工学部ってどんなとこ?(2)
みなさん、こんにちは。東北大学サイエンス・エンジェル(SA)のもえさんです。東北大学工学部・工学研究科紹介の後編としまして機械系に所属しております私がインタビュアーとなり、「現役学生へのインタビュー」をしていきます。
現役学生の生の声を届けられたら嬉しいです👩🎓
(前編はこちら)
今回インタビューするのは
やまさん(工学研究科マテリアル・開発系 知能デバイス材料学専攻)
みぎさん(工学研究科電子情報システム・応物系 応用物理学専攻)
の2名です。
それでは早速、インタビューしていきたいと思います。
以下、私の発言を「もえ」、やまさんの発言を「やま」、みぎさんの発言を「みぎ」と記載しています。
知能デバイス材料学専攻:やまさん
もえ:やまさんについて教えてください。
やま:私は、工学研究科マテリアル・開発系 知能デバイス材料学専攻 博士後期課程(博士課程)の1年生です。工学部材料科学総合学科を卒業、博士前期課程(修士課程)は知能デバイス材料学専攻を修了しました。
もえ:学部からずっとマテリアル・開発系なのですね!
やまさんは進路選択の際になぜ工学部を選びましたか?
やま:将来「モノづくり」にかかわる仕事につきたいと思ったからです。志望校を決めた時は、具体的に作りたいものや入りたい会社は全くイメージできなかったですし、学びたい分野も決まっていませんでした。そのような中、高校3年生の時の担任の先生が東北大学の工学部を勧めてくださり、パンフレットを見てみたら「まだよくはわからないけど、色んなことが学べそうだ!」と感じ、綺麗なキャンパスにも魅せられて工学部を選択しました。
(写真:https://www.material.tohoku.ac.jp/dept/applicants/webopencampus/から引用)
もえ:私も高校時代にはまさか自分がロケットの研究をすることになるとは想像できませんでした。進路選択には意外と直感も大切かもしれませんね。やまさんは実際にどんなことに魅力を感じていますか?
やま:工学部の場合、インターンシップ・就職の情報が充実しており、それらに割く時間が比較的少なくて済むため、研究や勉学に集中できる時間が多いことが魅力だと思います。留学プログラムや博士学生の支援制度が充実していることも魅力です。
また、材料科学総合学科の場合だと、「材料科学」という分野自体が魅力だと思います。モーターの高性能化、メモリの高容量化、エンジン高効率化、安全なリチウム二次電池の開発、水素社会の実現など、人間社会の課題を解決していく上で新しい「材料」は欠かせないものになっています。
(画像:https://www.material.tohoku.ac.jp/dept/introduction/future/から引用)
もえ:確かに制度が充実していますね。私の周りでは留学制度を使っている友達が多いです。また「材料科学」も非常に魅力的ですね!私は機械系ですが、大学に入って勉強すればするほど材料系の研究の大切さを実感しました。
続いて、研究内容について教えて下さい。
やま:デザイン性に優れたタッチパネルディスプレイの実現に向けてコーティング材料の研究をしています。金属や酸化物を組み合わせて、見た目の色と電気抵抗を同時に制御できる材料を開発しています。
もえ:これまでのディスプレイとはどんな違いがありますか?
やま:見た目の色と電気抵抗を同時に制御することで、電源がオフの状態で高級感のある漆黒のタッチパネルが実現できます。
もえ:それはかっこいいですね!タッチパネルディスプレイはスマートフォン等で身近な技術となってきているので、これからの研究の発展が楽しみです。
最後にnoteを読んでいる学生の皆さんに向けて一言お願いします。
やま:大学入学をゴールとせず、その先に何をしていきたいのかを考えて、大学や学部学科を選択するといいと思います!応援しています!!
もえ:進路決定の理由と大学での研究がよく分かるインタビューでした。ありがとうございました。
応用物理学専攻:みぎさん
もえ:みぎさんについて、教えてください。
みぎ:工学研究科応用物理学専攻に所属しています。大学院に入る前は工学部電気情報物理工学科に所属していました。
もえ:工学部を選んだ理由は何ですか?
