあって、優しい夫と可愛い娘、そして成功した自分の事業がある。けれども心の奥に怒りと悲しみを抱え続けている。そんな女性のドラマチックなストーリー『ビーフ』はNetflixで公開されて大反響を呼んでいる。

実業家であることと母親であること、義母にとってその息子の妻であること。女友達との関係。さまざまな役割を演じながら、日常の不満がどんどん膨れ上がっていく。その様子をダークコメディ仕立てで描いた『ビーフ』はすでにいくつもの賞の候補となっている。

『ビーフ』は米語のスラングで、『満たされないもの』または『葛藤すること』の意味がある。主役のアリ・ウォングは、スタンドアップ・コメディアンとして絶大な人気をもつコメディ界のスターだ。

かつては出産直前の大きなお腹で、見事な舞台を演じ、会場一致の大喝采を受けた。そのジョークはかなり際どいもので、人種差別(アリ自身はアメリカンエイジアン)や男女差別、セックスなど多岐に渡る。

お金を儲けたい。儲ける夫に稼いでもらって家でぐ〜たらしたい。そんな願望をあからさまに、しかもユーモアたっぷりに巧みな話術で話す。


そこには深い人間洞察と、自分を深掘りした探索的な叡智がある。母親として、妻として、そして一人の人間として、何をどう捉えて人生をナビゲートしていけばいいのか、彼女の作品はすべて、根本的な意味を問う。


参考:Beef Aly Wang Ali Wong on ‘Beef,’ Divorce, Motherhood, Stand-Up – The Hollywood Reporter





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