みぎ:超伝導に興味があったため工学部を志望しました。高校生の頃は物理の先生方と仲が良く、物理に触れる機会が多くありました。そこで超伝導について触れる機会があり、工学部を意識しました。
もえ:奇遇ですね!私も高校生の頃、物理の先生と仲良しでした。物理を面白いと思う人は理学部だけでなく工学部にも向いてそうですね。実際にどんなところに楽しさや魅力を感じていますか?
みぎ:私は実験系の研究をしていますが、やっぱり自分の手で世の中で役立つかもしれないものが生み出されるのは楽しいと感じます。私の所属していた電気情報物理工学科は基本的には学部3年生の終わりから研究室に配属されますが、「Step-QIプログラム」に入ると学部2年生から研究室に仮配属することができます。1年ごとに研究室を変えることができるので、色々な分野の研究に触れることができました。
もえ:私も自分が関わった研究がいつか社会の役に立つ日が来ることを想像して、日々わくわくしています。
Step-QIプログラムは、電気情報・物理工学科の学生は誰でも参加することができるのですか?
みぎ:審査はありますが、ほとんどの学生が参加できます。研究室仮配属だけでなく英語学習のプログラムや学会の補助もあるので、とってもオススメです!
(画像:https://www.ecei.tohoku.ac.jp/stepQI/から引用)
もえ:色々な分野の研究や発表を経験することはその後の研究生活にもプラスになると思うのでぜひ多くの学生に挑戦してもらいたいですね!
みぎさんの研究内容について教えてください。
みぎ:一層応用に適した超伝導体の探索を行なっています。現在MRI等に用いられている超伝導体ですが、私は磁場中での温度特性を向上させるために日々酸化物の粉末を調合しています!
もえ:なるほど!みぎさんの研究が発展すれば、MRI以外のものにも超伝導の技術が使えるようになるのですか?
みぎ:私の場合は、新しい製品を作るということより、さらに便利になることを重視しています。たとえば、MRIで身体の病気を見るためにはコイルで磁界を発生させるのですが、より高い磁場に耐えうる超伝導体が開発されれば今まで見つけることができなかった病気を見つけることができるようになるかもしれません。
もちろん特性が上がることによって新しい製品が作られる可能性もあります。色んなアイデアを考えていきたいです。
もえ:病気の発見に関わってくるのですね。工学と医学が手を組み解決できることは想像以上に多くありそうですね!これからも研究頑張ってください🌼
最後にnoteを読んでいる中高生の皆さんに向けて一言お願いします!
みぎ:色々な情報を目や耳で吸収しながら進路選択をして欲しいです。研究は本当に楽しいですよ!
もえ:研究の楽しさが伝わってくるインタビューでした。ありがとうございました。
今回はマテリアル開発系と電気情報システム・応物系に所属する大学院生2人へインタビューを行いました。
工学部の女子学生を身近に感じていただけたでしょうか?
工学に興味を持って、私たちと将来一緒に研究してくれる人がひとりでも増えてくれると嬉しいです。
今後は、私の所属している機械・知能系や化学・バイオ系、人間・環境系の学生にも随時インタビューしていく予定です。続編もお楽しみに!
記事へのコメントやSAへの質問などはいつでもこちらのフォームからお待ちしております。
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編集後記
2人へのインタビューを通して、自分が工学部を選んだきっかけや高校時代の記憶が蘇りました。今後の人へのインタビューが楽しみです。(もえさん)
東北大学サイエンス・エンジェル
次世代の研究者を目指す中高校生に「こんな女性研究者もいるんだ!」「理系って楽しい!」という思いを伝えるため、2006年に結成。年度毎に学内で公募され、総長に任命された 東北大学の自然科学系10部局に所属する女子大学院生が、中学・高校での出張セミナーや科学イベントで科学の魅力と研究のおもしろさを伝えている。メンバーは宇宙・自然・ロボット・環境・ヒトや動物の身体のしくみなど、それぞれの専門分野で日々研究中。
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